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伊豆天城山でハイキング-06

丁度良く見つかったドトールは他の人にも丁度良かったようでそれなりに混みあっていた。それでも席はどうにか取れそうだったので、注文をすることにしよう。

「これ食べたい」

たぁが指差したのはホットモーニング・あつあつハムチーズ、コーヒーがついてお値段は444円。

モーニング、いいねぇ。

だけど一人分の朝食としてはちょっと多い。

「半分こしてくれる?」

「いいよ。僕、あそこの席に座っているから注文して」

入口からほど近い場所に二人用テーブル席を見つけたたぁは荷物を持ってそこへと向かう。奥にも二人席があってそっちのほうがスペースがありそうだったけど、頑固ちゃんが「ここ」って決めたらここなんだ。


手際よいスタッフさんのお陰で列はどんどん進み、すぐに私の番になった。

「ホットモーニング・あつあつハムチーズをお願いします。二つにカットしてください」

「わかりました。飲み物はどうされますか」

あれっ、ホットコーヒーじゃないの?

「選べるんですか」

「はい、すべての飲み物からお選びいただけます」

へぇ。

飲み物の値段はそれぞれ違っていて、高いものは400円以上するのにどれ選んでもいいなんて、モーニングってお得。それなら旅中、よく口にするホットモカをお願いします。

「638円です」

えっ、444円じゃないの。

不思議に思いながらもお会計を済ませてモカを受け取り、サンドイッチが出来るのを隣のカウンターで待ち、笑顔いっぱいのスタッフさんからそれを受け取る。


「飲み物選んでいいって言われたからモカにした」

「どうして選べたの。コーヒーじゃないの」

モーニングのポスターには確かにブラックコーヒーしか載っていなかったよね。私もそう思いました。

「それで値段が444円じゃなかったの」

「嘘っ」

夫婦って長くいればいるほど考えることが似てくるものだ。

とりあえず目の前に食べ物があるから謎解きの前に腹ごしらえ。
半分にカットされたサンドイッチを手にすると熱々というよりも暖かいという表現のほうが適切だ。

「電子レンジの味がする」

たぁはレンジ嫌い。そのせいで我が家にはレンジはない。たぁママの家にはあるので私はたぁ以外の食事を温める時には利用する。それでも年に数回程度。そうなると嫌でも電子レンジが作り出す特殊な味に気づくようになる。食べ物本来の味が薄まるんだよね。

「本当だ。大丈夫?」

「うん。しょうがいないよ」

半分こにしてよかったね。

食べている間、目は暇とばかりモーニングの看板を確認して気が付いた。444円の隣にはお店であるあるのトリックマークが書かれていた。

“~”

そっか、444円ではなく、444円~なんだ。

「選ぶ飲み物によって値段が変わるシステムだったんだね。それ知っていればブラックコーヒー選んだのに」

お得だと思ったから・・・・・・。

余分なお金を出してまでホットモカを望んではいなかったわ。ちゃんと案内を確認しない、見落としがちな私にはよくある失敗だ。

とりあえずお腹を満たしたので昼食まで持つはずだ。目的は達成できたんだからとりあえず良しとしよう。


実は昨日、うまく寝られなかったせいで目が三重になってしまった。

はっきりすぎるほどくっきり二重の私。
だけど二重の間には余計な線も入っていて疲れた時など三重になってしまう。さらに年齢を重なるにつれて三重のまま治らなくなってしまったことがある。

三重って瞼が重たいし、ガチャピンアイを私は望まない。そこで百円ショップで購入したアイプチを試したら瞼が腫れて、赤くなってしまった。

「それ中止」

たぁから警告を受けた後、半年は何もせずに片目ガチャピンで過ごしていた。

だけどやっぱり二重に戻したい私はネットでいろいろと調べてみる。

ゴムラテックスはアレルギーの原因になるんだね。安いアイプチにはよく利用されているらしい。アトピー持ち敏感肌の私に合わないのも当然だ。

そこれでこれならとアイプチテープを使ってみたら、元々二重のせいなのか使っているうちに瞼がひっくり返ってしまい、これも無理だとすぐに諦める。

再び調べて肌に優しいものをチョイスすることにした。だけどこれが結構なお値段。それでも失敗して使えなくなることのほうがもったないと購入してみると、うまくいった。

それから数カ月、アイプチ生活を送った結果、目は二重に戻った。

だけどお顔が浮腫むとやっぱり三重になりやすい。あとなぜだかニュージーランドにいると気候のせいか三重になる。

それにしたってまさか今日なるなんて。それも小田急線、乗車中に。

愛用しているアイプチ持ってきてないよ。

だけど幸い、ここは駅ビル、ラスカ小田原。

「薬局ないかな」と調べてみると、あった。諦めないで探してみるもんだね。


「10時開店だからその前にトイレ行く」

店内にはトイレがなかったのでスタッフさんに尋ねる。

「トイレは階段降りたところにありますけどちょっと先にいった新幹線乗り場のトレイのほうが清潔でお勧めですよ」

でも反対側出口で結構歩くらしい。姉との約束もあるし、その前に薬局も寄りたいから近くのトイレを求めて階段を下りて行くとすぐに見つかった。

うん、公衆便所仕様なそれなりの汚さ。

だけどネイチャーピー(野ション)も平気な私はもーまんたい。

トレイも済ませてドトールに戻れば10時も近い。さぁて、薬局が開く前に待ち合わせ場所でもチェックしておこう。


主な登場人物:
私-のん、夫-たぁ、
姉-ささ、姉の夫-れん
姪っ子-らら、甥っ子-ぼう



これまでのお話



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