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「置かれた立場で考えなさい」

先週末に開いたNPOのイベントは、全国から集まってくれた林業者たちが、多様で豊かなライフスタイルを披露してくれました。

「林業イベントに人が集まるわけがない」「大きな会場を借りて埋まらなかったらどうするんだ」と方々から言われながら、2ヶ月間の準備の結果、200人以上が参加してくれました。来場者のアンケートを見ていて、賛否両論いろんな意見をもらって気持ちが晴れやかになりました。

ボクは生まれて約30年間、森が作った水を毎日飲みながら、その森を育てている林業者と会わずに過ごしていました。NPO設立から丸5年経ち、こうやって山に住む人たちと一緒にイベントを開催できて、本当に豊かな気分になります。

さらに嬉しかったことがありました。

学ぶチャンスが足りない林業家たちが多いので、

「ちゃんとした森づくりを学べるような機会をつくりたい」「もっと技術をつけられる学校を作りたいんです」

と会場で訴えたところ、同世代の林業の友人たちが「お金は出せないけど協力するよ」と共感して名乗り出てくれました。

北海道からはトドマツという木から抽出したエッセンシャルオイルを、東北からは山で飼っている蜂のミツを、寄付者向けに提供してくれる、と。

(上:北海道・澤田さん作のオイル/下:東北・三木さん作のハチミツ)

うー、涙が出るほど嬉しい。

もちろんその企画に賛同してくれてのこと。そして、その仲間たちにボクが送ったメッセージはコチラ。


「ボクは作ってるモノがないので、作る人にお金を払ったり、代わりに頭の労働をしたり、人を紹介したりすることしかできない。必ずその恩は、何がしかで返せるようにはします」

送った瞬間に、、

あー

と残念な気分になりましたT^T (熟慮のない最近はこんなことばかり)

企画者のボクは「一次産業は大事だ」と言っているだけで、自分の手で作っているモノなんてほとんどない。農林漁業者と同じ苦労を味わいもしない。

サラリーマンを辞めた時、せめてコメと酒は作りたいなと思っていました。東日本大震災でモノが手に入らなくなった時も同じ。しかし今、コメどころか、酒も、納豆も、野菜も、すべて友人や生協やスーパーに頼りっきり。お金がなければ暮らせない。

いろいろ考えて、でも、「まぁいいや」と開き直ることにしてみました。

一緒に学校を作ろうと言ってくれている橋本光治さんという徳島県の林業家は、ボクにこう言いました。

「置かれた立場で考えなさい」

みんな置かれた立場で生きている。置かれた立場同士で協力すれば、何かが見えてくるかもしれない。

共感してくれる仲間、一次産業で暮らしている人たちとともに生きていくことだけは決めて、あとは置かれた立場で考えようと思いました。

(橋本さん(左)と、新たに理事に迎えた同世代の林業家の大谷さん(右)とともに)

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