トップリーグのチケット問題

トップリーグ開幕戦はチケット完売

来年1月に開幕するトップリーグ。早くも秩父宮での開幕戦チケットが完売となっています。ワールドカップ効果で国内のラグビー人気が高まっている証拠で素晴らしいことだと思います。

ただ、どうしても思い出されるのが4年前の苦い記憶。
ワールドカップイングランド大会で南アフリカを破り、大フィーバーとなった2015年のトップリーグ開幕戦。チケットは完売。満員の観衆の前で、選手たちは躍動するはずでした。

だけど。。。

チケットは完売しているにも関わらず観客席は半分程度しか埋まっていなかったのです。

「ラグビーが負けた日」

田中史朗選手は、試合後報道陣にそう言ったそうです。

なぜこのようなことになったのか。
当時の日刊スポーツにこのように書かれています。

協会は40%を企業サイドに、25%を招待券に、一般向けは35%として運営してきた。今回の開幕戦も満員を2万人として、一般を5000枚、パナソニックとサントリーに合わせて9000枚、回数券など3000枚、スポンサーや各都道府県協会用に3000枚で計算していたが、それが大きく甘かった。[日刊スポーツ・2015年11月14日9時7分 紙面から]
https://www.nikkansports.com/sports/news/1565942.html

要は、関係者への割り当て枚数と回数券(JRFUが発行している招待券など)の利用者数の読み違いから、一般発売数を絞ってしまった結果のようです。

あれを繰り返してはいけない。
誰もがそう思っているはずです。

選手はもちろん、ファンも、運営側も。

今シーズンの対策は?

では今シーズン、トップリーグのチケット販売にはどのような対策がなされているのでしょうか。

まず4年前に混乱を招く原因の一つとなった「招待券」については、今年から新しいタイプのものが発行されました。従来の招待券は、チケットをスタジアムに持っていけばそのまま入場できましたが、新しいタイプの招待券は「事前予約」が必要となりました(※人気となる秩父宮開催の試合に関してのみ)。予約をしてもらう事によって事前に利用者数の想定がしやすくなるので、一歩前進と言えそうですが、従来型のチケットも混在しているため効果は不十分でしょう。

企業割り当ての枚数については、表ざたにならないので分かりません。見えないところで工夫されているかもしれません。おそらく割り当てはかなり制限されているのではないでしょうか。

協会側の対応としては、本当に来てくれるのか分からない企業割り当ての枚数を減らす、という点での対応だけなのでしょう。

招待券について

JRFUメンバーズに加入するともらえる「招待券」はファンにとっては嬉しいものです。しかし混雑が予想される試合については招待券を全て利用不可として、確実にチケット販売で席を埋めていくことが良いのではないでしょうか。現段階では、招待券を持っていても、それが当日使えるのか使えないのかがはっきりとしません。入場口が複数ある中で、途中でうまく入場制限をかけることができるのかも疑問です。入れなかったファンからの怒号など、マスコミの格好のネタになりそうです。使えないなら使えないとハッキリわかった方がファンもやきもきせずに済むと思います。

自由席について

またなるべく多くの人に観戦してもらうためには、自由席は極力少ない方が良いと思います。ワールドカップも全席指定でしたし。プロ野球でも招待券はありますが、日付指定の上、窓口で座席指定の券と引き換えになっている場合がほとんどです。

自由席にすることで過度な席取りなどトラブルも生まれます。詰め合わせて座るという事もなかなかされずにどうしても空席がポツポツとでき、満席の妨げとなります。

バックスタンド中央から左右22m付近までは指定席化して、販売すれば混乱もありません。
座席が指定されている方が観る側も安心感があります。自由席はおちおち席も立てません。ぜひ指定席化は検討して欲しいものです。

下記のようなことを実施してみてはいかがでしょうか。

1.招待券の利用不可、あるいは日付限定で使用可能とする。

2.指定席エリアを増やし、自由席を限定的にする。

3.招待券→指定席へのアップグレードを促進する

4.試合後のグリーティングタイム(ファンサービス)を取りやめ

など実施してみてはいかがでしょうか。

人気がないとガラガラの指定席という悲劇が訪れますので、満員が予想されるスタジアム限定での施策ですね。



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