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What is life.

昨年の夏の初めごろ、30年以上の付き合いになる友人を亡くした。

人が死んで行くのはむしろ当たり前のことだけれど、

その理由や逝き方によって何とも遣る瀬無い気持ちになる。

言葉にするのが難しいけど、決して良い別れではなかった。

すぐ上の姉と同級生だった彼は5歳年上で、 十代の半ばを過ぎたばかりの僕に音楽をキッカケに様々な尖ったカルチャーの扉を開けてみせてくれた。

その後僕は二十代の前半に上京して、人生の半分以上を東京を中心に、世界をも知る機会に恵まれている。

僕の環境を鑑みれば、皮肉にもその後の彼の人生はかなり視野の狭い世界に閉じ込められていたと言わざるを得ない。

もちろん、生まれ育った街に根を下ろしどっしりと人生を送るのも素敵な選択肢ではある。

しかし一方でそのローカル性や育った境遇、
人間関係などの「強烈なしがらみ」から逃れられず魂の行き場を失う場合もある。

彼の場合がどうだったのか答え合わせはもうできないけれど、 少なくとも人生の数年を、生まれた土地を離れる機会が彼にもあったなら、

全く別の人生が用意されていたかも知れない。 そして、まだその途中であったかも知れない。

たらればの話に際限はないけど、あのひ以来ずっと考えている。

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