2018年の月評まとめ


2018年の評者

深尾精一(ふかお・せいいち)
1949年東京都生まれ/1971年東京大学工学部建築学科卒業/1976年同大学大学院工学系研究科建築学専攻博士課程修了(工学博士)/1976年早川正夫建築設計事務所所員/1977年東京都立大学工学部建築工学科助教授/1995年同大学工学部建築学科教授/2005年首都大学東京都市環境学部教授(大学改組による)/2013年同大学定年退職,名誉教授

楠本正幸(くすもと・まさゆき)
1955年神奈川県生まれ/1979年東京大学工学部建築学科卒業後,日本電信電話公社(現NTT)建築局入社/1985年パリ・ラ・ヴィレット建築大学院修了(フランス政府公認建築家)/1994年NTT都市開発開発推進部担当部長/2011年~同社取締役/2015年~同社常務取締役/2017年~同社代表取締役副社長 CDO(Chief Design Officer)

饗庭伸(あいば・しん)
1971年兵庫県生まれ/早稲田大学理工学部建築学科卒業/2017年〜首都大学東京教授/専門は都市計画とまちづくり/山形県鶴岡市,岩手県大船渡市,東京都世田谷区などのまちづくりに携わる

中山英之(なかやま・ひでゆき)
1972年福岡県生まれ/1998年東京藝術大学美術学部建築科卒業/2000年同大学大学院美術研究科建築専攻修士課程修了/2000~07年伊東豊雄建築設計事務所/2007年中山英之建築設計事務所設立/現在,東京藝術大学美術学部建築科准教授

連勇太朗(むらじ・ゆうたろう)
1987年神奈川県生まれ/2012年慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士課程修了/2012年モクチン企画設立,代表理事に就任/現在,慶應義塾大学大学院特任助教,横浜国立大学大学院非常勤講師




表紙の作品:Tree-ness House|平田晃久建築設計事務所

住宅,ギャラリーからなる5階建ての複合ビル.鉄筋コンクリート造のボックス,鉄板によるひだ状の開口部や外階段,植栽を階層的に組み合わせて構成している.ひだは鉄板を工場溶接してユニット化し,現場でコンクリートを打設して,ボックスに接着させている.

『新建築』2017年12月号を評する|深尾精一

「法」と「制度」から建築を考える|饗庭伸

建築にとって「他者」とは誰のことでしょうか?|中山英之

建築の関わり方について|連勇太朗×能作文徳



表紙の作品:荘銀タクト鶴岡(鶴岡市文化会館)|
SANAA+新穂建築設計事務所+石川設計事務所


地域の文化芸術活動拠点となる文化会館の建て替え.フライタワーを中心に小さな屋根群が集まる形として,建物の大きさを分節している.分節された屋根は外周に向かって低くなり,道路沿いでは平屋となる.それにより隣接する歴史的建造物や周辺の住宅を中心とした街並みとの調和を目指した.

『新建築』2018年1月号を評する|深尾精一

デベロッパーの視点から見る|楠本正幸

海を知って魚になる|中山英之

「建築家」のあり方,市民社会の象徴としての建築のつくられ方|連勇太朗×羽鳥達也



表紙の作品:新建築社 北大路ハウス|
京都大学平田晃久研究室+平田晃久建築設計事務所


既存の木造住宅を改修した新建築社がオーナーである建築学生のための6戸のシェアハウス.京都大学平田晃久研究室が中心となり,他大学の学生を巻き込み実際に自分たちが住まうこと,使っていくことを想定しながら設計が進められた.

『新建築』2月号を評する|深尾精一

「規制緩和」と「地方分権」のせめぎ合い|饗庭伸

ASIMOは「あえて転びにいく」|中山英之

「集まって住む」とは何か|連勇太朗×Eureka(稲垣淳哉,佐野哲史,永井拓生)



表紙の作品:釜石市立鵜住居小学校・釜石市立釜石東中学校・釜石市鵜住居児童館・釜石市立鵜住居幼稚園|
小嶋一浩+赤松佳珠子/CAt


2011年の東日本大震災で被災した釜石市鵜住居地区(人口約4,000人)の小学校,中学校,児童館および幼稚園の復興計画.敷地となる山の掘削量を最小限に留め,稜線を残しながら敷地を造成することで,コストと工期を抑えると共に,鵜住居地区の景観を保持している.鵜住居駅からの軸線上に通された175段の大階段が高低差約25mを繋ぐ.登下校する子どもたちの姿が街の復興のシンボルとなることが意図された.

『新建築』2018年3月号を評する|深尾精一

都市におけるパブリックスペースとは?|楠本正幸

段ボールはどうして茶色いの?|中山英之

建築と土木|連勇太朗×岩瀬諒子



表紙の作品:港区立郷土歴史館等複合施設(ゆかしの杜)|
日本設計(基本設計・実施設計監修・監理) 大成建設 香山壽夫建築研究所 ジェイアール東日本建築設計事務所(実施設計)


1938年に竣工した内田祥三氏設計の旧公衆衛生院,2002年に和光市に移転後,閉鎖されていた建物を2009年港区が国から土地と建物を取得し,活用.郷土歴史館,がん在宅緩和ケア支援センター,子育て関連施設,区民協働スペースなどが入る複合施設として改修するプロジェクト.バリアフリーや歴史館としての使いやすさなど現代の機能要求に応えた改修がなされた.また,基本理念の設定,識者による委員会での検討など,建物の姿や意匠をなるべく残しつつ機能要求に応えるためさまざまプロセスが取られた.

修繕行為の創意工夫─特集:アクティベートの手法|深尾精一

リノベーション(=保守主義の設計手法)はリベラルと健全に戦いながら,建築と都市の進路を決めていく|饗庭伸

めたもるセブン,懐かしい未来,太陽の塔,文化,|中山英之

時間のデザイン,その必要性|連勇太朗×石榑督和



表紙の作品:東京ミッドタウン日比谷|
マスターデザインアーキクテト ホプキンス・アーキテクツ
基本設計 日建設計(都市計画・デザイン監修) 
実施設計 KAJIMA DESIGN

三信ビルディングと日比谷三井ビルディングの建て替えを含んだ再開発プロジェクト.2014年に東京圏で初の国家戦略特区として区域認定を受け,国際的なビジネス拠点としての役割を期待されている.また,周辺の東京宝塚劇場・日生劇場・シアタークリエ・帝国劇場,そしてミッドタウン内のTOHOシネマズ日比谷と合わせて,「日比谷ステップ広場」などのパブリックスペースが設けられ,一体的な広場空間を生み出している.

『新建築』5月号を評する|深尾精一

公共空間,その意義とデザイン|楠本正幸

「CITIZEN I」が問われる時代|中山英之

「スムーズ」なものを包含した建築批評から「ザラっとした」質感へ|連勇太朗



表紙の作品:城西小学校屋内運動場・幼稚園・児童クラブ|
原広司+アトリエ・ファイ建築研究所

1987年に老朽化した校舎の増改築で竣工した那覇市立城西小学校(『新建築』1987年11月号掲載)の屋内運動場,幼稚園,児童クラブの改築計画.基本計画を開始した1983年当時から,首里城公園の計画(1992年開園)が想定されており,そこと連続するようなランドスケープが設計者によって構想された.約30年を経て,敷地の樹木が育ち,森のような環境が生まれている.

『新建築』6月号を評する|深尾精一

保育施設,「平面以外の工夫」と「子ども以外の工夫」|饗庭伸

曲線たちを引く道具|中山英之

「選択可能性」の重要性|連勇太朗×松島潤平



表紙の作品:川口市めぐりの森 赤山歴史自然公園 歴史自然資料館・地域物産館|
伊東豊雄建築設計事務所

川口市郊外の市営火葬施設と,約9haの公園,地域物産館および歴史資料館などを一体的に整備する計画.火葬施設は,中心に配された高さ13mの火葬炉建屋を,鉄筋コンクリート自由曲面屋根が取り囲む.

『新建築』7月号を評する|深尾精一

ワークプレイスはどう変わっていくのか?(提供者側から)|楠本正幸

プロジェクトを通して社会・世界を考える重要性|中山英之

ワークプレイス,どんな主体を時代の先端として捉えるか?|連勇太朗×中村真広



表紙の作品:アパートメントハウス|髙橋一平建築事務所

8㎡ほどの8つのワンルームで構成された賃貸集合住宅.各部屋は水回りの配置や周辺環境との繋がり方などによって,それぞれ特徴付けている.各部屋にバリエーションを付け,住人は家に求めるものを選び取る.

『新建築』8月号を評する|深尾精一

「川」と「ため池」|饗庭伸

建築と建築家の関係(漸進,多人格性,都市的な同時存在性...)|中山英之

さまざまな住居への格闘の痕跡|連勇太朗×山田紗子



表紙の作品:ボタニカルガーデンアートビオトープ「水庭」|
石上純也建築設計事務所


豊かな自然に囲まれながらガラス工芸や,陶芸を楽しむことができる滞在型体験施設につくられた庭園.かつて水田として使われていた敷地内に,大きさや形状の異なる合計160個の池がつくられ,それらの間に,318本の木々が隣地の雑木林から1本ずつ種類や形状を調査した上で再配置されてる.

『新建築』2018年9月号を評する|深尾精一

まち「と/を/が/で」繋がるもの|楠本正幸

非人間的な質|中山英之

小規模のプロジェクトが持つ参加や参画の力学から考える|連勇太朗



表紙の作品:富岡商工会議所会館|
手塚貴晴+手塚由比+矢部啓嗣/手塚建築研究所 大野博史/オーノJAPAN


道路拡張に伴う旧商工会議所の解体に伴い,富岡製糸場と富岡市役所(『新建築』2018年7月号掲載)の中間に位置する「吉野呉服店」の跡地に新しい商工会議所を建設するプロジェクト.建物を細長い敷地の片方に寄せることで,路地空間をつくり出している.1スパン1.8×1.8mの斜め格子のアウターフレームによりかつての呉服店の建物のボリュームを意識したノコギリ屋根を形成.

「木造」という時代の終わり|深尾精一

少しでもベターな場所を,ベターなやり方で|饗庭伸

人間の叡智に連なる何かを未来へ投げかける思考|中山英之

木造|生産のエコシステム/フィクショナル/空間認識|連勇太朗×金田泰裕



表紙の作品:渋谷ストリーム|
東急設計コンサルタント 小嶋一浩+赤松佳珠子/CAt(デザイン・アーキテクト)


旧東急東横線渋谷駅とその線路跡地に建つ商業,ホール,ホテル,オフィスからなる大規模複合施設.再開発にあたり,官民連携により約600mにおよぶ渋谷川および遊歩道の整備も行われた.渋谷川の再生,渋谷駅周辺街区を繋ぐ歩行者ネットワークや駅街区にも繋がる地下車路ネットワークの形成などの公共貢献によって,容積率1,350%まで緩和された.

11月号を評する+1年を振り返って|深尾精一

それぞれの「都市の更新」|楠本正幸

語り得ることを語ろうとすること|中山英之

ふたつの「通路」|連勇太朗

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新建築社

月評出張版

「月評」は前号の掲載プロジェクト・論文(時には編集のあり方)をさまざまな評者がさまざまな視点から批評するという企画です.「月評出張版」では,本誌と少し記事の表現の仕方を変えたり,読者の意見を受け取ることでより多くの人に月評が届くことができれば良いなと考えております!
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