呪術と伝統医療、それがアフリカでの癒し方
コンゴ共和国在住18年、動物保全の専門家で、北部の森で人間とマルミミゾウの共存問題に取り組んでいる萩原幹子さんが「呪いグッズのお店」に取材に行くというのでご一緒させてもらいました。
路地裏の怪しい建物の中かと思っていたら、とても明るく騒々しいコンゴの市場。
アフリカの呪術、書くだけでもドキドキしてしまう。そしてワクワクしながら着いて行きました。
このお店は呪術グッズだけではなく、伝統医者の薬も販売しています。
萩原さんが探していたのは、
怪しさ満点な動物の毛皮。この使い方については萩原さんが書いた記事を引用します。
うーーーん、祈祷は恐るべし😱
でもね、荻原さんの話を伺うと見方が少し変わります。コンゴに限らずアフリカでは、「誰しも西洋医療に憧れはあるけれど、お金が無いとか、病院に行っても治らない場合は薬草を使ったり伝統治療師に行きます」治療だけでなく、祈祷もコンゴで支持されています。西洋医学だったら根拠が無いとバッサリ切り捨てられそうなことも、藁にもすがる気持ちで伝統医療や祈祷に頼るのが現実。人々の悩みに寄り添うものとして生活に入り込んでいます。
お団子のような白い玉は、赤ちゃんの夜泣きやカンノムシに効くそうです。日本で言えば、「ひや・きおーがん(5種の気薬原料配合のお薬)」のようなものかしら?とても大きいけど…。
こちらの黄色の粒は皮膚疾患に効き、隣国のキンシャサから入って来るそうです。成分はなんなんだろう、、、。
袋に入って売られているの黒い物体は、蛇に噛まれたら患部にこれを当てて毒を吸収させるそうで、アフリカの一家に一個常備されている優れものとか。
黒い粉を練って固めたようです。これで蛇に噛まれても大丈夫であれば、その蛇は毒が無かったのではないか?と揶揄してしまいそうになりますが🙄、でもきっと家にこれを置いてあるから大丈夫、何かあっても大丈夫、と心穏やかに過ごすことはできますね。つまりお守りか🤔
マラカイトは銅の副産物ですが、銅鉱石が二酸化炭素や地下水で風化したものです。コンゴ共和国はマラカイトが産出されます。クレオパトラがアイシャドウとして使用していたと言われていますが、ここでは邪気を払う鉱物として活用されます。
これってアンバー(琥珀)では?←思わずテンション上がる私😳
手に取るととても軽いです。磨いて、お守り代わりの宝飾にするのかと思ったら、これを燃やして煙を厄除け、浄化に使うとのこと。確かに琥珀は燃えやすく、とても良い匂いがすると聞いたことがあります。
因みにこれは琥珀ではなコパールでした。コパールという言葉は「お香」の意味合いもあるそうです。
コパールも琥珀のように宝飾として活躍された時代があり、古代エジプトのツタンカーメンが身につけていた指輪には、コパールに彫刻されたスカベラが飾られていたとか。
鉱物と古代エジプトの話は多いですね😝でもそういうの好き。
琥珀は完全に化石化されたものですが、コパールは半化石状態のもの。つまり形成された年代に大きな差があります。コンゴ共和国の北部には広大な森が広がっています。北部の森奥では川辺に落ちているそうです。おそらく地表に上がってきたものが流されて集まってるいるのでしょうか。
さて、琥珀とコパールはどのように区別したら良いでしょう?
コパールはアセトン(除光液)で拭くと粘着性があります。だからアセトンを塗って手で触ると、
しっかり手にくっつきました。やってみるとなかなか面白い!あー、でもこれで琥珀でないことが決定ですね😒
コパールの中には、朽ちた葉が内包されていて興味深いですね。これを10倍ルーペで眺めるのも楽しかったです。いつの時代の葉っぱだろう〜〜ロマン💓
実験的に蚊取り線香の器に置いて火を着けました。あー、燃える、燃える。良い香りは全くしませんが、、、さすが樹脂、脂ですね、よく燃えました。我が家も浄化されたことでしょう。
荻原さんが活動されている森で聞いてきた話では、料理の時の焚き付けに使用してるとか。現実的な使い道ですが何と贅沢な化石燃料ではないですか!
さて、コンゴ共和国では琥珀も見つかります。白亜紀前期のものらしく、2011年にポワントノワールの北東70kmにあるマヨンベ帯のドゥマンガ近くで発見されました。(BSGF - Earth Sciences Bulletin 2020, 191, 17参照)
いつかコンゴ共和国産の琥珀とも出会いたいですね。アセトン持って市場にGo!😝
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