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【機材環境編】世界最高クラスのモニター環境を激安で構築する(D/Aコンバータ)

DAW上でミックスダウンやマスタリングを行う場合において、ほとんどの方がASIO対応のオーディオインターフェースを使用されていると思います。外部D/Aコンバータを経由しない限り、インターフェースのD/Aの音に縛られてしまい、「超」高音質を体験したことがある方は多くはないでしょう。
「Lynx Aurora」でもD/Aコンバータのダイナミックレンジは120dBと、現行(2021年7月)のハイエンドD/Aの140dBには程遠いです。

編集時には入力は必要ない

レコーディングでは入力のあるオーディオインターフェースが必須なので仕方ありませんが、編集時にはそれらは不要になります。DAWから出力さえできればレイテンシーも大した問題ではありません。

ES9038PRO + ASIO 環境は約5万円で手に入る

ダイナミックレンジ140dBのD/Aコンバータ、ES9038PROとUSBでDAWと接続する環境は新品でも約5万円で手に入ります。しかも日本が誇る高音質オペアンプ「MUSES」シリーズまで搭載可能です。
まずは筆者が試験的に制作したDAコンバータをご覧ください。

全景

トロイダルトランス

ESS ES9038PROチップ

アナログ部(MESES01入手できず8920で代用)

XMOS USBカード

主な仕様
ダイナミックレンジ 140dB
USB2.0接続
Windows(ASIO), Linux 対応 MacOS未確認
デジタルイン
バランス/アンバランス両出力
デジタルボリューム

これ一台あれば、USBでDAWと直接つないでもよし、レコーディング時にデジタルアウトからD/Aしてもよし、全く良い時代になったものです。

どこで買えるのか

このようなオーディオ機器は、中国深センで手に入ります。Aliexpressで「ES9038PRO」と検索してみてください。登場から4年も経った現在では完成品も購入することができます。

選び方

D/AコンバータとUSB部分は別ですので、XMOS製のUSBカードであれば、ASIOで動きます。オペアンプは5532や5534が載っているので、日本で交換します。元々載っていたオペアンプの型番から回路数を調べて、1回路であれば「MUSES03」へ、2回路であれば「MUSES01」へ交換します。すごく人気の高いオペアンプなので、筆者は01が入手できず、手元にあった廉価版の8920で代用しています。
クロックにこだわるのであれば、精度0.1ppmのTCXOが載ったものでも良いですが、音質にはそれほど影響しません。電源部は完成品であれば最初からトロイダルトランスなので、特に注意する必要はありません。

Studio One で試してみる

ドライバーインストール後、Studio One 5にて動作確認。

実際にはVSTの対応サンプリングレートなどの問題で384KHzなどを扱うことはありませんが、それくらいの性能は持っているということでしょう。

D/A後のアナログ回路は自作しかない

ここまでの環境は、ラインレベルの信号しか得られていません。ヘッドホンで鳴らすには、そのヘッドホン専用のアンプを制作しましょう。いかにD/Aが良くても、そのあとの回路で音質を損なってしまっては意味がありません。

次回に続きます。

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