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本当の働き方改革

「働く時間を減らしてプライベートの時間を確保する」

近年、ライフワークバランスを重視するために、働き方改革が推進されています。

しかし、この働き方改革をいくら推し進めても、現代の日本社会を生きる働く人の幸福度は上がらないように思えます。

今日は、この「働き方改革」について考えてみました。

行政の働き方改革

厚労省では働き方改革を強く推進しています。働き方を見直して、もっと幸せに働ける仕組みをつくろうというのです。

正社員であれば、有給休暇を年に最低5日は取得する、残業時間をゼロにするなど、働く時間が長くならないようにすることを推進しています。

1日が24時間で睡眠時間を8時間だとすると、就業時間(残業1時間含む)で約10時間、その他の時間が6時間となり、起きている時間のうち、働くための時間が占める割合は62.5%となります。

厚労省が唱えているのは、働く時間を短くして、この62.5%を占める時間を60%にすることで、幸せに働こうと言っていることと同じです。

これは、「仕事で働く時間がネガティブである」ことを前提としている発想です。

働く時間が62.5%から60%になったところで、働く人の根本的な問題は解決しないことでしょう。

過労で健康を害するような働き方は、もちろん抑止しなくてはなりません。

本当の意味で働き方を改革するには、起きている間の60%も占めるこの時間を、いかに心が満たされた状態で、楽しくワクワク働けるようにできるかということにあるのではないでしょうか。

働く人の心の改革

ゲームに夢中になっている子は、面白くて仕方ないのでいくらでもゲームにのめり込みます。徹夜で麻雀する人は、寝ることよりも麻雀する方が楽しいんです。仕事に没頭しているときは時間が過ぎるのはあっという間で、気付いたら夜中まで働いてたということもあります。

「仕事が楽しく面白いもの」と感じられるようになることが、本当の働き方改革です。

国や会社は、制度として目に見えるかたちの仕組みでしか施策を打つことはできません。賃金を上げる、休暇を増やす、福利厚生を施す…

しかし、これらによって働く人一人ひとりの心の問題は解決しません。

心の問題は、働く一人ひとりの問題であり、その職場内の風土やコミュニケーションをつくる現場職員の問題なのです。この問題を解決することが現場リーダーの一番の仕事であるといっても過言ではありません。

心が変われば行動が変わる。

行動が変われば習慣が変わる。

習慣が変われば人格が変わる。

人格が変われば運命が変わる。

これは心理学者ウィリアム・ジェイムズの有名な言葉です。

私は、「働く上での考え方」を改革することが、一人ひとりの心の問題の解決につながり、人生を大きく変えて行くと思っています。

仕組みの改革

心の問題以外で、仕組みを変えることで改革できることもあります。それは、成果報酬の導入です。

労働基準法は働く時間を尺度として出来上がったものです。タイムカードを打刻した出勤時間から退勤時間に対して、等しく給与が生じるように設計されています。

しかし現実は、社会に対する仕事の価値とは、どれだけ沢山の人に喜んでもらえる価値を提供し、社会に貢献したかによって決まります。

社会に提供した価値により報酬が生まれて、それが給与に還元されます。

働いた時間と社会に提供した価値とは何ら関係はありません。本来は、給与も社会に提供した価値の分だけ多く支払われることが望ましいはずです。

タイムカードを切った後にサボって働く職員と、社会に役立とうと一生懸命に働く職員とが、同じ時間働いたことで等しく扱われるとしたら、不公平であり本質的ではありません。

時間内に仕事を終えられず、何とか残業して仕事を終える人の方が、2割5分増しの残業代を余計にもらえるというのは、明らかにおかしいです。

雇用者を守るという観点から労働基準法が策定されていることは理解できますが、勤務時間を基準にしている点が現実の社会活動に即したものではないので、経済的報酬を還元する際にズレが生じます。

ですから、働く時間に対する報酬の他に、成果に対する報酬を給与に反映した方が、雇う側も雇われる側も納得の行く給与体系に近づきますし、働く人の意欲も出ます。

部品を作成した数、営業して新規顧客を獲得した数、訪問してサービス提供した数…

成果に応じて給与が支払われることで、社会に提供した価値の数と給与報酬が等しくなるので、成果を計ることができる仕事には、なるべく成果主義を導入すべきと思います。

給与のすべてを成果報酬とするのでなく、雇用の安心につながる固定給と、頑張った甲斐を生む歩合給とがバランスよく設計される必要があります。

ハローワークで公開する求人票では、賃金の説明欄に成果報酬を記入する蘭はありませんし、有料誌に求人広告掲載も、行政からの指導上、時間報酬の記載でないと受付てくれない媒体もあります。

行政の制度が改正されないと成果報酬が普及していくことはないので、早く実社会に即したかたちをを取り入れてもらいたいものです。この方が働き方改革に則しているのではないかと思います。

もし、あなたが賃金を策定できる立場の人であれば、成果報酬を積極的に導入することで、働く人のやりがいや意欲を給与制度という仕組みで支えることができるでしょう。



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