見出し画像

ペトロフ ラフマニノフ

若木(以降わ):ラフマニノフは写真を見る限り、めちゃファッショナブルな感じに見えます。スーツの着こなしとか。

綾部(以降あ):ラフマニノフって、親指と小指を開いた時に、リストかラフマニノフかっていうくらい身体的に恵まれていて、その自分にあった曲を書いているんで、他の人が弾くのは結構難しいとされているんです。だけど、ペトロフはもっと手が大きいので、そういう意味ではこのペトロフの演奏はひとつの指標になるんではないかと思います。普通はメロディのところをものすごくロマンティックに甘ったるく弾くんですが、ペトロフの演奏はそれにくらべて、精緻な演奏と言えます。ピアノが好きっていうと、ラフマニノフのコンチェルトの二番っていう話に必ずなるんで、若木さんもこれはひとつの基準として聴いておいた方がいいです。僕もどれがいいですかって言われたら、水戸黄門の印籠のように見せるのがこのレコードです。

ここから先は

3,833字 / 5画像

渋谷のラジオ「クラッシックの谷」のスピンオフ企画!番組で放送されなかった話と、レコードコレクター綾部徹之進さんが毎週オリジナルで作るレコー…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?