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ボロ着ててもって言うれけど、できればボロは着たくない

寒い時期のイタリアの街中でパッと目につくような年配の素敵な人は、身なりにお金がかかっている。
冬は特にお金が見た目に反映される。コート、靴、かばん、あと髪の毛はお金と手間をかけた分だけ絶対に違う。コートは毛皮またはウール。ダウンコートは基本、着ない。(もしダウンを着るならモンクレー一択。)「うわー、あのコート気持ちよさそー。触ってみたい…。つーか、ほすぃー。」とマジマジ見てしまう。冬の艶髪は毎週美容院に通えるというマダムのステイタスシンボルだ。

そういう見た目の人が好きだ。中身はどうでもいい。

良い物は高い。冬物はより高い。触りたいと思うようなコートは、1000ユーロ(13万円)とかザラだ。
そんなコート買うなら、家族で旅行にいった方がよくない?とか、8万円のカバン買うなら大勢でおいしいもの食べた方が良くない?とか思ってしまうのだ。8万円も一度の食事に使ったことはまだ無いけど。子ども連れて旅行なんてすると10万円なんてあっという間だ。

「良い物を買えば10年以上着れますから」とかも良く聞く。けど、今のところ、山用とかの機能服以外で10年以上着てる服は無い。というか、20代に買った服は似合わなくなって処分した。(「10代時から趣味は全然変わらないんで、これもう20年以上着てるんですー」とか、ドヤ顔で言えるおしゃれな人には憧れてたけど。10代の頃に買ったやっすい古着は物が悪すぎて、今着るのは無理。)これからそうなるのだろうか。わからない。

20代で買った地味な服は、地味なりにアラフォーには似合わない。良い素材のニットは大事にしているうちに虫に食われた。出産中・授乳・幼児期は無印やらユニクロなどで、子どもに汚されても気にならない服を洗い倒してるから2シーズンくらいで終了。
そして、家族のためという大義名分で鍋にお金はかけられるのに、同額を自分のための良い服にはかけられない主婦という呪い。!チーン!地味なおくさん出来上がり←イマココ。

気づくと体ももっさり。体重は変わってない、昔より運動もしてる。でももっさり感が滲み出てきた。滲みっぷりを自覚した頃から、「シニョーラ(奥さん)」と呼ばれるようになった。アジア人特典で、30歳を超えても「シニョリーナ(お嬢さん)。ラガッツァ(女の子)」と呼んでくれていたイタリア人も、もっさりには気づくらしい。

で、これから自分はどうなりたいのか?素敵なお金持ちマダムを目指すのか。
というか、そんな先のことより今なにを着たいのか。フランス人を見習って10着にするべきなのか。(私の周りのイタリア人は男も女も買い物が好きだから、服をたくさん持ってるし、捨てるのは大嫌い。)

まず着て気持ちの良い服がいい。綿とか絹とか。かゆくない服(この辺が加齢)。絹は洗濯が…とか言わない。
でも、草木染めなどの微妙な色合いを楽しむような服を着ると、土着とか現地の人とか呼ばれる顔のタイプなのでそれは避ける。
ミニマリスト風に無印みたいな服で自分の制服を決めるのは、ちょっと寂しい。だって、楽しくないじゃん!綺麗な色や形の服だって着たい。テンションが上がるから。

チヤホヤされ、良い女気分を味わうためのヒールの靴だってたまに履きたい。けど、本当にたーまにしか履かないからzara程度の�ものでいい。

ということは、今の私の答えは今風でそこそこなzaraなのか。ザラには半袖しかTシャツがないけど。(ファストファッションを着るような外国人は長袖のカットソーを着ないのか問題。冬でも半袖しか売らないのはなぜ?)。多分そうなんだろうけど、なんてつまらない結論。ザラには天然素材はあまり売ってないな。

願わくはカッコイイ内面が滲み出るような素敵な見た目の老人になりたい。白髪にジーンズにコンバースのおばあさんに憧れる。でも、こういう人は冬には上質なコートを着てるんだろうな、と、ここで、また良いコート問題に戻る。滲み出るほどの素敵な内面も持っていないのだから、こつこつと外見を磨くしかないのかもしれない。面倒だ。。。いっそのこと、全てを山仕様にするとういうのはどうだろう?山グッズだけが私を裏切らないような気がする。そういえば、日本の観光客は山仕様のリュック率が高い。それでか!

おわり

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