おるたなてぃぶ

オルタナティブや不動産の残高が増加

先日、機関投資家である保険会社・第一生命の2019年度下期運用計画が発表されました。それによると、低金利が続く厳しい運用環境下で安定収益を確保できるアセットに資金を回す考えであり、オルタナティブや不動産の残高が増加するということが書かれていました。

今、投資の世界で新たなデータ活用競争が始まっている。それが、SNS(交流サイト)の投稿やスマートフォンの位置情報など「オルタナティブデータ」と呼ばれる情報を活用した投資手法です。

オルタナティブというと、「なんだか怪しい投資」というイメージがありますよね。私としては、オルタナティブというと「音楽(ロック)」をイメージしてしまいますが…、オルタナティブには「代替え」とか、「新しい異質なもの」という意味があります。

オルタナティブ投資というのは、「株式や債券などの伝統的な資産への投資」ではなく、これらに「変わる(代替えする)投資」という意味なのです(なので、少し怪しいという印象がある)。具体的には、プライベート・エクイティ・ファンド(ベンチャーキャピタル、買収ファンド)とか、証券化商品(サブプライムみたいな)とか、コモディティとかデリバティブ(金融派生商品)などです。

株式や債券に替わる(オルタナティブ)投資ではなく、今、注目されているのは「オルタナティブデータ」を活用できれば投資に大きく役立つ。そういうお話しです。

投資の世界では、例えば「決算情報」とか「要人発言」、企業買収などで大きく動くのが通常ですが、こうした(特に決算情報など)は、超スマート社会の昨今においては、瞬時に株価に織り込まれています。なので、もっと先読みして企業の株価動向を検証できるものとして、オルタナティブ(代替え)データがあるのです。

例えば、スマホの位置情報とか、POS(販売時点情報管理)データ、決算会見の心理分析、SNS投稿の分析、求人情報などがオルタナティブデータとされ、天気予報などもその一つとされています。どのように活用されるかというと、例えば、ある米企業ではスマホの数億台分の位置情報を集めている会社があります。これを集約し、テスラのカリフォルニア州の同社工場の外と中を行き来する位置情報を把握。工場内に一定時間とどまって位置情報が多ければそれだけ働いている工場作業員が多いということ。さらに夜間の位置情報で生産はフル稼働になったと判断し、投資する(この場合はテスラ)。実際にこの情報を活用し、2018年末の同社株価急騰を予測しているという具合です。


こうしたデータの取引には、年数千万円~1億円以上かかるともいわれ、企業や投資の世界においては欠かせない情報になりつつあるのです。私たちのスマホでも、「位置情報をオンにしますか?」と聞かれます。あれは、こうしたデータとして活用されているのでしょう。

ただ、グローバルにはこうしたオルタナティブデータの活用が一般的になりつつあるのですが日本ではまだまだのよう。理由としては、「(当たるかどうかも分からないのに)データの価格が高すぎる」というもの。分からなくはありませんが、これを繰り返しで平成はグローバルとの差が生まれたわけです…。

しかし、今回のように第一生命などどちらかというと、エスタブリッシュメントな企業が動くのには意味があると思います。

今日も最後までお読みいただきありがとうございます。


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