見出し画像

Vol.15 BABYMETALとさくら学院のパワーバランスの変化について

改めて書くことでもないが、メモ的に残しておく。

・BABYMETALは元々さくら学院の派生ユニット(重音部)として生まれた。

・BABYMETALの所属事務所はアミューズである。レーベルは当初から変わらず現在もトイズファクトリーである。

・さくら学院の所属事務所もアミューズである。レーベルは2011年にトイズファクトリーからユニバーサルへ移籍している。BABYMETALに活路を見出した運営が本体だけ切り離した形である。

・さくら学院は2010年に結成された小中学生のみの成長期限定ユニットで、握手会などは一切行わない方針である。清楚さを売りにしており、同じ清純派のアイドルよりも年齢が若い分、清純度は高めのグループである。

・現在女優として活躍中の三吉彩花や松井愛莉はさくら学院の卒業生である。

・BABYMETAL(重音部)がファーストシングル「ド・キ・ド・キ☆モーニング」を出した頃は、まださくら学院の活動が主であり、あくまで派生ユニットとしての活動を維持していた。

・中元すず香(SU-METAL)がさくら学院を卒業するタイミング(2013)で、BABYMETALの活動は継続されるとのアナウンスがあった。

・その2年後の2015年、菊地最愛(MOAMETAL)と水野由結(YUIMETAL)の卒業を以って、さくら学院とBABYMETALの活動が切り離されることとなった。

・BABYMETALの2016年現在の活躍は知られているとおりである。

・時は少し遡り、2016年3月、さくら学院から大賀咲希、磯野莉音、白井沙樹が卒業した。またこの3名は同時にアミューズを辞め、芸能界を引退した。

・2016年5月31日、さくら学院の初代生徒会長である武藤彩未が芸能界引退を宣言。アミューズとの契約を終了したとのアナウンスがあった。ちなみに武藤彩未は、その後のさくら学院のイメージを作った人であり、卒業後も歌手としてソロ活動を続けていたが、2年位前から摂食障害を引き起こしていた。子どもを売り出したい母親と、BABYMETALを売り出したい事務所の関係悪化が噂されている。

------

つまり何が言いたいかというと、さくら学院の人気と勢いが目に見えてガタ落ちしてるということです。それとほぼ同時期にBABYMETALの勢いが増していった。ここから推測されるのは、事務所は本体であるさくら学院を見限り、BABYMETALをマネジメントしていく決意をしたことの現れだということです。

さくら学院を2011年くらいから見ていて思うのは、2014年くらいまでは人気・勢いがあるグループでした。普通、いくら清純派を謳っていても、ヲタクから見れば擦れている部分が見えてくるものですが、ほとんどそういう部分が見えませんでした。グループの仲も良さそうだし、「成長期限定」「学校」というコンセプチュアルな形も良かった。倉本美津留が校長(プロデューサー)なのでライブも企画も面白いし、曲もいい。握手・接触がないグループだったので、売上枚数は多くなくても、圧倒的に他のグループと差別化できてたので、ファン心理をがっちり掴んでいました。その活動の一環として、BABYMETAL(重音部)があったので、そこまでは良かったのです。

さくら学院のファンのことを「父兄」と言いますが、父兄からすれば「さくら学院あってのBABYMETAL」ということになります。

しかし現在BABYMETALをマネジメントする運営からしてみれば、その出自は消したい過去でしかありません。

BABYMETALには世界に向けたマーケティング戦略が組み込まれており、だからこそ莫大の予算を確保できています。レディーガガのオープニングアクトだったり、世界的に有名なメタルバンドから熱烈なラブコールを受けて対応しているのもその一環です。さくら学院は一見すると日本のティーン向けアイドルですが、BABYMETALは違うのです。世界中の人が理解できるように、より分かりやすいコンセプトを設定する必要がありました。

それなのに、さくら学院の父兄たちに「BABYMETALはさくら学院が母体となってるスピンオフのユニットだからね」と吹聴されたらベビメタ運営は面白くありません。欧米の文化においては小さい子どもが歌っている=子供用のコンテンツであり、大人が楽しむものではないのです。でもそれだと売れない。

BABYMETALはさくら学院のような、ただのティーン向けアイドルではないことを徹底的に伝える必要がありました。そこで、さくら学院の存在自体を消そうとしているのではないでしょうか。

現在のさくら学院に2〜3年ほど前の勢いはなく、おそらくこのまま行くと来年には解散という流れになりかねません。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?