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フィクションの重要性
フィクション、読んでますか?
激動の世界情勢を知るために読むものや、これからの時代を生き抜くためのスキルを身につけるために読むものなど、様々な読み物が山のようにあります。その多くが、ノンフィクションとして書かれているものです。
現実が一番面白い。フィクションは、単なる娯楽に過ぎない。そう思われる方もいらっしゃるかもしれません。
実際に、かつてはそう言われていた時代がありました。
『ロビンソン・クルーソー(ロビンソン漂流記)』が出版された1719年当時、フィクションは人々を惑わす虚構であり、事実ではなく、価値などない、という風潮があったそうです。それもあってか、同書は、ノンフィクションという体で出版されたのだそうです。
しかし、ご承知のように、フィクションには様々な価値があります。その中でも、今回は、未来を描く力について見てみたいと思います。
いまから20年ほど前に、記憶を再生するメタフィクション小説( http://yon.txt-nifty.com/inaho/2004/07/vol_1.html )を書きました。その単行本化に際して、東京大学の広瀬道隆教授と対談をしました。その時に、3つのフィクションについて、拙著にまとめました。
サイエンスフィクション:理論上不可能ではない遠い未来のフィクション
テクノロジーフィクション:5〜10年で社会実装されるであろう研究中の技術を用いたフィクション
ユーズドテクノロジーフィクション:すでに社会実装されている技術を用いたフィクション
新たな世界を描き、それを事業化すること。それは、フィクションを描き、ノンフィクションにすることと同じです。その起点となるものは、テクノロジーフィクションなのだと思うのです。
この夏、ぜひフィクションを読み、足元の現実から目線を未来へずらしてみてください。ワクワクするフィクションを妄想すること。それが、未来を描くことに繋がるのだと思います。