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(音楽)エリカ・バドゥが好き

 その声がマイクに触れる瞬間 言葉に羽が生える 私にはない文法 自由に ストイックに 死はない あくまでも生きるものとしての音楽

 ワンループ 踊り ドミナントの呪いからの解放 ドミナントの快楽からの解放 欲望のない踊り 真っ直ぐな視線 視線は捉える 些細なことを 些細なことの奥にある愛や生活といった個人的で大きなものを そういったことをまとめて笑い 歌う 時にそれは何かを意味するかもしれない もしくは祈りのようなものかもしれない インテリジェンスなリズム 肉体的であるだけでは作り上げることのできない繊細な声によるリズム 羽が生えた言葉 声帯 そしてマイクという楽器 ミックスという演奏 相反する自由と規則のデザイン 言葉はリズムとなる 歌は意味となる 意味は言葉としてではなく像として海馬に焼き付く あるいは音像

 ベースラインはとどまり ループするたびに重力を強める 反比例し歌や発声される言葉は空中に消えていく 何年経過し何度聴いてもエリカバドゥの新鮮さは失われない 

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