ドトール本

「ドトールでいいや」が成立するスゴイこだわり。

今回はドトールコーヒーをマーケティングトレースしてみました。

実は昔、ドトールコーヒーでアルバイトをしており、現在でも週に2~3日は通っているドトール愛好家です。

そんなドトールコーヒー大好きの私が、ドトールコーヒーを会社規模としてマーケティング施策はどのように展開されているのかを洗い出しました。

まずは企業情報から。

企業情報

【会社概要】
・1962年に焙煎会社として設立
・1980年に日本で初めてセルフ式のカフェをオープン
・1990年代にはスタバの対抗馬としてエクセルシオールを展開
・2010年ごろにタバコ臭い、古いイメージから払拭させるためにリブランディング ※清潔感ある「白ドトール」
・ドトールバリューカードの作成によりコア顧客の来店頻度を高める施策を展開
・直近での新規事業として、本のイメージとオリジナルブレンドコーヒーが楽しめる「本と珈琲 梟書茶房」、
 店内に焙煎所を設けた「神乃珈琲」、珈琲農園主の邸宅のような雰囲気の「ドトール珈琲農園」を展開

【企業ビジョン】
・「やすらぎと活力」を提供する

【事業戦略】
・全国1,100店舗もあるが商品クオリティを落とさない徹底したこだわり
・統合による新規店舗
 ⇒日本レストランシステムの星乃珈琲
・飲料メーカーや菓子メーカーとのコラボレーション


実はドトールコーヒーは日本のコーヒーチェーンの先駆けだったんです。

さらに2010年ごろには「白ドトール」としてリブランディングしており、「駅チカだけど狭くてタバコ臭いドトール」から、「ゆったりとくつろげる清潔感あるドトール」へと大改装しております。
そこに既存のドリンクやフードメニューのクオリティがマッチして、近年ではコーヒーチェーンの顧客満足度No.1を獲得するほどになりました。

そのリブランディングには、企業ビジョンである『「やすらぎと活力」を提供する』というブレない姿がありました。

次は企業をより理解するために3C分析とPEST分析を行います。

企業分析

【3C分析】
Customer:顧客
・平日の朝と昼のコアタイムはビジネスマン
・その他アイドルタイムや休日は近隣の老若男女

Company:自社
・国内最大手のコーヒーチェーン ※ドトールコーヒーのみで国内1,100店舗を展開
・日本にセルフ式カフェ文化を定着させた

Competitor:競合
・国内に展開するカフェやファーストフード店
・コンビニやその他小売業者

【PEST分析】
Political:政治
労働時間の規制と人手不足により店舗拡大が困難

Economic:経済
外食市場の売上は27ヵ月連続して前年を上回っている

Social:社会
飲食業界各社は人件費高騰などにより商品の値上げを実施

Technological:技術
調理全自動化やキャッシュレスなどの導入

全国に1,100店舗もあるのは驚きです。
都市部の主要駅には必ずといっていいほどありますし、近年では郊外にも別ブランドとして星乃珈琲などが駐車場を保有してレストランカフェみたく事業展開しています。
どうしても近年はプロモーション施策の手数が増えて、いかに製品を良く見せるかにフォーカスしがちで、肝心な商品力を見落としがちです。
その結果、一時的に売上が伸びてもリピートがないため衰退していくといった事例が多く発生しております。
しかし、ドトールコーヒーは基盤の「商品力」と「くつろぎ空間」をブラさずに、さらに新規事業を展開しています。
勢いだけではなく、その地位を確立させることができたのは、決して偶然ではなく必然だったのかもしれません。

続いて、企業の事業戦略を考える前段階としてSWOT分析を行います。

事業戦略前段階

【SWOT分析】
Strengths:強み
①日本のコーヒーチェーン店の先駆け
②圧倒的な商品力と値段で且つ、ゆったりとくつろげる空間

Weaknesses:弱み
①リアル店舗以外での売上の伸ばし方(WebやOEM製品など)

Opportunities:機会
①全国1,100店舗を展開
②新商品などの話題性(直近ではタピオカが美味しいと話題)
③電子クーポンの発行により来店促進

Threats:脅威
①国内外コーヒーチェーンの台頭
②人件費高騰と人手不足により飲食業界への就職率の低下

そして、企業の事業戦略をクロスSWOT分析で行います。
いわゆる、「もし自分が企業のCMOだったら」です。

自分が企業のCMOだったら

クロスSWOT
強み×機会=①×①【積極化戦略】
・日本のコーヒー文化を訪日外国人に伝える施策を展開することで、海外にも受け入れられるかを検証
 ex)旅行雑誌に掲載して観光地として来店を促進

強み×機会=②×②③【積極化戦略】
・全店舗Wifi導入を行い、接続時にクーポンを配布して次回の来店を促進

強み×脅威=①②×①【差別化戦略】
・オウンドメディアの制作により中で働く人の想いを顧客に伝えることで競合との差別化
・全店舗に店長紹介カード、もしくは従業員カード紹介を作成して店内に貼り付けてファン作り

強み×脅威=①②×②【差別化戦略】
・子供を産んだ後でも安心して働ける労働環境の設置
 ex)子供を預けられる施設の設置
・店舗で働く姿がかっこいい雰囲気づくり
 ex)オウンドメディアで定員の働く姿を掲載する

弱み×機会=①×①【段階的戦略】
・ギフト商品やコーヒー豆をネットでも購入できるようにサイト構築して店舗でもプロモーション実施

弱み×機会=①×②③【段階的戦略】
・サイトに訪問すると月ごとに異なるクーポンを発行して来店促進

弱み×脅威=①×①【専守防衛・撤退】
・誰かに送りたくなるような映えるネット通販製品を開発

ドトール愛好家としてドトールコーヒーの企業分析を行いました。
本当に商品力が他競合と比べると強みではないかと考えられます。

・海外に独自農園を構えるほど徹底的にこだわりをもったコーヒー
・必ずといっていいほど話題になる新商品
・ヘルシーでありながら食べ応えがあるミラノサンド各種
・パリッとジューシーなソーセージが魅力のドッグメニュー各種
・カフェインがNG方向けへのノンカフェイン商品

もし、ドトールは行ったことない方、もしくは最近行っていない方は行ってみてください。

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