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【言葉】相手下げよりティーアップ~四国グルメ発言

今回はいつもとはちょっと違った話題です。先日、秋田県の佐竹知事が四国の食事を貶す発言したことで炎上し、謝罪するというニュースがありました。その直前に佐竹知事は秋田県で相次ぐクマによる被害に対し、非常に心強いメッセージを発信し、「さすが!」という声が上がった直後の出来事だっただけに、改めて「言葉」の大切さを痛感させられた一件だったように思いました。そこで今回はこの話題を中心に「言葉」の重みについてシェアしていければと思います。


そもそもティーアップとは?

まずはタイトルに掲げた「ティーアップ」とは何だ?という方もいらっしゃると思うので、そのあたりから解説していこうと思います。ちょうどとても上手に説明されているブログがありましたので、引用させていただきたいと思います。「ブランディングとデザインで、事業主様の世界観づくり・ファンづくりをサポート」していらっしゃる溝端マリさんのブログになります。

ティーアップってなに?
「ティーアップ」とはゴルフ用語で、ティーにボールを乗せること。
つまり、ボールを少し上げること、を指します。コミュニケーションで言う「ティーアップ」とは、良い意味で少し持ち上げることを指します。誰もが自分の良さを正しく伝えたいとは思いますが、相手に響くように、より良い印象で伝える意味では、自分で自分のことを褒めるより、自分以外の誰かに褒めてもらう方がはるかに効果的!と言えると思います。ティーアップができると、結果的に、周りから愛され、頼れられ、感謝され必要とされる人になっていくはずです。

溝端マリさんのブログ「Branding & Design」
「価値を劇的に上げるティーアップの意味と、ビジネス活用」より抜粋

ま、簡単に言うと「ヨイショ」みたいな感じでしょうか。とはいえ、よくある「おべっか使い」的な卑屈なモノではなく、その場を互いに気持ちよくするために、互いを「褒め合う」というようなニュアンスで自分は捉えています。ちなみに溝端さんのブログには詳細な説明が書かれておりますので、ぜひ興味を持った方はご覧いただけると理解が深まると思います(私も勉強になりました!)。

言葉のパワー~良くも悪くも「言葉」のさじ加減ひとつ

言葉って本当に不思議な力を持っていますよね。ちょっとした発言が大きな波紋を呼ぶ、なんて事例は枚挙に暇がありません。また逆に例えば大リーガー大谷選手の「憧れるのをやめましょう」のようにチームを鼓舞し、きっと歴史に残るであろう名言もまた一人の人間による「発言」から生まれる。「言葉」というものは人間だけに与えられた能力だとよく言われます。そしてこれを生かすも殺すも人間次第という。繰り返しますが、本当に不思議な魔力があるように思います。

勝手に提案「こういう発言はどうでしょうか?」

では、この場合、どういうコメントであれば、「やっぱり佐竹知事、さすが!」となったのか。私の浅知恵ではありますが、ここはやはり「いやー、四国はどこも美味しいもの揃いですね!私たち秋田も美味しいものが多いと思うのですが、四国には勝てません。ただしお酒は負けてませんよ、米どころですからね。ぜひ四国の美味しい魚を食べる時には秋田のお酒をご一緒に楽しんでください」というような感じで、相手を持ち上げつつ(ティーアップ)、自分(の商品)をアピールする、なんてのはどうでしょうか?

そして、一方、地元秋田に帰ってからの講演会などでは、「いやー、四国にも美味しいものがたくさんありましたよ。でもね、お酒は負けてないですよ、やっぱり秋田は米どころですからね。それに日本海の海の幸。これもまた格別ですね。こういう美味しいものをどんどん日本中、いや世界中に広めていきましょうよ」というように、より一層、地元自慢を広めたら、「さすが!」となりませんかね?(単純すぎます?拍手喝采が聞こえるんですけど・・・笑)

みんな「食」(の話題も)が大好き!

やっぱり、どんな人でも「お国自慢」ってあると思うんです。地元を離れ、さらにはあまり地元にいい思い出がない方だとしても、「食」となれば話は別で、きっと一つや二つは自慢したいグルメがあるはず。「食」の話題は鉄板ですからね、誰も傷つけませんし。ですから、佐竹知事はご本人も仰っているように、お国愛が強いあまり、相手をティーアップの逆の「下げ」をしてしまったんだと思います。

一方、こうした一連の流れの中で、香川県の知事が佐竹知事を批判するのではなく、「これからも香川県の素晴らしい料理やお酒をPRしていきます」というコメントを発表したのはさすが!ここで批判コメントをしても不毛なだけ、こうした大人の振る舞いを見せることで、香川県株を上げたのではないでしょうか。とっさに思いついたコメントなのでしょうか、それとも少し寝られていたのでしょうか。知事オリジナルなのか、もしくはライターの方がいたのかもしれませんが、この香川県の対応は素晴らしい機転だなと思いました。

日本に美味しいものがありすぎる問題

日本の良いところはたくさんありますが、47都道府県それぞれに「自慢料理」がある点もその一つだと思います。しかも厳密には一つの県であっても地域ごとに味付けが違うということも。このあたりは山あり海あり、そして四季の移り変わりあり、さらには気候もめまぐるしく変化する地域事情等もあるのかもしれません。それだけにあちこちの「名産フェア」やそれこそ「ふるさと納税」で地域のグルメを注文なんてのも流行っていますよね。

ですから、やっぱりここは「ティーアップ」の精神で、互いに良い意味で「褒め合う」。美味しい食事、美味しいお酒でみんなハッピー。これが一番良いじゃないですか。ちなみに佐竹知事といえば、戦国時代は常陸国、佐竹藩のお殿様の家系であることは有名ですよね。きっと歴代のお殿様もそうしたお食事を召し上がっていたことと思いますので、ここはぜひとも心広く寛大なお心で「よきかな、よきかな」と構えて頂ければいいのではないかな、と思いました。

改めて「言葉」の重みを再確認&その「力」に要注意

ということで、今回は「言葉」の魔力。そして「ティーアップ」の精神でみんなハッピーになろう、ということを書き連ねてみました。とくに「受け狙い」の時、または「疲労困憊」の時などは、失言やいらぬ余計な発言になりがち。さらにはこうしたインタビューや質問に答えるときは、そうした誘導尋問もあるので、要注意ですね(・・・と、自分への反省と共に、今後に気を引き締めたいと思います)。




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