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VAIOを知ってブランディングの裏にある土台作りがいかに重要かを再認識/好調のVAIOをマーケティングトレース


前回のnoteより、これまでのノートPC「VAIO」のイメージが払拭され、事業も好調ということだったのでマーケティングトレースしてみました。

では、さっそく会社概要から。

会社概要

■VAIO株式会社概要
 ・2014年7月にSONYから独立
 ・設立当初はB2C向けが90%以上だったが現在は法人向けが70%を超える
 ・長野県安曇野市に本社がある

長野に本社があるっていうことが意外でした。
てっきり品川らへんにあるとでも勝手に思っていました。

続いて、業績を調査してみます。
どうやら直近は好調たいですね。

財務状況

■増益増収で過去最高益の見込み
 ・売上高は約6%増
 ・営業粗利が大きく改善、昨年比約40%増で大幅増益
  ✓法人向けの拡販
  ✓新製品投入による単価アップ
  ✓海外地域拡大とライセンス収入伸張
  ✓生産性改善、調達コスト低下による原価改善


特にスゴイのがこちら。
営業利益が2016年から17年にかけて325%増!!
生産性の改善などによる経費削減、調達コスト低下の功績が大きいようです。

※引用:https://gurafu.net/jpn/vaio


市場分析

Windows7サポート終了、働き方改革によるリモートワーク導入などにより、ノートPC市場も右肩上がりとのことです。
まだまだVAIOの好調は続きそうですね。

※引用:https://japan.zdnet.com/article/35139428/

井田氏は、「PC市場全体は法人向けの堅調ぶりに支えられて前年実績を上回っており、2020年1月のWindows 7のEOS(サポート終了)に向けた需要が爆発的になっている。これが落ち着いた際にはどうなるか。Windows XPのEOSの際にはぎりぎりに需要が集中して、その後の反動が大きかったが、今回は長い時間をかけて新たな環境への移行が進んでおり、XP時ほどの大きな反動はない。その点では安定しているといえる」とした。また、「ワークスタイルやライフスタイルが変革するなかで、PCの役割が再認識されている。そこに向けてわれわれがより具体的な提案をしていくことで、PC市場を健全にしていくことができる」などと発言した。

企業分析

企業をより理解するために3C分析、PEST分析、4P分析してみました。

これまでのVAIOのイメージから、「信じてくれる人と、VAIO」というブランドメッセージの刷新により、これまで以上に「顧客が求めていること」にフォーカスしていった結果、好調を維持しています。

それが多いに現れているのが、前回のnoteでも公開していた直近で行ったセールや利用用途でオーダーメイドできる販売方法でした。
ターゲティングは「法人」や「個人」というセグメントではなく、「信じてくれる人」に対して「VAIOを届ける」ということを実践されていたんです。


どうしてもフレームワークなどに当てはめると、既存の発想からの脱却が難しく、最適化されてしまいます。
そこをVAIOが飛び越えて、「信じてくれる人」というターゲティングのレイヤを1つ作り出しました。
このあたり、ブランディングに必要なポイントですね。

もし、自分がCMOだったら

①「VAIOを利用すると得られる体験」をプロモーション
②「信じてくれる人と、VAIO」のブランドメッセージの元、海外向け利用を促進する体制づくり(製造拠点、販路の拡大)
③ノートPCが全世代にとって身近なものになりつつあるため、VAIO製造工場見学の展開などによる、認知拡大とファン作り

最後に

ブランディングを再定義してプロモーションを行ったとしても、他社に負けない技術力など、顧客が継続して利用したいと思える要素が組み込まれていないと、反響は一時的なもので終わってしまいます。
ブランディングもプロモーションも、「やるまで」のロードマップを引くだけではなく、「やったあと」のロードマップも引いくべきですね。

そうしないと、ブランディングやプロモーション自体は成功したとしても、企業が抱えていた本質的な課題は解決しないので。

あくまでブランディングやプロモーションというものは手段であって、目的ではないということを常に考えておかなければなりません。
そのことをVAIOを調査して気づくことができました。

ありがとうございました。

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