うまいこと言葉が見つかりません

それは2018年12月24日のことだった。どうにも東京の街は浮き足立っていた。とくにクリスマスらしい用事もないわたしは、お世話になっている会社のオフィスに向かうため、大きな交差点を渡ろうとしていた。

ふと、目の前を知っている横顔が通り過ぎた。耳にはめていたイヤホンを片耳だけ外すと、聞こえてきたのはイヤホンから聞こえる声とまったく同じ話し声。少し現実から遠ざかるような気持ちだった。

引き続き耳元のイヤホンからガンガン流れるのは、わたしがすごく尊敬しているクリエイターさん、アバンティーズが3日前にリリースしたばかりの新曲『PLAY NEW WORLD』だった。

そらちぃ、エイジ、ツリメ、リクヲの4人からなる、全員が1996年生まれのクリエイティブ集団だ。YouTuberという肩書きで働く彼らは、憧れの対象でもあり、また個々のクリエイターとしてもわたしはすごく尊敬している。

文章を仕事にしているわたしにとって、彼らの企画力・実行力・編集力・作品への強いこだわりは尊敬するほかないものだったから。

シンプルにファンと言ってしまえばその通りで。YouTubeが更新されていたら、真っ先に見る。とにかく「ひたすらにかわいい」と嘆くこともある。


話を今日に戻す。2019年1月4日の午前10時過ぎのことだった。Twitterのタイムラインに現れた、まるでドッキリのようなこのツイート。彼らが所属する事務所UUUMからの公式発表だった。

「訃報」「アバンティーズ」「エイジ」の言葉を見た瞬間、鼓動が一気に早くなるのがわかった。え……????? 受け止めきれないなんてものではないくらいの感覚。言葉にならないし、手が震える。

いくらYouTuberといえど人の命で遊ぶことはないだろうし、各方面でYouTuberがコメントする様子を見るとたぶん本当のことだ。エイジ(エイちゃん)のことだから、明日くらいに「ドッキリでした〜〜〜〜〜〜〜! パア〜〜🖐」とか言いながらすぐ帰ってきそうなものだけど、たぶんそれはない。


これまであらゆる人の訃報を見てきた。びっくりしてしまうものはもちろんあるし、ショックなものだってそりゃあある。親族の訃報で涙したことは一度や二度ではない。

それなのに、今回ばかりはなにかが違う。ショックって言葉はしっくりこないし、受け止めきれないわけではない。無理やり言語化するなら「同世代のクリエイターが亡くなること」そのものがあまりに衝撃的で、どうしようもないのだと思う。

これ以上の言葉は出てこない。どうか、安らかに。今伝えられるのはこれだけだから。

だけれど、今この言葉を残しておかないとって思った。きっと、自分自身の生き方を問う出来事になる。そんな気がする。

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鈴木しの

文章の人。ビジネス系のライターだったり、写真メディア「Photoli」の編集者だったり、旅と仕事にまつわるコミュニティのマネージャーだったり。あと、おおむね旅してます。

#あふれる思いの言語化ブース

ふだん言葉に残す時間がなくて、いつの間にか消えてなくなりそうな感情を、その瞬間に少しでも残すための場所。
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