渡辺慎二
365日、毎日の「〇〇の日」にちなんだ短いお話を書き溜めています。 ＊子どもとお話しする小ネタ、コミュニケーションのきっかけ ＊日々の中における新しい感じ方・視点・発想・気付きのきっかけ になれば幸いです。
4/30 図書館記念日 あるところに本が大好きなブルックという男の子がいました。 ブルックはよく図書館に出かけます。そこには本がたくさんあるからです。 本に囲まれてるだけで、なんだかブルックはちょっとだけ満たされたような気持ちになります。 そこにあるたくさんの物語を読むと、ブルックは山を越えて、海を越えて、時代を越えて、身体を越えて、別の世界へといける気がするからです。 今日もブルックは図書館から世界中へと、たくさんの時代へと、ファンタジーの世界
3/5 珊瑚の日 青い青い海の中 サンゴちゃんたちが暮らしています。 サンゴちゃんたちは太陽の光を浴びながら、海の中をお掃除します。 サンゴちゃんはお家に一緒にチューモちゃんと一緒に暮らしていて、汚れた泡をきれいな泡に変えるのです。 おや、なんだか怪しい影が近づいてきました。大きなヒトデがサンゴちゃんたちを食べようとしてしています！サンゴちゃんピンチ！ すると、サンゴちゃんたちの中に暮らしていた小さなカニさんたちが飛び出してきました。カニさんたちはヒトデをハ
3/4 バウムクーヘンの日 バウムクーヘンのバームちゃんはかくれんぼが大好き。さぁどこに隠れたかな？ まずは森の中… あ、あそこの切り株！バームちゃん見つけた！ 次は街の中… あ、あの車のタイヤ！バームちゃん見つけた！ 次は浜辺の海… あ、あの波の模様！バームちゃん見つけた！ 次は空の上！ 大きい虹だね！バームちゃん見ーつけたー！ #物語 #お話 #童話 #小説 #詩 #365日 #1年
3/3 耳の日 ミミちゃんは音が大好き！ 耳を澄ませて聞こえる音を楽しみます。 ピチョン、ピチョン、なんの音？ あ、水が落ちる音！ ジュー、ジュー、なんの音？ あ、卵が焼ける音！ カチャン、カチャン、何の音？ あ、お皿が並ぶ音！ モグモグモグ、何の音？ あ、お母さんが卵焼き食べてる！ グー、ぐー、なんの音？ ミミちゃんのお腹のなる音と、お父さんのいびきの音！ お父さん起きて、朝ごはんだよ！ ワッハッハって3人で仲よく朝ごは
3/2 ミニの日 ダイちゃんはある図書館で魔法の本を見つけました。 その魔法の本に書いてあったミニミニの魔法という体が小さくなる魔法。体の大きいダイちゃんは早速呪文を唱えてみました。 ショウチイコミニ チビプチスモール！ すると本棚より大きかったダイちゃんの体は、なんとその本の文字くらい小さくなってしまいました。 小さくなると、そこには発見がありました。 ツルツルと思ってた本の表面が凸凹していたり、前を通ったネズミがけっこう出っ歯だったり。
2/29 閏日 閏日が記念になると 4年に1回じゃなくて 記念日が増える。 １年ごとの記念のお祝いはもちろんやる。 それから、この先ずっと４年に１回、 特別なお祝いが増えるんだ。 たとえば、５年とか１０年とかの節目の年って なんとなく、もっと特別にしたい気がするときに、 １０回目の閏年だね、とかもそうなるから。 そんなふうに毎日を過ごせたらいいな。 #物語 #お話 #童話 #小説 #詩 #毎日 #365日 #1年
2/28 ビスケットの日 「ねぇ、手品見せてあげよっか」 そういってビスケはケトルの胸ポケットにビスケットを入れると ポンッとかるく叩いてきた。 「ビスケットが２つに増えています」 そういってビスケはケトルの胸ポケットからビスケットをつまむと あれっとかるく首を傾げた。 「あらら、失敗。もっと強くたたいて割っちゃえばよかった」 でももうケトルの心は２つに割れちゃいました。 知ってか知らずか、ビスケはイタズラに笑う。 なかなかの魔法使いみたい。 #物語 #お話 #童話 #小説
2/27 絆の日 お姉ちゃんとケンカした。 「ごめん」 「なにがごめんなの？ どうせいつもみたく、とりあえず謝ろうってことでしょ」 「そんなことないよ」 「じゃあなにが悪いと思ってるのか言ってよ」 「それは……」 「ほら。もう、そういうとこだいっきらい！」 余計に怒らせてしまった、 でも、結局ごはんもたべて、一緒にお布団に入った。 「よくわからなくて、ごめん。 でも、それでも傍にいてくれて、ありがと」 枕でつぶやいたら、きゅっと、手が手を握りかえしてくれた。 #物語 #お
2/26 血液銀行開業記念日 会えないと、どんどんすり減っていく。 貯める方法はたくさんある。 目が合うたびに１０ゲージ。 声が聞こえるたびに５ゲージ。 語尾が伸びるとさらに３ゲージ。 手にふれると５０ゲージ。 髪を撫でると８０ゲージ。 寝顔を見ると１５０ゲージ。 けなされても、なんとか１０ゲージ。 愛されていなくても、となりにいてくれて 少しだけほめてくれて、それだけで 少しずつゲージはたまってく。 本当はもっと、その先のゲージの貯め方も教えてあげたい。 温もりと、吐息と、
2/25 夕刊紙の日 ゆうちゃんは売店のお手伝い。 電車から降りて、 人波の流れに逆らって 小さな箱型の売店に入る。 「あ、いらっしゃいませ」 そういってゆうちゃんが差し出してくれる夕刊。 小柄なショートカットの女の子。 ここでしか買えない。 本当は他のものでもなんでもいい。 パンでも牛乳でもいい。 でも、ここでしか買えないものを、毎日買う。 ゆうちゃんからしか買えないものを、毎日買ってくれる人のために。 ゆうちゃんは売店のお手伝い。 #物語 #お話 #童話 #小説 #詩 #
2/24 月光仮面登場の日 ムーンマスクマンは正義の味方 あっくんがいっちゃんのアイスを横取りしてる！ ムーンマスクマン参上！ あっくん、そのアイスをいっちゃんに返しなさい。おっと、その前に。どうしていっちゃんのアイスをとったんだい？ そうか、弟にあげようとしていたのか。だからといって人のをとってはいけないよ。一緒にお店に買いに行こう！ いっちゃんもあっくんをゆるしてあげようね！ おや、えっちゃんとおーちゃんがケンカしてる！ ムーンマ
2/23 ふろしきの日 ふろしきのふーちゃんは変幻自在 重なり方と結び方で色んなものに大変身 ひらひらふぁさふぁさきゅっきゅっきゅ かばんにへーんしん ひらひらふぁさふぁさきゅっきゅっきゅ さいふにへーんしん ひらひらふぁさふぁさきゅっきゅっきゅ おべんとうつつみにへーんしん ひらひらふぁさふぁさきゅっきゅっきゅ きものつつみにへーんしん ひらひらふぁさふぁさ…あららなんだか眠くなってきた ぱたぱたたたん
2/22 忍者の日 伊賀保育園の甲賀クラスには忍者の子というニンくんがいます。 登園はいつも３０分遅れてくる。 でもそれは1時間前からクラスにいて 隠れ身の術を使っていたんだって、だから遅刻じゃないってさ。 お昼の給食を「お腹減った」っていただきますの前に食べちゃう。 でもそれは毒味をしているんだって、だから怒ってほしくないってさ。 勝手に園庭で遊んだりしてるけど、 でもそれは分身の術で本物のニンくんは教室で隠れみの術をしてたって。 なんでそんなことしたか聞かれると、答え
2/21 漱石の日 そうちゃんは大好きなせっちゃんに言いました。 「毎日、一番最初におやすみって、君に言いたい」 ？？？ プロポーズの言葉みたいだけど、ちょっと意味不明。 せっちゃんはそうちゃんに聞き返します。 「それって、“毎日、一番最後に”じゃなくて？ それか“毎日、一番最初におはようを言いたい”じゃなくて？ 言い間違いしたでしょ？」 そうちゃんはちょっとまごまごしながら言いました。 「え？…えーと、そんなことないよ。あってるよ」 「じゃあどういう意味よ」 「だって、
2/18 方言の日 方言って面白い その地方独特の聞きなれない響きの言葉。 その地方独特の語尾の癖。 その地方独特のアクセントのつくところ。 君っておもしろい。 君独特の語尾の伸ばし方。 君独特の言葉の選び方。 君独特の間合い。 という話を、君としたい。 #物語 #お話 #童話 #小説 #詩 #毎日 #365日 #1年
2/17 天使のささやきの日 「まぁいっか」 あっくんは途中で言います。 「まぁいっか」 てっちゃんは最後に言います。 「まぁいっか」 過程に惑くは悪魔のささやき。 結果に湧くは天使のささやき。 #物語 #お話 #童話 #小説 #詩 #毎日 #365日 #1年
