1.ソ連との出会い④~ゴルゴ夢想~

ゴルゴのなかで、ソ連(当時)のからむ話はたくさんありました。

KGB(いまやFSB)対西側の組織とのたたかいは枚挙にいとまがなく、
そのなかでも記憶に残っているのが
モスクワ・ドール
貧しい母子家庭の真面目な労働員が
勤務先の店長に陥れられて犯され、とある条件からKGBにスカウト
(というかそれ以外の選択の余地なし)されてスパイになり陥れた店長を冷徹に殺す。
重要な任務を遂行中に、養成所で見かけて男として気になっていたが
敵であるということがのちに判明したゴルゴを見かけ尾行するが気づかれ撃たれる。
自分がスパイになったおかげでソチ(ロシア有数の保養所)で療養できるお母さんを思いながら崩れ落ちていく…というものと

男の考えていることがわかるためによけい「男なんて!」と思っている超能力者の女性
(ゴルゴには「男なんて!」と思っている女がゴルゴに惚れてしまうパターン多し)。
ダブルスパイをKGBが拘束。彼にしゃべられると困る西側がゴルゴに暗殺を依頼。
拘束場所からスパイを移送中に暗殺者からスパイの身を守るのが彼女の役目。
「男なんて」と思っているのになぜかゴルゴが気になる。
彼女の能力に気づいたゴルゴがとったある作戦のため、スパイを含め、移送グループ全滅。
彼女も「お母さん…」と思いながら死ぬ。
というお話。

また、「幻のジゼル」。亡命した男性バレエダンサーと、国に残った女性バレエダンサーが西側で一緒に踊ることになったとき、亡命したダンサーが彼女も亡命するよう説得するのですが
亡命できないように(彼女がそのイベントに出席できないように)デートで階段を降りているか上っている最中の彼女のハイヒール(彼とデートのときは女なのでふだん足を守るためのぺたんこ靴の彼女もハイヒールを履く)を撃ってバランスを崩して倒れ、亡命を阻止したというもの。

あるいは祖国を亡命しようとした男女があえなくゴルゴに殺されるという悲しい物語。

冷徹の国のおかげで、いくらでもロマンティックな、悲しい、そしてときには壮大な物語が生まれます。

ゴルゴの生誕説はいくつもあるのですが、有力なのが「ロシアと日本のハーフ」で
それもいくつかの説があり、たいていどれも「ロシアの元貴族と日本のサムライの子」みたいな感じ。わたしが一番好きなのは「 蒼狼漂う果て 」です。

「第141話 蒼狼漂う果て / 1979年1月
中国・ソ連・アフガニスタン国境で被爆した遊牧民の老人がモサッドに保護された。それを知った日本のジャーナリスト・竜造寺は、先輩の長田から老人がかつて日本軍将校であったと聞かされ、老人の正体を探る旅に出る。一方老人の素性が「五島秀之」と判明し、モサッドより連絡を受けた秀之の息子政之(ユダヤ国民基金ジュネーブ支部長)は、父を自身の屋敷に匿い、秀之被爆の原因である極秘核実験の証拠隠滅を謀る中国の刺客を迎え撃つため、ゴルゴを雇う。ゴルゴが秀之を狙う暗殺チームと戦いを繰り広げる中、政之は合流した竜造寺と共に、秀之自身の辿ってきた旅の歴史を聞かされる。それは、二・二六事件から始まり、シルクロードを駆け巡る壮大な「昭和史」であり、秀之のもう一人の息子「貴之」の物語であった。」 (Wikiwand 「ゴルゴ13のエピソード一覧」より)

そういえば、「芹沢家一家殺人事件」もなかなかショッキングでした。


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