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近い未来にはこんなことが起きるかも、というSF短編や、実際に触れたテクノロジーなどにつ…

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近い未来にはこんなことが起きるかも、というSF短編や、実際に触れたテクノロジーなどについて書きます。遅筆。

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  • 作り話

    主に短編小説などのフィクションを書きます。

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    旅先などで見たもので、あまり人が見たことのなさそうなものについて書きます。

最近の記事

ファンタジーミート

<約700文字>  予約を取るのが難しい培養肉専門のレストランがある。  そこで出す肉は一風変わっていて、全て実在しない動物の肉を再現した”ファンタジーミート”と呼ばれる新しいジャンルの肉だ。  例えば、ドラゴンの肉。巨大なワニや鯨、あるいはマンモスなど、大型の動物の肉質をベースに、専門家の意見を元に想定される肉質を遺伝子操作で再現する。他にもユニコーンとか、イエティとか、ここでしか食べられない肉がたくさんある。  生み出された肉の味が正解なのかどうか、誰も知る由はない。だ

    • キャリアマッチポンプ

      <約900文字>  ある大手転職サイトが、10代前半をターゲットにしたキャリア設計支援サービスを始めたのはもう随分前のことだ。  世界中のあらゆる業界・職種の人々の経歴や収入などのデータを元に、どのような生まれで、どのような学歴の人が、どのようにキャリアを積み成功したのかを分析し、それを元に、利用者が将来の夢を叶えるためにはどのような努力が必要かを教えてくれるサービスだ。例えば、どのような学校に進学し、どのような分野を勉強するべきか、など事細かに教えてくれる。  職業にはそ

      • 禁炎外来

        <すぐ読める約450字>  どこかに「禁炎外来」っていうのがあったらしい。禁煙ではなく、禁炎。SNSでの炎上癖がある人が通うクリニック。  「いいね」をもらうとドーパミンが出るって話がある。炎上癖のある人達はインプレッション数が増えるとドーパミンが出るようになってしまっていて、それを繰り返すことで次第に炎上に依存していくらしい。炎上癖ある人にまともな話が通じないのは、依存症のせいかもしれない。  治療方法は、ひたすら患者のことを知っているか街頭でアンケートをとっている映像を

        • アバターアディクト

          <約1600字>  ビデオ会議を終え、PCをスリープ状態にすると、真っ黒なディスプレイに人気俳優によく似た顔が反射した。僕がARでまとっているアバターだ。  実際の僕は本当にどこにでもいそうな平凡な顔なのだが、通話相手はイケメンと会話しているように感じられていただろう。ちなみに通話相手は女性で、オードリー・ヘップバーン似の美人だった。だが、彼女もおそらく素顔は全く異なるはずだ。もしかすると男かもしれない。  ひと昔前、パンデミックによってテレワークが急激に拡大した際に、ビデ

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