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d.school 流デザインシンキングのWSに参加してみた話

デザインシンキングや人間中心設計などに関わっている人にはおなじみの「d.school」。
今回はそんなd.school流のデザインシンキングワークショップに参加してきたおはなしです。

まずはd.schoolを知らない方にカンタンな説明を。
d.schoolは、機械工学、コンピュータサイエンスなど様々な分野の学生・教職員がデザイン思考を学びながら、イノベーションを生み出す事を目的とした、スタンフォード大学内の学科横断型プログラムのことです。
要は、色んなジャンルの人が集まってイノベーションの生み出し方を学びましょうっていうプログラムですね。

講師について

今回指導していただいたのは、
クリスティーナ・ジェンキンスさん。

・Project H Design プログラム・ディレクター
・UCバークレー デザインシンキング講師
New Yorkのデザイン・アカデミーで10年間講師を務めた後にd.schoolに参加。現在はUCバークレイで「デザイン・シンキング」を指導している人気の講師です。

このクリスティーナさんの経歴がとても興味深かった事が、今回の受講理由になりました。明るいけど、どこかクールな感じがとても共感が持てました。(んー、こんな感じいなりたい)

ワークショップの内容

参加者は30名ほどで、IT・Web系の人が多いかと思ったら意外や意外。。
教師やNPO職員、通訳など様々な職種の方がいらっしゃいました。

机に粘土が置いてあったのですが、考え事をする時は手に刺激を与えるといいそうです。(ほー、実践しよ)
ワーク中は終始ニギニギ。

ワークショップの流れとしては、
1. デザインシンキングのプロセスと事例
2. 1対1のインタビューを通して、その人の課題を解決する椅子をつくる
3. 設定された人物の空港での課題定義と解決策をロールプレイングする。
こんな感じでした。

興味深かった事例の1つに、
日本のとある自転車メーカーが全米進出を目指したお話でした。
そもそも、プロダクトに対する背景(イメージやインフラ整備など)がまったく違うということでした。この事例はIDEOに依頼したにもかかわらずプロジェクトは失敗したそうです。
ここで、クリスティーナが言っていたのは、デザインシンキングを通しても失敗する時は失敗するといった事でした。

デザインシンキングのプロセスの中に、プロトタイプというフェーズがあります。
ここで重要なのが「早くつくること」=「早く失敗すること」と言っていました。
失敗から気付きを得て、改善していくのだから、それまでのプロセスはできるだけ早い方がいいって事ですね。

これ日本の企業、特に大企業が苦手なところ。。
ウォーターフォールで緻密に設計を立てるが、上手く行かずにコストだけがどんどん膨らんでいく。。

UXの中でもMVPという概念が良くでてきますが、何故最小のプロダクトを出すのか、意義を理解する事がとても重要なんだなと。

課題を解決する椅子をつくる

その人の課題解決になるような椅子をつくるといったワークがありました

まずは、1対1形式でインタビュー。
その人の生活スタイルや好きなものなど、関係なさそうなものでもドンドン聴いていきます。その後、インタビュー内容から深掘りする要素を決めさらにインタビュー。

その後は、その人の課題を定義して解決に導く案を考えるといったながれ。セーフティな案からクレイジーな案までを5つ考える必要がありました。
→これがけっこうハード。(いかに自分の思考が縛られているかわかります)

この後に、案から1つを選びプロトタイプをつくる。
こんな感じ。

他の方々のプロトはとても独創的で面白かったです。
仕事でものづくりに関わっていない人のほうが、余計なバイアスがかかってないからでしょうか。

難しかったのは、やはりインタビューですね。
どういう質問が、よりその人に共感できるのか。クリスティーナはとにかく訓練を積む事が重要と言っていました。

また、「主観の排除」はどうするの?という質問を彼女に投げかけてみました。
するとクリスティーナは「ジャッジをしない」という事を言ってくれました。

なるほど。。
言ってる事は非常にわかる。。
でも難しい。。
人間だもの。。

というのも、
客観的に見つつも、共感しなければいけない』
から。
これは場数を踏むしかないですね。


ワークショップを通して感じたこと
デザインシンキングはフレームワークというより『マインドセット』だということ。
もちろんステップはあるが、なによりもまず「知ろう」という想いが先に立たない限り、決して身につかないスキルだと感じました。

従来のマーケティング手法で仕事をしてきた人は、テクニカルな面に目が向きがちだが、まずは、エンドの気持ちや状況に寄り添う事がデザインシンキングの第一歩なのだろう。

今回のワークショップがきっかけで、また自身の思考に変化が現れた気がします。
特に、UXとかHCDとかジョブとかデザインシンキングとかそれっぽいキーワードを使うのやめようかなと。なんか恥ずかしくなってきた。
やっぱり、実際にワークしてアウトプットをたくさん出さないと!

興味がある方は是非ワークショップ等に参加してみてください。

最後にこんな証書をいただきました。
(なんてことないけど少しうれしい)




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