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【仕事】今話題のChatGPTについて思うこと~藤井聡太名人、おめでとうございます!

全くの門外漢の私が「将棋」について書く・・・というのはおこがましい限りなので、将棋云々というよりは、藤井聡太名人の言葉から、昨今話題のAIならびにChatGPTに関連する話につなげていきたいと思います。まずは以下の記事をご覧ください。

現代将棋を語る時、AIを避けることはできない。将棋コンピューターソフトは2010年代に入って劇的に進化。12~17年にはソフトと棋士との対抗戦「電王戦」が行われた。激闘となったのが17年に最強ソフト「PONANZA」が当時名人の佐藤天彦を破る。「AIは棋士を超えた」と誰もが思うようになった。

朝日新聞(2023年6月2日朝刊より)

これはさすがに私でも覚えています。AIが人間を超えた!ということで話題になりましたね。そして「さすが」なのが、この藤井名人。直前の06年に史上最年少棋士としてデビューし、なおかつAI研究を導入していったそうです。藤井名人は5歳から将棋を始め、詰将棋やアナログなパズル等でも力を発揮していたということですので、もちろん「才能」もあったのだと思いますし、さらには「努力」の人でもあると記事には書かれています。

八冠制覇に残されたタイトル、王座を保持する永瀬拓矢氏は研究パートナーでもある。「努力」を代名詞とする永瀬は「あれだけの実績を重ねながら、藤井さんは棋界において、1番か2番の努力をしている。才能と向き合い、磨いている藤井さんを私は尊敬しているんです。」

同上

このあたりになってくると、大リーグで活躍中の大谷選手と重なる気もしてきますね。奢らず、ひたむきに、もっと上へ、もっと高みへ・・・と努力する姿が本当に素晴らしい!さて、ここからがようやく本題。藤井名人自身はAIについてどう考えているのか。これもまた記事から引用したいと思います。

「条件を整理し、条件に沿った手を考えていく人間の方が深く読める局面もあると個人的には考えていたので、それが現れたのかな、と思います。」
(18年6月、AIよりも早く発見した最善手で勝負を決めた際のコメント)
「今の時代においても将棋界の盤上の物語は不変のもの。その価値を自分自身も伝えられたらと思います。」
(20年7月初タイトル棋聖獲得直後のインタビューにて)
「局面は限られますけど、様々な変化の先に長手数の詰みがある時など、人間の方が読める局面はあると思います。自分はAIの強さを知っていますが、将棋が難しいことも知っているので」
(名人戦七番勝負の過程で「AIよりも人間の方が深く読める局面があるのか」という質問に対してのコメント)

同上

対戦中のお菓子が話題になったり、先日はご本人がお好きな列車を前にして喜ぶ姿が報道されたり・・・と、素顔は20歳の若者ですが、なんとしっかりと考えていることか!ダブルスコア以上年齢の離れたおじさんが、全くボーっと生きているのに対して、真摯に一途に大好きな将棋に向かう藤井名人の数々の言葉にただただ圧倒されております(笑)。そしていよいよ今日の本題。これを聞けて良かった、という言葉をご紹介したいと思います。

「生成AIでは自然な文章が出てきて驚きます。ただ、その文章が正解とは限らない。将棋でも使い方が問われていると思います。AIが示すのはすごくいい手であることが多いのですが、それが唯一解ではない。AIを信じてしまうと、発想を狭めてしまうことにもなるかなと。勝ちへのアプローチは一つではないですし、不利な局面でどんな勝負手を放つか、という場面はAIとは全く違う考え方になってきます。そんなふうに、対局者が何を考えて指しているのか、を含めて楽しんでもらえたらうれしいです。(中略)結局のところ、自分の読みを信じるしかないのかなと。」
(小説「無限の譜」の著者、松浦寿輝さんとの対談にて。松浦さんの「最近は「チャットGPT」も出現して、社会全体がAIとどう付き合ったらいいのか、という大きな問題に直面していますよね」という質問に対する返答)

産経新聞(2023年6月1日朝刊より)

藤井名人の言葉は先日ご紹介した、新井紀子さんの言葉にも通じるものがあるような気がします。要は「AIは万能ではない」ということ(今のところ)。もちろんある領域では、すでに人間を凌駕しているわけですが、やはり有り体な締めくくりにはなりますが、つまりは「付き合い方、使い方」なのかな、と。便利だし、楽だし・・・ということで頼り過ぎていたら、それこそ頭を使わなくなるでしょうし、使いこなし過ぎても、操作のプロとでもいうのでしょうか、これまた頭を使わないで「検索名人」、AIなしでは生きられない、自分だけでは何もできない・・・なんてことにも。(ちょっとオーバーですが・・・)

AIやチャットGPTと競うのではなく、要は使いこなす。そう、使い方の部分なのかな、という気がします(今のところは)。そして人間ならではの才能は「自分の頭で考える」ということ。これは自分にしかできないこと。新井紀子さんも実体験の大切さを力説していましたし、藤井名人もいち早くAIを自身のトレーニングに取り入れるなど、使いながら自身のレベルアップに活用していました。そうなんです、今のところは、この「共存」というか、互いの強みを補完して、より良い生活を送れるようにしていければいいんでしょうね(と、なんとも平和なトークをしておりますが・・・)。

しかし便利なものには、その反面として危険な面があることも真実なわけで、このあたり本当に早急にリテラシーを高めていかないと、本当に「検索名人」な若者、さらには扇動される人たちが出てくると思います(現にSNS等ではそうしたケースが出てきていますよね)。ですから、繰り返しますがやはり人間の強みである「実体験」することを数限りなく重ねることと、自分の頭で「考える」こと。これなのかな、と現段階では思っています。私自身もここ最近の話題や新聞を見て感じたことをこうしてアウトプットすることで、考える機会を持てたことは良かったな、と思っています。と、同時に藤井名人がただただ立派過ぎて・・・爪の垢を煎じて飲みたいです、本当に(笑)。


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