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【#平成最後の日】Windows95とまったくの同い年が平成のITをさらってみたら

「阪神・淡路大震災」や「地下鉄サリン事件」が起きたり、「Windows95」が登場したり、ドリカムの「LOVE LOVE LOVE」が大ヒットしたり、アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」の放映が開始したり……。年始から年末までとことん激動だった(らしい)1995年。


でもごめんなさい。なにひとつ覚えていません。なぜなら、今この文章を書いている書き手のわたしは現在23歳。1995年生まれです。

フリーランスでWebライターをしています。取材先はもっぱらスタートアップやイケイケのIT企業。

(ここでさっそくお知らせ的なサムシングを挟みます。いつも執筆を担当させていただいているスタートアップの経営者インタビューが掲載されています。ぜひに!)

こういったスタートアップでの取材は、はからずとも多くの場合がインターネット史の話。「Windows95は革新」とか、「ドットコムバブルの時代はすごかった」とか、「ソシャゲ全盛期の頃はね〜」とかとかとかとかとか。

取材の雰囲気を壊さぬようになんとか盛り上がりについていくいっぽうで、その時代を生きなかったために「……そうらしいですね」としか答えようがない状況にやるせなさを感じることばかりです。

よく取材をご一緒する35歳のITに精通しすぎたディレクターさんが盛り上がっている姿を横目で見ては「その時代に生まれていて羨ましいナア」とただただ悲しい気持ちを抱いています。


でも、スタートアップを取材する立場として「生まれていないのだから仕方がない」と匙を投げることだけは絶対にしたくない。ということで、わたしが知り得る限りの情報を駆使して、平成のITを95年生まれ目線でまとめてみました。

平成最後の日。なんだか最後らしいことをしたいなあと思ってこの記事を書いています。ライターのくせに、リード文が長いの長いのなんのその。

あくまでスタートアップの取材が好きなライターが、取材のなかで少し覚えた、偏りまくりの話として捉えていただけたら嬉しいです。予めお伝えしますが、ものすごく深くないです。分析とかも全然していないです。

「懐かしいな」と楽しんでいただくのもうれしいですし、「これはちがうだろ」ってご意見も待っています。シェアしながら「ばっきゃろ!」とか言ってくださったら泣いて喜びます。

※インターネット史に詳しい先輩方にお願いです。もしも足りない要素があっても「こんなことも知らねえのか」ではなく「こんなこともあったんだよ、すごくない!?」のテンションで教えてくださるとうれしいです!よろしくお願いします!優しくしてください!


「MS-DOS」から遡って今まで。こんなことを書きます

はじめに、見出しを用意しました。もう絶対に長くなるので、どうか暇を極めたときにご一読ください。知識の足しにはなりません。あくまでエンターテインメントコンテンツです(しかも平成だけではなく昭和も混ざっている)

ちなみに、すごく粒度をまとめているわけではなくざっくり時系列に並べた感じなので、なおさら知識の足しにはなりません。ハードの話もソフトの話もごちゃごちゃ出てきます。許してください……。

1981年(38年前)
 ー家庭用コンピュータOS「MS-DOS」が登場

1985年(34年前)
 ー家庭用ワープロソフト「一太郎」が登場

1991年
 ー天才青年によって「Linux」が登場

1995年(24年前)
 ー「Windows95」の発売開始

1996年(23年前)
 ーノキアが世界初のスマートフォンを開発

1999年(20年前)
 ードットコムバブル(ITバブル)の到来とiモードの登場

2000年(19年前)
 ードットコムバブルの崩壊、ハンゲームとmixiが登場

2004年(15年前)
 ーソフトバンクが福岡ダイエーホークスを買収して球団参入

2005年(14年前)
 ーYouTubeがサービス開始

2006年(13年前)
 ーAmazonがクラウドコンピューティングサービス「AWS」の提供を開始

2007年(12年前)
 ーiPhone3Gが日本で発売、GREEから「釣り☆スタ」が登場

2008年(11年前)
 ーTwitterFacebookが日本でサービス提供を開始

2009年(10年前)
 ー「サンシャイン牧場(サン牧)」「怪盗ロワイヤル」が登場

2010年(9年前)
 ーInstagramが日本でサービス提供を開始

2011年(8年前)
 ーLINEの提供が開始

2012年(7年前)
 ー「パズル&ドラゴンズ(パズドラ)」「モンスターストライク(モンスト)」が大流行

2013年(6年前)
 ーメルカリが創業

2014年(5年前)
 ー「ディズニー ツムツム」も大流行、UberやAirbnbなどのシェアリングエコノミーが登場

2015年(4年前)
 ーNetflixが日本に参入

2016年(3年前)
 ーWELQ問題が勃発 、Spotifyも日本に参入

2017年(2年前)
 ーPreferred Networksが128億円越えの資金調達

2018年(1年前)
 ーSaaSサービスの登場数が気になってしまう

わたしがしっかりと記憶しているのは2011年頃から。生まれてから2010年頃までの記憶は「ああ、あったねえ」くらいのものです。それでは知識をフル動員してなんとかします。

一つひとつの見出しはできる限りシンプルにまとめるはずなので、さくっといきましょう。さくっと。


家庭用コンピューターOS「MS-DOS」の登場に、わたしの理解が追いつかない(1981年)

スタートアップの取材をしていると、多くの割合で

A 「幼い頃はまだOSがない時代で」

ーーああ、起動ディスクで立ち上げてたんですよね。

A 「そうそう。だからプログラミングの知識が必要で」

みたいな文脈の会話になります。

初めて聞いたとき、頭の中がハテナでハテナにハテナとなりました。「OSがない」ってどういうことですか。「起動ディスク」ってなんですか。それはそうと、なんで「プログラミングの知識」が必要なんですか。

疑問点不明点のオンパレード。だってだって、パソコンは電源ボタンを押せば勝手に立ち上がるし、起動なんて秒だし、いまやプログラミングなしでアプリだって作れる時代なのに、ねえねえねえ。

むかしむかし、コンピューターがパーソナルになり始めた頃。今のパソコンに当たり前のように搭載されている基礎基盤「OS」とやらは、まだまだ搭載される前でした。

現在私たちが当たり前のように利用しているWordやExcelなどのアプリケーションは、OS(基礎基盤)があって、その上に“アプリケーション”として作られたものなのだそう。

……よくわからないですが、そういうことだそうです。

ちなみに調べてみると、MS-DOSが主流になった背景には同時期に発売された「IBM PC」の存在があったようです。「IBM PC」に搭載されたOSがMS-DOSだったことから一気に存在が広まるように。PCという言葉もこのあたりから一般的に利用されたのだそう。

ちなみにここから、ちょこちょこその章に関連する執筆記事を堂々としかけています。見出し内で語ったことや関連人物が登場する記事なので、興味のあるテーマがあったらぜひ読んでほしいです。どれも自信作です。


当たり前のように「Word」を使っている今を、少し反省したくなる(1985年)

本職がライターなので、すごい割合でWordを開きます。マイクロソフトさん、いつもありがとうって気持ち(ちなみに、社会人になるまで、ビル・ゲイツを知りませんでした)。

ワープロソフトなんて、海の向こうの国々で生まれて、日本にゆるゆるとやってくるものだと思っていたんですよ。だから「一太郎」って名前を聞いたときは年賀状の作成ソフトかなにかと思って。「筆まめ」的な。

ところがどっこい。日本語のワープロソフトとしてむちゃむちゃ広まったらしいです。らしいです、というかいまだにあります。

でも、残念ながらわたしはまだ一太郎ユーザーに出会ったことがありません。もしもお近くにいらしたら教えてください。いろいろと聞いてみたいことがあります。


OSをゼロから作った天才青年。Linuxの誕生(1991年)

OSの話になると、結構な確率で「Linux」って言葉も登場します。なかなかに理解が難しい話なのですが、何がすごかったのかって、たぶんOSをオープンソースとして公開したことと踏んでいます。

今までにもOSと呼ばれるものたちは数多く存在していましたが、どれもこれもライセンスがあったため独自改良なんかはされないままに進化を遂げていました。ところが、Linuxはオープンソースなのでみんなが自由に改変できる。つまり、進化のスピード感が格段に向上したのだと思います。

OSとしての性能が群を抜いて良くなれば、次々と搭載したいと考えるようになる。そうして、ひとりの青年が生み出したLinuxが、一気にシェアを拡大したようです。


耳にはするけれど記憶にはございません。感動的らしい「Windows95」の登場(1995年)

わたしの生まれ年です。すごさがあんまりわかっていないのですが、世代の方々に聞いてみたらこんな意見が返ってきました。

・カラーになった(!?)
・インターネットへの接続機能が標準装備(!?)
・アプリケーションの立ち上げをコマンド使わずにできる(!?)
・起動音がなんかおしゃれ(!?)

その昔、Windowsはモノクロだったそうです。インターネットは有料オプションとして購入して搭載するものだったそうです。アプリケーションを立ち上げるための必殺技が必要だったそうです。

まとめると、とにかく革新だったそうです。もうとくにコメントできることがないので次にいってもいいですか。だめですか、そうですか。

インターネットに関する知見のない母だって、当たり前のようにPCを使うしGoogleでなにか調べるし案外普通に使いこなしています。たぶん、それを当たり前の世の中にしたことこそが、すごいことなのだろうなあ。


スマートフォンって1996年からあったらしい。ここ5年くらいかと思ってました(1996年)

わたしがスマートフォンの存在を知ったのって中学生のときなんです。新しいもの大好きな父がある日突然iPhone 3GSを購入して自宅に帰ってきたことだけ覚えています。

まんまるで不思議なフォルム。おもちゃかと思っていました。たしかそれが2009年のことなんですよね。せいぜいそのくらいがスマートフォンの走りだと思ってきました。

ところがどっこい。フィンランド発のノキア(Nokia)という会社では、1996年にスマートフォンを発売しているというんです。当時はスマートフォンなんて言葉なかったはずだけれど、キーボードが付いていたり、オフィスアプリケーションが導入されていたりする。スマホじゃん……。

ちなみに「Communicator」シリーズと呼ぶそうです。詳しくはこちらの記事にめっちゃ詳しく書いてありました(さすが ITmediaさん、いつもお世話になっています)。



スタートアップの文脈で登場しすぎる「ドットコムバブル」。ネーミングセンスがハイレベル(1999年)

「MS-DOS」の話題と同様に、取材先でよく聞く言葉のひとつが「ドットコムバブル」のような気がします。ITバブル、とも呼ばれますね。アメリカが起点です。

前述のWindows95の登場以来、IT産業が飛躍的に発展して数多くのITビジネスが誕生していました。同時に、IT関連銘柄の株価も急上昇。日本では1999年〜とされることが多いですが、スタートの地となったアメリカでは1990年初頭からバブル状態でした。アマゾン、グーグル、マイクロソフトなど、今の時代を牽引する企業が続々と生まれた時代です。

この時期、実態はよく掴めないけれど、なんだかITってすごい。そんなイメージが日本では付いていた、とよく聞きます。

まだまだわたしの記憶にはまったくない頃なのですが、この時期あたりに誕生して成長したITベンチャーも数多く。楽天、ヤフー、GMO、ライブドアなどは、1990年代前半〜中盤に誕生して日本のドットコムバブルの波に乗りながら成長した企業です。

ちなみに、ドットコムバブルさなかで生まれたサイバーエージェントやDeNAなどのメガベンチャーと呼ばれる企業たちは、飽和状態の中で生まれ、なんとか生き延びた歴史を持つようです。


そして、1999年といえば、ドコモのiモードが始まった年でもあります(実は20年目の今年で新規受付を終了したそうですが……)。ドコモユーザーでもなければガラケーを持ってもいなかったので「すごい!!!!!」と感じた記憶が残念ながら薄いです。

ただ、ショートメールやキャリアメールやブラウザ接続などを初めて知ったときの感動ってレベチだったので、たぶんそんな感じの雰囲気が漂っていたのだろうなあと勝手ながらに想像しています。

平成の終わり、最高のiモードコンテンツが出ていたのでこちらもぜひ!!!


ドットコムバブルの崩壊、ハンゲームとmixiが登場 (1999〜2000年)

そのドットコムバブルが弾けたのが20世紀の最後の年、2000年のこと。IT機器が飽和状態になったり、赤字経営のITベンチャーに対する不信感が募り、みるみるうちに弾けていきました。

勘違いしていたのですが、ドットコムバブルってリーマンショックのようになにかの原因で崩壊したわけではないそうです。当時の状況を聞いているうちに「だんだんと」変わっていた状況だったことを知りました。

なんだか新しい産業が生まれたから乗ってはみたものの……みたいな風潮のひとつだったのかなあと解釈しています。どんな感じだったんだろう。タイムスリップスタートアップとかできたら、いつか1990年代に還ってみたいと思います。


そして、この時代に登場したのが「ハンゲーム」と「ミクシィ(当時はイー・マーキュリー)」の2社。ITの歴史なので、図らずともSNSとゲームはこの先の章でもやたらと登場します……。

ハンゲームにもmixiにも共通する、時代を巻き込むために必要だったことはコミュニティという縄張りをオンライン上に生み出したことなのかなあと思っています。

正直なところ、ハンゲームの運営するゲームを未だにプレイしたことがないので肌感がないのですが(今はLINEと関連はあるものの)……。とはいえ、中学生時代に鬼のような顔をしながらmixiでマイミクを探して、バトンを書いて……と居場所探しに必死だった当時の自分を思い返すと、ああすごく良い戦略なのだろうなあ。

あとは、BtoCのコミュニティビジネスの成功事例として取り上げられることも多いのがこれらのサービスの特徴のような気がします。コミュニティの文脈で「場」に価値を持たせるって、当時から考えるとめちゃめちゃ新しいですよね。

余談ですが、以前けんすうさんを取材に伺ったときにもコミュニティの価値に気がつくのが早いし勘所の鋭い方だなあと思ったんです。考えてみたら、けんすうさんが初めてリリースした学生向けコミュニティの「ミルクカフェ」も2000年リリースでした。けんすうさん、すごい……。


インターネット企業が球団を買えちゃう時代ですよ(2004年)

いやもう見出しの通りです。今となってはとくに違和感なんてありませんが、インターネットの会社が球団を買える時代が訪れるって大したことすぎます。たった5年前、1999年〜2000年頃までは「ITってなに?」状態だったのに。

ソフトバンクと楽天が2004年に、遅れて2012年にDeNAがそれぞれ現在の球団を買収しています。たしかにすごいことだよなあと、書きながらに改めて思っているところです。

「球団買収」の話題を思い出す度に、わたしは必ず以前ビズリーチの南さんが取材で言っていたこんなフレーズを思い出します。

私は今ビズリーチを創業して10年目になりますが、楽天創業から9年目に三木谷さんはすでに球団を持っていました。〜〜(中略)〜〜そう思うと、僕らはまだまだです。大きなインパクトを残すためには、彼らの姿を必死に追い抜かなければならないですよね。

ビズリーチほどの企業を生み出した南さんですら、ベンチマークとしている三木谷さんの姿を思っては「まだまだだ」と自身を鼓舞するのだそうです。きっと南さんに限らず、世間に対するインパクトも大きなものだったろうなあと感じます。

※ちょっと休憩※
(今「わりと書いたな〜〜〜」と思っているのですが、まだ見出し的には全然折り返せていません。現在、ちなみに6,000文字です。そろそろわたしも生まれてから9年経つのでなにかしらの記憶が残っていても良いと思うのですが……。ちなみに9歳のときは、競泳のイアン・ソープ選手に憧れて水泳ばかりしてました。)


日々の生活を支えるYouTubeは14年前に誕生しました(2005年)

振り返ってみると、13歳の頃(2008年)からYouTubeのヘビーユーザーでした。吹奏楽部だったので、参考音源を探して、必死に耳コピしているって学生だったんです。何気なく利用していたけれど、YouTubeがなかったらと思うと結構ゾッとするほどにはお世話になっていました。

意外にも歴史は古くて2005年に創業。Paypalの社員だったメンバーが創業者だとこの記事を書きながら初めて知りました。その後、2006年にはGoogleが16.5億ドルで買収したそうです。2006年に、動画のプラットフォーマーを、16.5億ドルで買収って、すごくないですか。

どうしてまたそんな高値でとも思うし、実際にYouTubeってとんでもない成長を遂げているしでやはりすごいぞGoogleって思ってしまう……。

余談ですが、こんな風に多くの人にインパクトを与える事業に挑戦してみたいって、スタートアップの取材を経験すると思うようになるんですよね。なかなか不思議ですし、自分の感化され度合いにもちょっぴり笑っちゃいます。

せっかくなので、愛してやまないYouTuberの方々も一緒に。

(「東海オンエアではなく、こっちなんかい〜!」とツッコミがたくさん来そう……。どっちも好きなんですけれどね、なんかこっちが好きです)



エンジニアさんの取材でよく聞くやつです。AWSとGCP(2006年)

採用記事の執筆でエンジニアさんを取材する機会がすごくあります、それはそれはもうすごく。あくまでも個人的な見解ですが、びっくりするほど専門用語が多いんですよね。言語だったりライブラリだったり、いろいろな言葉がいろいろな粒度でいろいろな角度からやってくるんです。

慣れるまでには本当に時間がかかったなあと感じているのですが、とくに難しかったのがインフラ系の話。オンプレだったり、2006年登場のAWS(Amazon Web Services)だったり、2008年登場のGCP(Google Cloud Platform)だったり。

これらは一体なんぞやって話は、上記のQiitaがとにかく最強だと思うのでぜひ。サービスがあまりにいろいろなので解説の難易度が高すぎるんですよね……。一言でいうと、すっごい便利になったって感じでしょうか。エンジニアの方がこれ読んでくださる機会があったら、どうか教えてください……!

(スタートアップの取材が増えると、GCPがGoogle Cloud Platformではなくグロービス・キャピタル・パートナーズに見えてくるっていう鉄板ネタは静かにしまっておきますね)


iPhone3Gが日本で発売、GREEから「釣り☆スタ」が登場 (2007年)

このあたりから、やっと記憶の片隅にちらりと単語たちが現れだす頃です。とくに語ることはないくらいに時代を変えてくれているのですが、日本にiPhoneがやってきました。

先ほどもほんの少し触れましたが、iPhone3Gや3GSを見たときの衝撃ってたしかに忘れられません。明らかにゲーム機のようにも感じたのですが、これも携帯なんだ……と圧倒されました。

当時は、二つ折りか少しコンパクトな縦スライド型のガラケーが携帯のすべてだと思ってきたので驚きましたよね。さすがに。

ちなみに冒頭でいろいろMS-DOSやLinuxにも触れたついでに触れておくと、2007年の3Gの発売は初代のiOSがお披露目されたタイミングとも言えます。当時の機能はほぼほぼ記憶にないのですが、調べてみたところ「アプリのダウンロードができない(App Storeがない)」「GPS機能がない」「コピペ機能がない」など、ないものだらけ。

ただし、すべての操作をタッチで行える操作そのものがとっても新しく、まさにジョブズが語った「電話の再発明」にふさわしいものだったのではないのかなあと推測します。


さらにさらに、同時期にはGoogleの開発(正確には、Android社を買収)したOS「Android」も登場しました。2012年くらいまではAndroid搭載のスマホユーザーだったのですが、あまりに不便ってイメージが付いてしまってあんまり良い印象を抱いていません。ただ、改めて調べてみるとそんなことはないのかも、と思ったり……。

当時のAndroidのデモの様子です。初期の初期(2007年11月)の頃はタッチスクリーンに対応していなかったのだそう。1ヶ月後の12月にはタッチスクリーン対応ができているので、恐ろしいスピードでの成長ですが……。

このアイキャッチに登場する緑のキャラクターとの相性が悪かったのか、どうにもかわいいとは思えなかった昔を思い出します。今はそこそこかわいいと思えるかも……。

ついでに、アップルパイとかバナナブレッドとかカップケーキとか、バージョンごとになぜかスイーツすぎる名前が付けられているのすごい萌えませんか。このエピソードだけでAndroidいいじゃんってなるわたしは安直なのかもしれないです。


そして、男の子たちの味方「釣り☆スタ」が登場したのも2007年のできごと。2004年創業のGREEが生み出した世界初のソーシャルゲームです。これを皮切りに、GREEはソーシャルゲーム事業という枠組みで大きな成功を収めます。

リリースから2年半でユーザーは1,500万人。とんでもないですね……。今年でリリースからは12年ですが、今もなお愛されているゲームだと言うのだから驚きです。

(ゲームの思い出語れないの本当に申し訳ない気持ち……なので、ユーザーの方、当時の思い出をたくさん送ってください……)


TwitterFacebookが日本にやってきました(2008年)

SNSが日本に大量にやってきた〜〜〜〜〜!!!!!という気持ちです今。上陸自体は2008年のことですが、広まったのは2009年頃のことですね。中学生のとき、初めてガラケーを買ってもらって、パケ放なのにビクビクしながらブラウザにつないでTwitterしていた記憶が蘇りました。

エアリプの鬼だったし、小さなコミュニティの中で使っていたイメージがものすごく強いですね。クラスメートとか部活の仲間とか、そんな単位でのやり取りしか知らなかったような気がします。

過去に一度ツイートを削除したい衝動に駆られて昔のツイートを片っ端から削除したことがあるのですが、ギリギリ残っていた一番古いツイートがこれでした。

(「誤字……?」と思ったら、あれでした。英語の第1文型〜第5文型の話でした)

時系列が前後しますが、高校2年生の夏ですね。圧倒的に受験生みたいなことしかつぶやいていなかったので心配になりました。


「サンシャイン牧場(サン牧)」「怪盗ロワイヤル」が登場したそうです(2009年)

再び一斉を風靡したゲームたちに戻ってきます。「サンシャイン牧場(サン牧)」と「怪盗ロワイヤル」。ミクシィのサン牧と、DeNAの怪盗ロワイヤル。GREEの「釣り☆スタ」に続いて、ソーシャルゲームを広く世の中に広めた存在なのだろうなあと思います。

まだまだこの頃ってiPhoneの浸透率は高くないのでガラケー全盛期。通勤電車の車内でゲームに夢中なサラリーマン、放課後の公園に集まってゲームに夢中になる同級生。男性ばかりだった印象ですが、記憶の中には強烈に残っています。

昔、ファミコンで遊び尽くしていた大人たちの遊び場が家から携帯へと変わり、そのままイズムが学生にも伝播している。そんな雰囲気を感じていました。後半で登場するパズドラほどではない気もしますが、そこそこの社会現象だったのでは……?


時代を変えた。Instagramが日本でサービス提供を開始 (2010年)

「インスタントカメラ」と「テレグラム」から言葉を取り入れてできた、新しいSNS「Instagram」。9年前からあったと思うと、なかなかの驚きです。時代はまだまだ写メでしたよね……? まだまだプリは赤外線で送信していたし、まだまだLISMOで着メロ買ってました。

そんな時代に生まれたインスタに尊敬しか感じません。たしか、わたしがインスタを始めたのって結構遅くて(2014年)、あんまり魅力がわからなかったんですよね……。

ただ、たしかに考えてみたら、スマホを手に入れて、写真を撮ることのハードルが劇的に下がって、オンライン上で情報をシェアする文化に抵抗がなくなったときに登場しているのがインスタ。

世の中がちょうど整ったときにプラットフォームとして存在が完成していたと思うと、はああああ〜〜〜〜すごいなあ、と圧倒されちゃいます。そんなサービスを生み出してみたい。

あと、このあたりのSNSの話題は完全にしおたんさんの領域だと思うので、続きはこちらで……と託しちゃいます。ファクトと分析の両軸が整っている、めっっっちゃ素敵な記事です!


いつしかインフラにすらなっていた。LINEの提供が開始(2011年)  

待ってました。LINEの登場は2011年のこと。サービス開始からは早8年になるんですね……。当時は「どうして乗り換える必要性が……?」と本気で思っていたのに、いつしかそんな考えを持つこともなくなりましたね。

たしか、利用を始めたきっかけは「電話代がかからないらしい!」というクラスメートからの口コミだったような気がします。クラスの中ではカカオトーク派とLINE派と分かれていたのですが、母数の問題でLINEを使い始めたような。今考えると、それってネットワーク効果ってやつでは……?

森川さんの取材記事も書かせていただいたのを思い出しました。LINEの話をたくさん伺ったわけではないのですが、ビジネスモデル選定と事業成長の視点、すごく面白かったんです……。


「パズル&ドラゴンズ(パズドラ)」「モンスターストライク(モンスト)」が大流行 (2012〜2013年) 

社会現象!!!!!!!!!! 高校のクラスメートが9割男子だったので、休み時間になると誰も言葉を発さずにずーーーーっとパズドラしてるんです。思い返すと本当に異様な光景でした。

2014年あたりをピークにそこからは停滞の一途をたどっているとのことですが、そうはいっても、これだけコンテンツの多い世の中で未だに5本の指に入るほどの売上を誇ります。尋常じゃない……。

2013年に登場した「モンスターストライク(モンスト)」も、パズドラと合わせて大人気でした……。どうしてなのか、は以下の記事で納得感が湧いたので合わせてどうぞ!


昨年上場で盛り上がりを見せた「メルカリ」は6年前の創業でした (2013年)

昨年の6月にマザーズ上場を果たしたメルカリは、2013年生まれ。改めて、5年で上場、すごすぎますね……(とか言いながらサイバーエージェントは2年、楽天は3年、GREEは4年で上場してますよね。どうなっているんだろう)。

比較的サービスが登場した頃からメルカリにはお世話になっているのですが、明らかに当時のわたしの世代から広がっていたような感覚があります。高校〜大学生くらいですね。

ニーズとして「欲しいものは安く買いたい」「必要のないものは売りたい」「めんどうなことはしたくない」「オンラインコミュニケーションには抵抗がない」みたいなことがあったので、ぴったりでした。

あっという間に「メルカリ良いよね〜〜」な会話が聞こえるようになっていので、名詞単体で広まるあたりも含めて、とんでもない勢いだなあと思います。


「ディズニー ツムツム」も大流行、UberやAirbnbなどのシェアリングエコノミーが登場(2014年)

なんだか、やっと最近感増してきた気がします……。ゲームとしては「ディズニー ツムツム」も社会現象レベルで人気でしたね。でした、というかこちらもまだ愛されているゲームのようです……(ゲーム業界の人気傾向とかくわしくないのですが、ぷよぷよみたいなシンプルなパズルゲームって根強い)。

2014年、一気に盛り上がっていたのがシェアリングエコノミー。2013年に日本法人が登場して以来急成長を遂げていたUberや2014年に日本法人ができたAirbnbなど、今もなお生き残るシェアリングエコノミーたちはこの頃に産声を挙げています。Uberも上場を申請したばかりですし、広く一般大衆に受け入れられているサービスなのだなあと感じるばかりです。

とはいえ、同世代に「シェアリングエコノミー」とか「Uber」とか「Airbnb」ってなかなか通じないので悲しいんですけれどね。そろそろ知っていても良い頃だしニーズあるはずなのに……と思っているところです。

とくに、個人的にもっと広まってほしい〜〜〜〜〜と激推ししているのがライドシェアの「CREW」です。タクシーと比較すると価格が安価ってこともあるのですが、なにより深夜の帰宅時間を誰かとシェアできることにすごく喜びを感じていて、ついつい利用しちゃうんですよね……。

人の話を聞くことが好きだからか、深夜2時とかに車を運転する方の人生とか想いに興味が湧きすぎちゃって話し込んじゃう。テレ東で深夜に放送している『家ついて行ってイイですか』みたいな気持ちですね。

(あとサービスを運営しているAzit代表の吉兼さんが本当に素敵な方すぎたから、というのも「CREW」を異常に利用している理由のひとつです)


サブスクの波、来たる。Netflixが日本に参入 (2015年)

サブスクがそろそろと顔を出し始めるタイミングです。ガラケーの時代からサブスクってあったはずなのに、浸透度としてはそこまで高くなかったような気がしています。

2016年に日本上陸を果たしたSpotifyやAmazonプライムなんかも見ていて思うのですが、コンテンツに一定のお金を支払う文化を作ってくれたのは彼らなのかなあと。昔はサブスク自体に抵抗感があったのですが、今となってはむしろ溺愛しているくらいです。

ガラケーの頃、月額500円でキャリア決済ができるアーティストのモバイルファンクラブに入会するのは、一大決心だったんですよね。年間6,000円を投資する費用対効果って話と、一定の価格を支払い続けるモチベーションとみたいな観点でちまちまと考え続けていた記憶があります。

それが今、利用しているサブスクの数って正直パッと思いつく限りでも10こくらいはあるような……。生活の中になければ困ってしまうし、休日をどうやって過ごそうかなあと悩んでしまいそう。少し大げさな話ですが、そのくらいに、サブスクは自分の生活に根付いているんだなあと感じるばかりです。


たぶんもう忘れない。WELQ問題が勃発 、Spotifyも日本に参入 (2016年)

Spotifyも愛すべきサブスクですね。毎日あいみょん流してます。とくに細かく語ることはなさそうなので、平成のエモさにぴったりすぎてよく聞いていたカツセさんのプレイリストをシェアさせてください。

(どうでもいい〜〜〜って話かもしれないですが、カツセさんってわたしがライター始めたくらいのときから大活躍しているライターさんなんです。SNSを中心にコアなファンを獲得していた方ってイメージなのですが、ひとりのライターがSpotifyのプレイリストをシェアしてくれて、それがコンテンツとして広まっている世界って最高だと思いません……?)


余談でした。2016年といったら、Web界隈ではWELQ問題が一番強烈なできごとだったのではないかと思います。ライターの朽木さんの提言によって、医療サイトを中心にWebメディアへの信頼性がすごく問われた時期なのではないかなあと思います。

若者たちを虜にしていた「MERY」を始め、DeNA PaletteのキュレーションメディアはWELQでの騒動をきっかけに一気に消えてしまいました……。運営源が変わって「MERY」は戻ってきていますが、それでもなくなってしまうときの淋しさって結構大きなものだったなあと。

ちなみに、わたしがライターを始めたのって2016年の夏だったのですが、信憑性が疑われるような記事のクラウドソーシングを通して生み出されていたみたいな背景があってもうなんかとにかくザワザワしていた……(界隈に詳しくなかったので、なんか荒れているなあくらいの認識だったんですよね……)

ただ、ライターとしては、WELQ問題をきっかけに記事単価が爆発的に上昇した気がしています。それこそ2016年に書いていたキュレーションメディアでの単価って400〜500円/本(2,000文字)とか当たり前でした。

もちろんそればかりではないと思うのですが、そういうところからのキャリアスタートなので今普通に「うち予算少なくて……1万円でお願いしていて……」みたいな話を聞くと、3年間で20倍かあと感じてしまう。

少なくとも業界に片足を突っ込んでいた人として、コンテンツについてしっかりと考える機会にはなったし、そうして時代が変化したのに今もこうしてライターを名乗れているのってありがたいなあと思うばかりです。

(そういえば、当時のSEOとかもすごい悲惨でしたよね。見出しと本文に合わせてキーワードを〇〇個入れる、みたいな指示がディレクターの方から飛んできて、心底引いてました)


Preferred Networksが128億円越えの資金調達(2017年)

スタートアップの取材をしていると、とくに投資家やシリアルアントレプレナーの方から「最近の資金調達環境が本当に良くなった」と聞きます。過去を体験したことがないので知識ベースでしかないのですが、たしかに2015年あたりからの資金調達額って一気に増加していますよね。

第4次ベンチャーブームなんて言われるほど、日本のスタートアップは今土壌が安定してきているようです。とくに3桁億円の資金調達が日本でも可能となったのは、すごくスタートアップにとっては大きなできごとだったよう。火付け役となったPreferred Networksが128億円超えの資金調達に成功してザワザワしてました。

2018年の資金調達ランキングを見ても「Japan Taxi」の123億円って2位の「FOLIO」に倍の差を付けた調達額ですからね。「FOLIO」だって大型の資金調達に成功ってことで名前が挙がるスタートアップなので、その上をいくとなるとちょっと想像の域を超えていく感が否めません……。


SaaSサービスの登場数が気になってしまう(2018年)

この記事、実は2018年の夏に書き始めたので当時は2017年までで見出しが終わっていたんです。この春に公開すると決めてから、2018年ってスタートアップ的にはどんな年だったのだろうと考えてみた結果、SaaSがすごい増えた気がするに落ち着きました。

(話題としてホットだったのはメルカリの上場だった気もするのですが、2013年に登場しているので!)

とりあえず、Forbesさんのまとめがものすごく最強なのでこれを見てほしいです。分野自体は広くあるけれど、解決方法がSaaS。そんな印象を受けます。とくにAI×SaaSの市場はまだまだ伸びていきそうな予感もしますね。解決したいことがテクノロジーで解決できる時代になってきたのかなあと、取材なんかでお話を伺う度に思っています。


令和のスタートアップ、どうなっていくんでしょう

取材を通して学んだインターネット史をアウトプットできたらなあと思いながら書き始めたこの記事。残念ながらインターネット史にはならなかったです。随分と偏りがあるし、主観すぎちゃうし。

平成の終わり、SNSなんかを見ているとさまざまなコンテンツに出会います。どれも、見ていると、一人ひとりに属人化したエピソードがあって、だからこそ忘れられない大切な記憶になっていくのだなあと感じるんです。

だから、ここで語ってみたお話は、あくまでも1995年生まれのライターが知った記録と記憶によって作られたもの。それぞれの記憶と絡ませながら、ほんの少しでも楽しんでいただけたら書いてよかったなあと思えます。


2019年は、令和は、どうなるんでしょうね。まだ想像もつきません。ただ、少なくとも、AIは進化するし、ブロックチェーンはまだまだ伸びるし、5Gは訪れる。そんなテクノロジーの成長に合わせて、また新しい思い出をたくさん作っていきましょうよ。そんな未来が楽しそうだから。

それでは、長い長い、盛大な平成最後の遊びでした。お付き合いくださり、ありがとうございました。グッバイ平成!!!!!今までありがとうな!!!!!


***

(▼超個人的な想いの話です)

この記事を書き始めたきっかけは、リードでもご紹介した、ITに精通しすぎたディレクターさんの存在でした。よく取材をご一緒するのですが、詳しいのレベルを超えて詳しい。頭の中に複数人いるかのようなんです。バイネームで恐縮ですが、那木さんっていいます。

彼の知識量に一日でも早く追いつきたいなあと思って、そのためのアウトプットの場としてこれを作ってみました。まだまだ足りないことだらけなので、この記事もまたアップデートを重ねながら詳しいものにしていきたいなあと思うし、合わせて自分自身の知識ももっと深められたらなあと思っています。

でも、平成の最後の日に今これを公開できることがすごく嬉しい。しかも、さっきも書いたように盛大な遊びにも関わらず、那木さんまで「ああでもない、こうでもない」ってたくさんアドバイスくださっていて。平成の終わりに公開する、平成最高のコンテンツになったような気もします。嬉しい。

ここまで読んでくださった方がいらっしゃるのかわからないけれど、もしもそんな方がいらしたら、本当にありがとうございます。一緒に作ってくださった那木さんも、ありがとうございます。

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