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BOOKS─書籍紹介

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建築・都市・まちづくりにまつわる書籍の新刊・近刊を紹介していきます(本記事は雑誌連載コーナー「BOOKS」の転載記事となります).週2回更新予定.また,本アカウント以外の紹介記事… もっと読む
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2018年11月の記事一覧

生命の讃歌 建築家 梵寿綱+羽深隆雄【美術出版社】

梵寿綱 羽深隆雄 著 A4変型判/260頁/5,800円+税 早稲田大学そばにある奇怪な建物「和世陀」を1983年に設計した建築家・梵寿綱(ぼん・じゅこう)と、旅館「仙寿庵」、鮨屋「銀座久兵衛・別館」などを手がけた建築家・羽深隆雄の2名を紹介する異色の建築作品集。 「和世陀」(『住宅特集』1987年6月号掲載)などの作品で知られ,経済性に支配されない表現的な建築を模索する梵寿綱と,「仙寿庵」(『新建築』1997年8月号掲載)など,多くの和モダン建築を手がける羽深隆雄の

ウォークス 歩くことの精神史【左右社】

レベッカ・ソルニット 著 東辻賢治郎 訳 四六判/520頁/4,500円+税 歴史上の出来事に、科学や文学などの文化に、なによりもわたしたち自身の自己認識に、歩くことがどのように影を落しているのか、自在な語り口でソルニットは語る。人類学、宗教、哲学、文学、芸術、政治、社会、レジャー、エコロジー、フェミニズム、アメリカ、都市へ。歩くことがもたらしたものを語った歴史的傑作。 歩くこと,それは呼吸をすることと同じくらい人間にとって当たり前のこと. だからこそ,歩くことは人間

ユートピア都市の書法 クロード=ニコラ・ルドゥの建築思想【法政大学出版局】

小澤京子 著 A5判/286頁/4,000円+税 ルドゥの建築と都市をめぐる構想は、「文字」と「言語」、「語り」についての方法論の模索でもあった。 幻視的や奇矯といった形容とともに《呪われた建築家》とされてきた従来の像を刷新し、その特異性の本質を明らかにする。建築の起源としての幾何学性志向、都市構想と性愛、性的建築と身体管理、書物の構造が出来させる仮構的な都市空間──。 新たな言語創造者による「都市の書法」の追究とともに、時代の認識と欲望のあり方を炙り出す。 フランス

近代造園史【建築資料研究社】

粟野隆 著 B5判/120頁/2,300円+税 あらゆるものは、「歴史化」することを宿命とする。過去を蓄積することで、現在、そして未来へとつながっていくからである。それは「造園」においても同様であり、過去の造園を学ぶことで、未来の造園を開拓することこそ、「歴史方法論」としての造園史学の存在意義である。 本書は、明治維新後の文明開化により西欧の造園思潮を受容し、公園というあらたな造園空間を生み出し、また職能としての造園家、学問としての造園学が成立した「近代」に絞り、重要な

Creative Neighborhoods 住環境が新しい社会をつくる【誠文堂新光社】

横浜国立大学大学院/建築都市スクールY-GSA 著 四六判/136頁/1,800円+税 これからの建築・都市そして社会のありかたを、「居住・生活」を中心とした“Creative Neighborhoods(創造的な地域社会・空間)”という新たな主題を通して考える。 これは、横浜国立大学大学院/建築都市スクール“Y-GSA”が、国際シンポジウム、そして横浜国立大学先端科学高等研究院での「次世代居住都市」研究を通して育ててきた概念である。 建物単体でもなく、都市計画のような