2.助走期間①

男尊女卑の色濃く残る地方で、あとから思えば母親に抑圧されて生きていた。

高校までは実家住まい、大学で京都に出てきて一人暮らし、
親の呪縛から解放され、したい放題。
同時に、生き辛さも感じてあれこれ本を読んでいると、
精神分析でなにがわかるか」福島章著
で、母親からの抑圧が原因だということがわかり
なんとかそれを脱却しようと努力してきた。
経験したことのないひとには理解のできないことみたいだけれど、
「気にしなければいいのに」
と簡単に言ってくれるけれど、経験してきたひとはわかるように、
幼児期の経験というのは三つ子の魂百までとはよく言ったもので、
なかなか簡単に脱せられるものではなく、いまだに苦しんでいる。

わけもわからず、やみくもに、手あたり次第に生きているうちに
夜の木屋町でそのころいつも行っていたアメリカンバーで、
25歳年上で在日韓国人、元やくざのおじさんと知り合った。



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