shinchang sakamoto

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最近の記事

バブルと棺桶と高速道路

高速道路に歩いて登ったことが何回かある。僕が実家に住んでいたころ、家の近くを高速道路が走っていたので、気分転換にサービスエリアの裏口から登ってラーメンなんかをよく食べに行っていた。土手にある出入り口は鬱蒼とした林に囲まれ、一見すると高速道路のサービスエリアがあるようには見えない。友達がうちに遊びに来ると音楽を延々と聴かせ、お腹が空いたら友達を車に乗せて狭い道に車を横付けして路駐し、まるで肝試しをするかのように林に囲まれた真っ暗な階段を登らせた。友達はどこに連れていかれるのかま

    • Stay It Loud

      戦争には最前線という言葉がある。言葉のとおり戦闘しに行くための先頭に立っている人たちがいる敵側と味方側との境界線だ。昭和の終わりまでは最前線はドイツだった。アメリカや西ヨーロッパを含む民主主義陣営は対ソ連でイギリスやフランスから西ドイツの右端まで陣地を守っていた。その軍事同盟をNATO(北大西洋条約機構)という。対するソ連はワルシャワ条約機構という社会主義の軍事同盟を東ヨーロッパの国々と結び、ソ連からポーランドやチェコスロバキアを含めて東ドイツの左端まで陣地を守っていた。なの

      • インクレディブルボンゴバンド

        元来僕は自称中道なので、なるべく世の中の物事を公平に見ようと努めている。上下左右関係なく、保守であれリベラルであれ、富裕層であれ貧困層であれ、主義主張が理解できればそれを受け入れるし、間違っていると思えば右の耳から左の耳にスルーする。 ただ最終的な判断は結局はその論理やデータが正しいか、あるいはその考え方や視点が面白いかどうかで決めることが多い。あまりイデオロギーで判断するということはしない。というか判断そのものをすることをあまりしない。 最近ラーメンズの小林賢太郎氏が以

        • REBIRTH OF COOL

          子どもは大きい夢を見るのが好きだ。世界一のサッカー選手、スペースシャトルのパイロット、または未来や過去に行って恐竜を見たりロボットを見たり。しかし僕の保育園の卒園文集を見てみるとだいたいみんな現実的で誰でもなれそうなものばかりだ。たぶん経験がないので何になっていいのか分からないのだろう。女の子の定番はお嫁さんだ。きっとほとんどの女の子が夢を叶えたのではないか。男の子は警察官とかあったような気がする。いちばん子どもらしい夢は幼なじみのハンモが仮面ライダーになりたいと書いていたこ

        バブルと棺桶と高速道路

          プロコルハルムの青い影

          ストリート的な生き方を長らくしてきた。ストリートで生きてきた、ではなく、ストリート的、というのは、僕はギャングでもないし、日本の中流家庭で育ってきたからである。しかしストリートカルチャーにはどっぷりと浸かってきた。 ストリートカルチャーと普通のカルチャーとの違いは何か。普通にカルチャーと言えば文化である。しかしそこにストリートと付くと少し意味合いが異なってくる。ストリートはやはり路上であり、普通ではない。じゃあいったい何が普通ではないのかと言うと、そこには違法行為も少なから

          プロコルハルムの青い影

          高校2年のときに行ったマイケルジャクソンのコンサート

          マイケルジャクソンのコンサートに初めて行ったのは高校2年のときで、チケットを取るためにずいぶんとながいこと何回も何回も電話をかけた。 僕の高校は頭はすごく悪かったんだけど、野球はわりと強かったんで、僕も野球部の応援で甲子園までいったことがある。 マイケルジャクソンが来日するという情報をラジオかなんかで聞いて、コンサートにはぜったい行きたいなって思ってたんだけど、なんせ16才の少年が熊本から東京ドームまでひとりで行くのは度胸がいるしさみしいしで、誰か一緒に行ってくれないかな

          高校2年のときに行ったマイケルジャクソンのコンサート

          精神科病院で導入している瞑想法

          「坂本さんラジオ体操の担当をやってもらってもいいですか?」 夕方の16:30ごろに唐突に女性の看護師がやってきてラジオ体操を頼んできた。坂本はその時間帯は空白の時間ということにしていたので特にやることはなかったんだけど、いきなりラジオ体操と言われてもラジカセやCDがどこにあるのかも分からないし、何からすればいいのかまったく見当もつかない。看護師はまずは放送で患者をホールに呼び、ラジカセを用意して患者が集まったところでラジオ体操を始めた。 高齢の患者が多いのにも関わらずラジ

          精神科病院で導入している瞑想法

          Catching Flies

          最強の通貨「ドル」を支える決定的な要素こそ「米軍」という最強の暴力だ。以前世界の基軸通貨だった英ポンドは戦後ドルにとって替わり、世界の送金システムや貿易はドルを基準に行われるようになった。そしてアメリカに世界一の繁栄をもたらしているドルの立場を脅かす者は「米軍」という世界最強の暴力で排除されることになる。 例えば99年に導入されたばかりのユーロをフランスの働きかけによりイラクの大統領、サダムフセインが石油取引の通貨に変更しようとしたところ、当時のアメリカ大統領、ジョージ・W

          レコードジャケットバトン

          Facebookでレコードジャケット紹介のバトンを渡されたので、一週間分まとめてNOTEで紹介したいと思います。レコードの内容にも言及します。写真はいま撮りました。 1.まず初めに紹介したいのは、bbeからリリースされた、カールクレイグとローランガルニエがセレクトするThe Kings of Techno Part AとPart Bです。 この頃のレコード業界はまだまだ勢いがあって、コンピレーションアルバムを作るのにわざわざカールクレイグとローランガルニエを起用し、レコー

          レコードジャケットバトン

          音楽的に影響を受けた10枚のアルバム

          「音楽的に影響を受けた10枚のアルバム」のバトンを受け取ったので今持ってるレコードの中から10枚を綴ってみようと思います。写真も今撮りました。順不同 1.KOOL & THE GANG / Light Of Worlds このアルバムの中にあるSummer Madnessという曲のシンセサイザーによる電子音にやられました。これを聞くまでは電子音とか生音とか意識してなかったし、電子音だけ聞いても軽い感じがしてむしろ興味がなかったんですけど、このシンセの音を聞いてから電子音の

          音楽的に影響を受けた10枚のアルバム

          Gil Evans Orchestra plays Jimi Hendrix

          世の中には間違ってしまったんだけど、時間が経つに連れて結果オーライになるということが多々ある。僕がこのギルエヴァンズのレコードを買ったのも、ジャズピアニスト、ビルエヴァンズのレコードと間違ったからだ。 値札を見てみると7ポンドと書いてあるので当時のレートで言えば¥1400くらいだろう。値札にお店の名前は書いていないが、バーコードが印刷されているので中古レコード屋ではなく、新譜をそろえていたコベントガーデンにあるあのお店だったことは分かる(たぶん今は営業していないし、店名も思

          Gil Evans Orchestra plays Jimi Hendrix

          MALIK The Lafayette Afro-Rock Band

          僕のレコード収集スタイルは値札はそのままに、ジャケットの表面に貼り付けとくことだ。値札を付けとけばどこで買ったのかも覚えていられるし、場所が分かればだいたいの時期も思い出す。このレコードにはWAVEの値札が付いてるので熊本のPARCOで買ったのだろう。20年くらい前の話だからどのような状況で買ったのか思い出せないけれど、当時は熊本でもたくさんのレコード屋があり、たくさんのレコードやCDやカセットテープが置いてあった。ときにはお店同士で大きなイベントを開き、大きなイベント会場で

          MALIK The Lafayette Afro-Rock Band

          KHRUANGBINのニューアルバム

          エボラというウイルスを初めて知ったのは22か23歳のころである。アフリカから帰ってきた日本人の友達が、アフリカではエボラ出血熱というウイルスが流行っている、感染すると身体から血が吹き出し、ほとんどの場合死ぬ、とまるでアフリカでは悪魔が支配しているかのような身振り手振りで状況を説明していた。20年以上も前の話だし、インターネットもない時代だったので情報はまるで伝言ゲームのように伝播し、僕の頭の中にはまるで北斗の拳の雑魚キャラがあべしと身体を爆発させ、血を吹き出しながら死んでいく

          KHRUANGBINのニューアルバム

          Undercover Runway in Paris

          AppleのiTunesが終わるそうだ。僕だけかもしれないけど、iTunesはアップデートされるたびに操作が面倒になって結局最後のほうはアップデートを全然しなくなった。もう長いことMacBookに接続していない。しかしiTunesのサービスが終わると聞いて久しぶりに自分のiPhoneをMacBookに繋いでみた。まずこの動作が面倒くさい。iPhoneを接続、アップデートし、それを繰り返したあげくインターフェースなども変わっていき操作が面倒になる。本当は少しずつ便利になってはい

          Undercover Runway in Paris

          ANDRES 4

          今日のオススメのレコードはANDRES。ムーディーマン主催のレーベル、Mahogani Musicからのリリース。残念ながらSpotifyではアップしてなさそうだけど、YouTubeではフルアルバムがアップされてた。 でもこのチャンネルもMahogani Musicとは関係なさそうだからいつまで聞けるか分からないのでぜひ早めに試聴を。 音はデトロイトハウスなんだけどもうとにかくヒップホップのようなタフなビートとベースが全面に出てて、かっこいいの一言。ビートだけじゃなくウワ

          Africa Express

          ブラー/ゴリラズのデーモンアルバーンが2018年に南アフリカを訪れた際一週間でレコーディングしてつくられたアルバム、EGOLI。 アフリカ各国のアーティストが総勢27名参加した超大作で、音的にはゴリラズのアフリカ版といった感じだろうか。とても聞きやすくてポップだけどアンダーグラウンドな要素もあってついハマってしまう。 ワールド、ポップ、ハウス、エレクトリックとジャンルは多岐にわたり、これぞデーモンアルバーンといったつくりである。 いいアルバムだ。このレコードも買って良か