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近代造園史【建築資料研究社】

粟野隆 著
B5判/120頁/2,300円+税

あらゆるものは、「歴史化」することを宿命とする。過去を蓄積することで、現在、そして未来へとつながっていくからである。それは「造園」においても同様であり、過去の造園を学ぶことで、未来の造園を開拓することこそ、「歴史方法論」としての造園史学の存在意義である。
本書は、明治維新後の文明開化により西欧の造園思潮を受容し、公園というあらたな造園空間を生み出し、また職能としての造園家、学問としての造園学が成立した「近代」に絞り、重要な造園史上の歴史的事実を取り上げつつ、数々の近代造園家を紹介する。
現代造園のルーツとしての近代を理解することは、あらゆる意味で未来志向型の造園学に役立つであろう。

明治維新後の西洋文化受容の中,園芸学の一部門を経て,「造園」(Landscape Architecture)という概念が大正期の日本に成立した.

本書では,その黎明期に着目し,新生職業・造園家の萌芽を,国家の近代化と共に解説する.
たとえば,明治神宮造営(1917~25年)は,林苑整備での生物学的アプローチ,都市動線と環境保全の調停など,彼らのプロフェッショナルを決定的に確立させた事業だという.
一方で,新建材の導入,旧来からの和館・和庭園との折衷への試行錯誤も長きにわたり行われた.古来からの作庭と異なる職能を,新たな社会がどう求めたか示される.(ゆ)


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