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BOOKS─書籍紹介

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建築・都市・まちづくりにまつわる書籍の新刊・近刊を紹介していきます(本記事は雑誌連載コーナー「BOOKS」の転載記事となります).週2回更新予定.また,本アカウント以外の紹介記事… もっと読む
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2019年5月の記事一覧

歴史の建設 アメリカ近代建築論壇とラスキン受容【東京大学出版会】

江本弘 著 A5判/400頁/6,000円+税 19世紀から20世紀前半のアメリカ建築界がみせた「ジョン・ラスキン」という問題への異常な執着とは何か.アメリカ建築の出自と伝統を問う熾烈な派闘争のなか,ラスキンの思想がどのように参照され,批判され,忘却され,評価されたのかを綿密に追跡することを通して,近代建築史成立の根幹を描き出した画期的論考. 『建築の七燈』や『ヴェネツィアの石』などを著した建築理論家ジョン・ラスキン.本書はラスキン自体ではなく,19世紀から20世紀前

未来のコミューン──家,家族,共存のかたち【インスクリプト 】

四六判/320頁/3,200円+税 独自の回路から放つ新たな社会思想! 新たな共同性へ。家=人間と社会を調停する器、はいかに可能か。歴史を貫く共存の条件を探り、時空間を踏破して摑まれた経験知からその先のヴィジョンへと至る渾身の思考。 民俗学者・柳田国男が描いた家の事件をプロローグに、初源的な家の構成があらゆる住居に現れるプロセスを解明し、さらに近代的設備に内在する家の新たな神話体系を描いた原論である第一部。建築家アドルフ・ロースの装飾−身体制度論に端を発し、近代住宅デ

アナザーユートピア─「オープンスペース」から都市を考える【NTT出版】

「都市の余白」から、夢を描く!  槇文彦の問いに、分野を超えた17名の論者が応答する   建築家・槇文彦は近年の論考「アナザーユートピア」で、これまでのように建築から都市をつくるのではなく、「オープンスペース」――広場、路地、道、空き地、原っぱ、等――を中心につくることが、都市の未来、賑わい、人々の交流をつくるのではないかと主張し、都市・建築分野を超えて、多分野の人に取り組んでほしい課題として問題提起をした。 本書では、槇の問題提起を受け、さまざまなジャンルで活躍する