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日本チーズの灯火を消してはいけない

4月11日から東京都の緊急事態措置として施設の休業要請が実施されています。その中に飲食店は含まれていませんでしたが、営業時間の短縮などの要請がでています。飲食店が大変、イベントも自粛の中、それに伴うようにチーズ工房の皆も苦労しています。

ここ数年ようやく日本に根付こうとしていた日本チーズの灯火を消してはいけないと思い、動いたことを記録しておきます。

日本チーズ:後述の日本チーズ協会で以下のように定めました。
「日本チーズとは、国際化が進む中で、日本国内で搾乳された生乳から出来た工房製のナチュラルチーズ。また、英語表記をした時に、National CheeseではなくJapan cheeseとなるように『日本』で作られたことを、敢えて強調した。」


日本チーズの盛り上がり

国内チーズ総消費量と国内ナチュラルチーズ生産量

(出典:農林水産省「チーズ需給表」)

グラフを見ていただくとわかるように、近年、国内でのチーズ消費量、生産量ともに年々増えてきています。

他にも2012年、CHEESE STANDがオープンした際には国内で200軒近くだった工房数も、2018年には320軒近く(農林水産省乳製品牛乳課調べ)といわれています。

2019年2月1日に発効された日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)で現行29.8%であるナチュラルチーズの輸入関税が段階的に16年後に撤廃されます。消費者の皆さまにとっては選択肢が増え、また美味しいチーズが食卓に増えるということで良いことなのですが、日本の酪農を守りたい農林水産省は日本チーズの応援としてイベントなどにも補助金などを出してくれています。

国産チーズとして、雑誌やテレビでも最近多く目にすることも多くなってきていますよね。

それらの追い風を受けて、2019年11月11日(11月11日はチーズの日!)日本チーズの品質向上のため、、日本のチーズ工房の仲間とともに、一般社団法人日本チーズ協会(Japan Cheese Association : JCA)を立ち上げました。

MAPの作成

生産者が発信するSNSでの不満の声を聞き、JCAとしてなにか動けないかとの提言があり、咄嗟に浮かんだアイデアが工房のURLを入れたMAPです。JCAの各ブロックリーダーからブロックの工房へ連絡を取り、Googleフォームから入力してもらい。MAPに反映していきました。

同じタイミングで、弊社のチーズを食べられるお店や販売店を記したMAPを作成していたので、提言をうけてから半日ほどですぐに行動に移すことができました。

チーズ食べ比べセットの販売

他にもなにか出来ないかと考えていました。

MAPを作成したものの、やはり1軒の工房から買うと、送料が高くなってしまう。これは、僕が工房をやる前に各工房から食べ比べのために色々とチーズ取り寄せたときに、送料の高さには嫌というほど悩まされました。送料とチーズ価格が同じぐらいになってしまうんです。

そこで、いろいろな工房のチーズを一旦CHEEE STANDに集めてセットで発送してしまおうと考えました。

まだJCAでは体制が整っていいないため、この販売はCHEESE STANDで行うことになります。僕たちはメーカーであるため、自分たちの利益をだすなら自分たちのチーズを売ってしまったほうがよいし、手間もかかります。今回のようなことがない限り、動かなかったことですが、こんな機会だからこそできることです。

そして、販売することをTwitterで投稿したら、ZOOMにして皆で食事会したら面白そうという意見もいただき、購入者の皆さまでオンラインのチーズの食事会をしてしまおうと考えました。

CHEESE+ZOOM=CHEEZOOM

今回は、
・今牧場(栃木)
・ミルク工房そら(京都)
・乳ぃーずの物語(広島)
・ダイワファーム(宮崎)
・CHEESE STAND(東京)

チーズの作り手も参加してもらいました。

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以下、内容について補足ですので読み飛ばしていただいて結構です。

■当初、できるかぎり多くの工房に参加してほしいという思いから10工房ぐらいで1万円ぐらいを考えていましたが、やはり高いという意見もあり、持続可能なツールとしたく送料込みで5,400円(税込)としました。
■日本には300軒ぐらいのナチュラルチーズの工房があります。皆に参加してほしいのですが、まずは、秋に賛同して参加してくれたCRAFTED CHEESE CAMPのメンバーから優先させていただきました。
■試算しましたが、今回のセットで僕たちの利益は、自分たちの出すチーズの利益より少ないぐらいです。その分、生産者さんにより多く還元しています。僕たちの利益というよりも、仲間と一緒に日本チーズ盛り上げたいという想いからです。

ワチャワチャしてしまったなど反省点はありますが、参加者の皆さまからは、「工房の方の熱量が伝わった」「親近感を感じることが出来た」「和気あいあいとした雰囲気や連帯感が伝わってきた」「チーズで繋がる「力」を感じ取れました」などのご意見をいただけました。

次回は工房を変えて、第2弾、第3弾も考えています。いまからとても楽しみです!

その他

今は、チーズ工房の人や、飲食業の人に向けて、受注〜発送にかけて効率化ができるように動画のようなものを作っています。

弊社で行っているチーズ配送で同梱して配達なども手伝えないかなども思いましたが、今は配送業者も1.5倍ぐらいの配送があり難しいということでした。他にもなにか出来ないかずっと考えています。

自分たちの会社も見ながら、更に粛々とスピード感を上げて、チーズ業界のため、飲食業のためにできることを微力ながらやっていきます。

何かご意見やアドバイスあったら教えて下さい。

備考

冒頭の飲食店、ほんとうに大変です。どんな感じか、すごく簡単な雑な計算ですが書いたので、見てみてください。(2ツイート目の平米は間違いです)そんな中でも飲食店の皆がそんなことをわかったうえで、動いています。皆で乗り越えましょう!

https://twitter.com/shinjikuman/status/1247170308777201671?s=21

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