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凡才の生存戦略

はじめまして、ウクレレ奏者のSHINです。

24歳で立ち上げた会社「Fullest(フレスト)」も2期目に突入し、今まで以上にパートナーやクライアントに自分の想いを伝えていきたいと思い、noteを投稿していくことに決めました

初回は、僕が会社を立ち上げた理由と、立ち上げるに至った思いについて書くことにしてみます。

「人生を最大限生きる」には

弊社の名前になっている「Fullest」は、英語で「最大限の」を意味する言葉だ。

この社名は、"Live your life to the fullest (自分の人生を最大限生きる)"という、自分の好きな格言からとった。

人生を最大限生きるって、どういうことだろう。
人生を最大限生きている状態は、自分にとってどういう状態なんだろう。
他人にとってはどういう状態だろう。

そう考えたときに、「好きなことを継続できる状態が一番いいな」と思った。

やりたいこと・好きなことをやろうと考えるようになったのは、地元サイパンで過ごした頃の原体験がある。

僕は、日本にくるまでの17年間をサイパンで過ごしていた。

決して貧しいわけではなかったけど(むしろ島内では裕福)、僕の家庭ではお小遣い制度がほぼなかった。「自分の努力やアイデアで稼ぎなさい」というスタンスで、自分でお金を得ることを親からは勧められていた。

例えば、成績表が一定レベルに達していたら賞金が出たり、家の横の雑草や石ころを拾ってバケツ一杯にしたらバイト代が出たり、誕生日やクリスマスプレゼントをもらう権利を現金に換金できるなど、何かと面白い環境だった。

そして中学生の頃、ウクレレ奏者を目指していたとき、自分で2本目のウクレレを買うために起こした行動が、「ウクレレのレッスンをして稼ぐこと」だった。

サイパンに住む数人の日本人主婦の方々を相手にレッスンを実施。一番経費がかかる場所代は、知人のアロハシャツメーカーのオフィスを間借りして行ったため、ほぼかかってない。結果、1時間で30ドル以上の粗利を出せた。

当時、サイパンの最低賃金が3ドルちょっとだったので、同級生が10時間スーパーで働いて得るお金を僕は1時間で得られた。中学生からしたら相当なお金だ。人生で初めて、自分が得意かつ好きなことで、お金を稼げたという体験を得られた。

その後、レッスンを定期開催し、口コミで演奏の仕事ももらえるようになり、中学2年生の夏に無事に欲しかったウクレレを買えた。

これが「工夫次第で、自分も好きなことをして生きていけるかもしれない」と思うきっかけだった。

挫折で気がついた「選択肢」

ここまでの流れだと、中学生から雇われずにお金を稼いでいたので特別な才能があるように見えるかもしれない。でも、現実はそうではない。残念ながら僕は凡人だった

そう断言できるのは、自分が高校生のときに陥ったスランプが理由である。僕が「自分の選択肢を増やしていきたい」と思うようになったことも、この時の体験が大きく影響している。

ウクレレ1本で生きていくと決めたのに、とある出来事がきっかけで、弾くことがつらくなってしまった。プロとしてやっていくなら、これからつらい出来事はたくさんあるはず。そう考えたとき「自分はそこまで強くないんだ。自分は天才でも何でもなかった。むしろ自分は凡才だった。」と気づいた。

そこではじめて、ウクレレ以外に、別の選択肢も持ってみようと考え、音大ではなく4年制の大学に通うことを決めた。高校3年間ろくにしなかった勉強に打ち込み、どうにか第一志望に合格した。

音大ではなく4年制の大学に進学して、「ミュージシャンとして、これでよかったのかな?」と思うことは多々ある。でも、結果的には、この道を選んでよかった。

また別の機会に書こうと思うが、大学で組んだバンドで世界大会に出場して優勝できたり、アカデミック/ビジネス視点を持つことで他のアーティストと差別化できたりと、メリットはたくさんあった。自分にとって、選択肢が増えた4年間だった。

凡才の生存戦略 = 「選択肢」を増やすこと

選択肢を増やすことは、「手持ちのカードをたくさん持つこと」でもある。

例えば、ポケモンをするのに、パーティを組むことを思い浮かべてみて欲しい。ポケモンでゲームを進めていくときは、ポケモンの「タイプ」をバランスよく考えてパーティを組んでいた方が多いのでは?

でも、現実に置き換えて考えてみると、なぜかそれができなくなる人が多い。手持ちのポケモンを自分が好きな「ほのおタイプ」ばかりそろえるのと同じような現象が発生してしまう。つい、手持ちを1つのジャンルで固めてしまう。これだと、みずタイプが来たら負けてしまう。

もしそのうちの1つが圧倒的なレベルなら、それでも戦えるかもしれない。ただ、向き不向きもあるし、必ずしも全員がひとつのジャンルをレベル100に極められる天才なわけではない

それだったら、凡人でも頑張れば手に届くレベル70の何かをいくつか持って、どこに行っても誰とでも平均的に戦える体制を整える方がいい。これが、凡才の自分が取るべき生存戦略だと僕は感じている。

僕の場合は、偶然にも選んだ楽器が「ウクレレ」だったので、比較的差別化しやすかったけど、それでも、音楽1本で食べていくことの難しさを感じることはある。

実際、年齢や収入を理由に、アーティストをはじめ、好きなものをひたすら突き詰めてきた人がそれを手放すのを見てきた。その一方で、自分で選べる選択肢が複数ある人は、やりたいことを続けられている様子も見てきた。

だから、好きなことを続けて生きていくために、他の選択肢(=自分が切れるカードの枚数)を持てる人が増えれば嬉しいし、僕自身も選択肢を増やしていきたいと考えている。

Fullestでやっていきたいこと

今の「Fullest」の事業内容は、大きく3つある。

1. ウクレレ事業
演奏、レッスン、販売、イベント企画など、楽器を作ること以外はほとんどやっている。業界のパイを大きくしたいという気持ちは強いが、極論、自分が最低限食べれてファンや生徒がハッピーであればもうそれでいい。甘いと言われるかもだけど、それ以上の拡大はそこまで望んでない。

2. デジタルコンテンツ制作
楽曲制作からWebデザイン、プログラミング、映像制作などのクリエイティブ支援。ビジョンに共感してくれる優秀なフリーランス達と、チームを組んでやっている。今までステルスでやってきたが、割と色々作れる体制にはなりつつあるので、近々このチームに関してもリリースする予定だ。

3. 芸能事務所
一般的な芸能事務所のような役割に加え、異分野でパラレルに活動していくためのスキルを身につけてもらう支援をしている。現段階で数名所属しており、今は投資段階で彼ら彼女らを育成しているところだ。

一見、3つの事業はバラバラに見えるかもしれないけれど、どれも自分やパートナー、生徒、所属タレント、クライアントの「選択肢を増やす」という使命のもとやっている。

自分はもちろん、大切な誰かが人生を最大限に生きていけるような選択肢も増やしていきたい。天才じゃなくても、好きなことは続けられる。凡才は凡才なりの生き方がある。過去の経験を元にそう感じたから、僕は「会社」として事業をはじめた。

これからもっといろいろな人を巻き込んで、関わる人たちが持てる選択肢を増やしていきたい。

それが彼ら彼女らの人生を"Fullest"にすると信じてるから。



▼サポートしてもらった翌日に起こること ①朝ごはんのおかずが1品増える ②カルピスをいつもより濃いめ目に作れる ③銭湯でサウナと岩盤浴にも入れる