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読書感想 - 「鬼速PDCA」 冨田和成

感想

PDCAは業務シーンにて日常的に多用される言葉です。しかし、口で「PDCAを回しましょう」と言ってはいるものの、本当に回しているか?と問われると怪しいなと感じていました。特に会議の場で発せられるPDCAは先送りの言い換えのケースが散見されます。

本書はPDCAの回し方を体系的に、かつ鬼速(高速)で回す方法について詳説するものです。著者は「PDCAほどわかっているつもりでわかっていない、そして基本だと言われているのに実践している人が少ないフレームワークも珍しい」と冒頭で述べています。

まず、PDCAは同時に複数回せる。それも大PDCA、中PDCA、小PDCAのように階層立てて回すことが可能であるということ。

次に、PDCAは Try & Error とは異なり、ゴールを定義した上で

ゴールに対して、
①課題を書き出す
②課題を絞る
③解決案を書き出す
④解決案を絞る
⑤TODO化する

という体系立てたフローを通すことであるということ。

さらに、ゴールに対してはKGI(Key Goal Indicator)という期日と定量化した指標を定義し、ゴールから導き出した課題に対してはKPI(Key Performance Indicator)を定義し、TODOに対してはKDI(Key Do Indicator)を定義してどれだけ計画を実行できたかを追う必要があるということを著者は述べます。

KGIやKPIは直接成果をコントロールできないことも多いが、KDIは行動できたかできないかであるので成果を確実に追えるとも。

私はここまで体系立ててPDCAをとらえたことがなかったため、自分がPDCAのつもりでやっていたことは全然PDCAじゃなかったんだと衝撃を受けました。

著者の会社では日々はKDIを追いつつ、週二回のミーティング(半週ミーティングと呼ぶそう。各Mtgは30分)で課題の確認とKPIを追う運用をしているそうです。

ともかく定量化した指標を定義して、具体的なDoまで落とし込んで回せば自然と鬼速になる。回すとは行動して頻繁にふりかえるということです。定量化とふりかえり、どちらが欠けても成果が出ないということなのでしょう。私も早速実践していこうと思います。

その他、心にとまったセンテンス

人は明確な基準が与えられない状況下では、常に「気楽さ」と「緊急性」の2つの基準だけで行動を消えてしまいがち

重要なのは適宜、選択肢をふるいにかけ、「やらないこと」を決めると同時に、「やること」について優先度づけを行うことである。

人はときに、長期的な目線を忘れて短期に走り、マクロな視点を忘れてミクロに走り、本質を忘れて形式に走る。

深掘りする時の深さの基準は5段目だ。

「インパクト」「時間」「気軽さ」の指標で優先度をつける

大半の日本人は小さな頃から「間違っているものは正しなさい」「苦手なものは克服しなさい」と教え込まれながら育っている。その影響で、振り返りをしていてもどうしても「できていないもの」にばかり目が行ってしまう。

結果を直接コントロールしようとせず、行動を徹底的にコントロールする。

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