10ヶ月前のわたしは泣いてばかりいた。沖縄で7日間の「旅、ときどき仕事」

それは2017年11月のことだった。
せっかく訪れた沖縄の宿で、深夜にディレクターに向かって泣きながら電話していたっけ。

2017年11月といえば、学生の肩書きを捨ててライターとして独立した月だった。今ほど安定した収入もないし、本音を話せる仲間もいなかった。

「なんとなく」独立を決めてしまったわたしは、独立初月から旅と仕事を両立してみようなんて、沖縄に来ていた。

“履歴書と肩書きがちょっと変わるだけ”と、そう思って突入した11月。

……なにが“ちょっと変わるだけ”だ。勘弁してくれはちゃめちゃだよ。(笑) 

仕事量も、責任も、なにもかもが苦しいほど迫ってくる。学生のときからフリーランスとしては活動していたけれど、“学生”が無くなることの恐怖は、思っていたよりもずっと大きい。

当時のブログでそう綴っている。正確には、一旦、とりあえず一旦沖縄の空気でも吸いつつ元気の補充がしたい。そんな気持ちだった。

実際に元気は出たし、沖縄のことが大好きで大好きで仕方なくもなった。けれど、当時のわたしには、正直なところ「旅」と「仕事」の両立なんて、できっこなかった。

どこかに出かけようと思うと、仕事の連絡が舞い込む。力の抜き方がわからないから、なんでも全力でがんばろうとする。そんなふうに、自分をどんどんと追い込んでいた。

それでも、なんとかうまいことはぐらかしつつ過ごした1週間。楽しくもあったけれど、反省ばかりが募った。


そして、10ヶ月後。わたしはまた、沖縄に来ていた。期間は7日間。あのときとまったく同じ時間と場所で過ごす、「旅、ときどき仕事」だ。

今回は、珍しく赤裸々に時系列で記録を残してみようと思う。どんな過ごし方をしていたのか、きっと気になる人もいてくれるかもしれないから。

そして、10ヶ月で、気がついたら旅と仕事の両立が上手になっていたから。せっかくだから、きちんと文章にしておきたい。


【1日目】だいたい飛行機が有効

羽田空港から那覇空港に向かう飛行機のなか。ここはわたしにとって最高の仕事場だ。なぜなら、適度なフライト時間で集中して原稿が書けるから。

文字起こしを終えたインタビュー記事を機内に持ち込んで、空のうえでカタカタとタイピングを続ける。正味2時間半くらいのフライトのうち、7割がPCと向き合う時間だった。

ある程度原稿が完成したタイミングで、沖縄旅のおともにしたいと感じた『カフーを待ちわびて』をぬるりと取り出す。とても全部は読み終えられなかったけれど、わたしのワクワクを駆り立てるには十分すぎるほど十分だった。


【2日目】仕事ができない時間を責めない

2日目は、トークイベントに登壇するので午前中に起きてお昼に会場入り。少しだけ「仕事ができるかな〜」なんて淡い期待を抱いていたのだけど、むりだ。圧倒的に、むりだった。

きっと少し前のわたしなら落ち込んでへこんでいたところだけど、しょうがない。さいわい納品予定の原稿はないので諦めて眠りについた(noteだけは書いた)。


【3日目】旅の序盤はだいたいスロースタート

それなら、3日目こそはきちんと仕事だー!となるわけなのだけど、沖縄の空気がそんな簡単に仕事をさせてくれるわけない(わたしはね)。

朝7時から旅とき運営ののちさんが「『バーフバリ』観ようー!」と朝活を提案してくれたので、がんばって早起きして陽気に朝活。

そのかわり、午後はのんびりしたいし、ゆっくりしたい。ということで、3日目はゆったりした気分でも仕事が進む「文字起こし」をチョイス。

1時間のインタビュー音源をみっつ、だいたい4〜5時間くらいかけて文字起こししたらあとはのんびり。

こういう日は、とことん自分のやりたいことに時間を使うのがいいよねってことで、立ち上げ最中のメディアをつくってました。ぽちぽちと慣れない手つきでコーディングして、へろ〜ってしあわせな気分になった3日目。


【4日目】10ヶ月前のわたしができなかったこと

この日は、沖縄在住のメンバーも含めてみんなで会おう!な日だった。

9:00-  「オハコルテ」で朝ごはん
10:30-  雑貨屋さんめぐり
12:30-  「クルミ舎」でお昼ごはん
14:30-  「ときはや」で少し休憩
15:30-  雑貨屋さんめぐり
16:30-  カフェでしごと
20:00-  みんなで合流して夜ごはん

たしか、ざっくりこんな感じのスケジュールだった気がする。ちょっとだけ記憶あやしいけど。

それで、10ヶ月前の旅とき沖縄で、わたしができなかったことがこの日はできていて最高に感動してた。というのも、もちろん前の仕事と今の仕事では全然内容がちがうのだけど「限られた時間のなかで仕事を終わらせる」こと。これが、当時のわたしはできなかった。

16:30にカフェに到着して、19:30までの3時間のあいだで、納品予定だった記事を共有した。そのあとのみんなとの合流が異常に楽しすぎた。

たすくさん、みやねえさん、ありがとうございました。
沖縄に着いてから一緒に宿をシェアしていたのちさんとも、この日で一旦エアビーシェアはおわり。


【5日目】ちょいちょいぽんこつな感じが出てきてしまう

さて、5日目。もう沖縄滞在も後半戦だし、慣れてきたしってことで、早起きして宿の近くのスタバへ。

昨日から泊まっていた「月光荘」がわたしの身体や体質には合わなかったらしくて不具合があったので、とりあえず気持ちを切り替えるかってことで朝からもくもく仕事。

お昼から、沖縄に住んでいる知り合いの方と「お茶しよう〜」とお約束をしていたのでちょうどいい時間のバスに乗り込んでみたものの、なんだか絶対に行き先がちがう。

Googleマップで確認してみたら、圧倒的にちがう。なんなら、南に行きたいのに北上している。ただ、あまりにもなにもないところ過ぎたので、バスをむやみに降りても仕方がないと思ってなにかしらあるところで一旦下車(ちなみにあったのはローソン)。

短い時間のアポだったので申し訳なさたっぷりにご連絡をしつつ、那覇に滞在していた旅ときメンバーが迎えにきてくれるというありがたさ。「なにしてるんやろなあ」とほとほと呆れつつも、それもまた旅だってことにしておこうかなって。

合流したメンバーとお昼ごはんを食べつつ、ぶらぶらしつつ。気づいたら夜に。宿に戻って、残っていた原稿を書いてnoteを書いて、ぱたりと倒れこんだ。


【6日目】最終日の夜、お仕事しつつもなんか変な夜を過ごした

朝、わたしが行きたがっていた「たそかれ珈琲」でミーティングしようと持ちかけてくれたのは、1日前に東京から沖縄に戻ってきていた旅とき運営のしおりさん(寝坊しました、ごめんなさい)。

3時間くらいゆるゆると談話して、その後、カフェでのんびりとノマド。この日も納品予定の原稿があったので、4時間くらいかけて書いた気がする。

日中ほとんどをいくつかのカフェで過ごして、夜はしおりさんから「沖縄最後の夜だしおいしいところ連れて行きたい〜〜!」と言ってもらって。

ドローカルな通りのおいしいおでん屋さんで見知らぬおじさんとごはんを食べたのだけど、なぜかその足でスナックにも行って、なんだか不思議な体験をした気がする(宿に着いたのが夜中3時だったことからもやばい夜だったことはなんとなく察してる)。


【7日目】とりあえず寝たいフライトと充実感

夜中3時に宿着いて、次の日のフライトが10時って早起き属性じゃないわたしには到底無理だったのだけど、無理ともいえない……ということで、身体が危険を察知したのか7時に起きてふらふらのまま空港へ。

沖縄がすきな理由のひとつに、中心部の那覇から空港までの距離がすごく近いことがあるのだけど、まさに助けられた……。空港まで、電車で6駅(13分くらい)で着いちゃうから、本当にすき。最高。


ということで、7日目のお昼には羽田空港着。ゆるりと東京の生活に戻っていきましたとさ。戻ってから1週間くらいは沖縄ぼけしていたのでゆるゆる仕事していたのだけど、やっと月末を迎えるにつれてなんとか東京に馴染み返してきたような気がする。


さて、こんな感じで終えた7日間の「旅、ときどき仕事」。
できなかったこともあるし、できたこともあるけれど、わたしにとってはできるようになっていたことが本当に多くて。

10ヶ月前、昨年11月の沖縄からはじまって、今年1月に沖縄、3月に台湾、5月に岩手、6月にマレーシア、7月に台湾と「旅、ときどき仕事」を繰り返してきた。

本当に仕事の山を抱えたときもあるし、今回も7日間のうち5日間は原稿の納期とかぶっていたからとても余裕があったとは言えない。

だけど、やり方と心がけとスキルひとつで、絶対に「旅、ときどき仕事」はうまくなる。そんなことを感じた。とくに、意識したのはこんなことたち。


・文字起こし、構成、執筆を別の日に少しずつ進める
 →心の余裕と時間の余裕ができて、すごく仕事がスムーズになった

・1日中張りつかなければ終わらない仕事の量にしない
 →普段の「丸一日仕事する」とは、たぶん同じにならない

・絶対に納期を守る
 →普段は納期に余裕を持たせてもらうことがあるのだけど、「旅しているときは全然原稿が上がってこない」と言われたらたぶんおわり

・連絡頻度の多い人には沖縄にいることを前もって伝える
 →メリットに働くことは多くないけれど、事前共有はたぶん必要

・時間に追われたり窮屈になる仕事をやめる勇気を持つ
 →これができなくてずっと困っていたけれど、旅のなかでこなすことがしんどい仕事をやめた

・うまくいかなかった自分を責めない
 →だいたいは予想外。Wi-Fiがないとか、時間通りに出発しないとか

・だからって、言い訳にはしない
 →できないときには謝るし、できない状態をつくらないように早めに行動したりあらかじめしっかり調べておいたり


そして、7日間でわたしがこなしたお仕事はこんな感じ。そして、東京に戻ってきて超はたらく生活をする、という。

・インタビューの文字起こし 3本(4時間)
・記事の執筆 5本(だいたい20時間)
・記事の編集 1本(2時間)
・写真のレタッチ 50枚くらい(1時間)



わたしが「旅、ときどき仕事」を実際に行なっていて感じることの第一位は、旅と仕事の両立はほんとうに大変。旅先で仕事をする場合のはなしに限るけれど、言葉の響きはきれいなのにたぶん、過酷。

(こんなはなし、いいのかな……と思いつつも、たまにはまじめなことも書くからね……。夢や希望をもっている方、ごめんなさい……!)

それに、東京で会えない人に仕事を依頼することのリスクもある。ライターの場合、ただ書いてほしいだけなら近くにいる人にお願いしてしまえばいいってわけで。わざわざ、連絡が取りにくいかもしれない、気軽に会えるところにいない人に発注することって、大変なことだ。

だからわたしは、そのリスクを取って発注してくれたクライアントさんにほんっとうに感謝しているし、その分お仕事をがんばって「お願いしてよかった」「また次もお願いしたい」ってそう言ってもらえるよう期待に応えたいって思う。


でも、そんなことはさておき、やっぱり旅って最高だ。心がふわりと溶けるようなやわらかい気持ちも、息を大きく吸い込んだときに身体いっぱいに広がる心地のよい空気も、ぜんぶぜんぶ旅先にいてこそ感じられるような気がする。

だからもっと、旅に出る。知らない景色や感じたことのない想いを知りたいから、わたしはたぶんまた旅に出る。


大変なこともあるけれど、ぜんぶひっくるめて「旅って楽しいじゃん」。
そんなふうに思える日々を「旅、ときどき仕事」ではつくってみたいなって、感じるようになった。

今月から「旅、ときどき仕事」は三期メンバーの募集がはじまる。新しいメンバーと、ゆるゆると、本気で、旅を諦めない人生を考えたい。

ただ、とにかくひとつ言えるのは、沖縄は最高だったぞ……?


おしまい。

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鈴木しの

#旅ときどき仕事

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