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【SLAM DUNK】幻の「リョータのおばぁ」のメッセージ他、心に響く3選

ここ数日、言葉についての投稿が続いています。言葉の力はとても大きいので、プラスにしてもマイナスにしても、その効果は絶大です。せっかく人類に授けられたモノですので、うまく付き合っていきたいですよね。そして基本的に元来ポジティブ人間でありたいと思っている私としては、ちょっと疲れた時、しんどい時でも言葉の力をもらってプラスに作用できればと思っています。そこで今回は未だ冷めない「スラムダンク」熱により、映画と原作から厳選した3つのメッセージをシェアしていきたいと思います。


① リョータのおばぁからカオルさんへ贈った言葉

風に勝とうとしたら折れてしまうよ。
立ってられないくらいの風なら座ったらええよ。
それでも強ければ倒れてええよ。
つっぷしたら風がやむまでそうしてなさい。そのうち風はやむさ。

「THE FIRST SLAMDUNK re: SOURCE/井上雄彦」より

事実上映画の原作本といっても過言ではない「THE FIRST SLAMDUNK re: SOURCE」からのワンシーンです。「リョータのおばあさんが、うたた寝をするリョータの母カオルさんに語りかけたであろう言葉」という紹介がされています。ファンにとって堪らないのは、こうした本編未収録のエピソードが掲載されていること。おばぁは自分の息子(リョータの父)と(おそらく)初孫(ソータ)を海で亡くしており、その悲しみはどれだけ深いのか、軽はずみに「お察しします」などとは言えません。

そんなおばぁの言葉だからこそ胸に打つものがあります。「風に勝とうとしなくてもいい」「立っていられないなら、座ればいい」「風がやむまで突っ伏してればいい」「そのうち風はやむ」・・・どれも心にしみわたります。愛する者を亡くした「喪失感」。気持ちを共有できる存在だからこそ、義理の娘に対しておばぁはこの言葉を伝えたのかもしれません。本編ではカットされてしまったのですが、こうして出版してくださったおかげで、より一層、映画に深みが出ているように思います。

実際、この言葉、いかがですか?本当にその通りだな、って思いませんか?どこか無理をして走り続けていると、いつかどこかで息切れをしてしまう。人間ってそんなに強い生き物ではないので。どんなに無敵に見える人でもきっとどこかに弱い部分をもっているはず。おばぁの言うように「立ってられないくらいの風なら、座ったらええよ」というスタンスは持っていたいですし、周囲の仲間にもそうして声を掛けてあげたいですね。

② 山王戦、湘北ベンチ陣から花道へ贈った言葉

安西先生「君が追い上げの切り札になる・・・!!」
石井「ボールよ吸いつけ、ボールよ吸いつけ、ボールよ吸いつけ・・・
僕の念も込めといたから、頼むよ、桜木君!」


花道「この試合・・・絶対オレが何とかしてやる・・・!!」
不思議と迷いはなかった やるべきことが1つに絞られていたから
それに こんな風に 誰かに必要とされ 期待されるのは初めてだったから

原作27巻#242「切り札参上」より

映画ファンも大興奮の山王戦、花道が安西先生からミッションが下り、湘北ベンチ陣から「ボールよ吸いつけ・・・」という謎の儀式を受け、再びコートに戻るシーンです。もちろん映画版も素晴らしいのですが、ここは原作の方が深みがあって、細かい描写から花道の心情が伝わる工夫がされています。

映画でも原作でもわずかしか触れられていませんが、花道はどうやら中学時代、相当荒れていたんですよね。そんな彼ですから、周囲からはきっと若干白い目で見られ、助けてくれるのは洋平くんたち「いつものメンバー」。常日頃から花道は色眼鏡で見られ、悔しい思いもしてきたはず。そんな彼がチームの仲間たち全員から期待され、必要とされる時が来た・・・となれば、これで燃えない人間はいませんよね。

今回、この言葉を選んだのは、一見、ノー天気でお調子者、ただのおバカキャラに見える花道が、実は繊細でかつチームの雰囲気を一気に変えてしまうだけの力を秘めた「逸材」であるという点と、彼もまた一人の人間として不遇の時期を乗り越え、今ここで彼の今まで持て余してきた類まれなるパワーを一気に爆発させようとする一瞬をとらえたシーンであり、彼の心うちを表現した描写だったからです。いやー、本当に花道、いいヤツですよね。彼がいるだけでチームが明るくなるし、こういう存在って誰もがなれるわけではないので、本当に貴重。先生や先輩にもタメ語だったり、無礼な言動、行動もありますが、なぜか許せてしまう、憎めないキャラというのも魅力的です。

③ 山王戦、ミッチーが赤木主将へ贈った言葉

三井「河田は河田、赤木は赤木ってことだ・・・」
赤木「オレが河田に勝てなければ湘北が負けると思っていた・・・」
安西先生「ウチには主役になれる選手がたくさんいる・・・・それを彼は言いたかったんでしょう」

原作28巻#246「主将の決意」より

ラストはこれまた山王戦での赤木と三井の感動的なやりとりから。ここも映画版と原作では少し違った味付けがされていました。赤木が河田への意識過剰から視野狭窄状態に陥ったとき、ライバルである陵南高校の魚住がコートに下りてきて「桂むき」を披露する名シーン。ま、これは原作だからできることであり、映画版ではカットされてしまいました(ま、コートに包丁は持ってこれないですよね)。

ここまで様々な因縁がありながら、徐々に氷解し共に全国制覇の夢をかなえるべく前に進み始めた三井と赤木の「らしい」シーン。三井がボソっと「お前はお前だ」とつぶやくシーン。あれ、これは映画でしたっけ?もはや分からなくなってきてしまいました(笑)。疲労困憊で立っているのがやっとというフラフラ状態のミッチーが力を振り絞って「お前のまんまでいいんだよ」とゼーゼーしながら赤木に伝える。ここもいいですねー(笑)。

人間、ピンチになると、あれこれ考えすぎて、一人で勝手にパニック状態になってしまい、気づくと前が見えなくなってしまうときってありますよね?そんなときに「大丈夫、落ち着けよ」と言ってくれる仲間の存在って本当に重要ですよね。ましてや、いつもは冷静沈着で「湘北問題児軍団」のまとめ役である赤木主将も、日本最高峰センター河田を前にして自分を見失ってしまう。赤木の人間らしい一面が描かれているという点、さらにはミッチーらしい気の利いた励ましが微笑ましいシーンを選んでみました。


以上、いかがだったでしょうか。「言葉」ってプラスにもマイナスにも作用するモノであり、できることならプラスの効用を常日頃から心掛けていきたいですよね。しかも自分だけでなく、周りにそうしたプラスの言葉掛けをすることで、相手がより一層パワーを発揮する、なんて効果もあったりします。人間の持つ不思議さ、「言葉」の力を感じる一面のように思います。「言葉」持つ「いい面」にフォーカスして互いにパワーを送り合えるようになるといいですね(もちろん、自分自身にパワーを送るのも全然アリだと思います!)


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