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遠くへいきたい

いまの生活にとりたてて不満があるわけではないけれど、ふいと、日常を離れて遠くへ行きたくなるときがあります。非日常は、たのしい。

2年ほど前の9月、当時の職場で定められていた「6月~10月の間で3日連続で取得するべきリフレッシュ休暇」をとくに計画はなかったけれど日程を決めて申請したところへちょうど、知り合いが「この日高知に行くので、都合の合うひとは飲みませんか」とTwitterで呼びかけたのにばっちり日があい、1日目夜行バスで京都出発、2日目朝高知着、バス停まで迎えにきてくれた知人と合流、観光・食べ歩きしてその夜はホテル泊、3日目のお昼に高速バス乗り場で知人にバイバイして帰ってきたのだけれど、急きょ決めた割には急いで調べた紙漉き体験や「ひろめ市場」その他の食べ歩きと、かなり満喫しました。

昨年は、熊楠。紀伊田辺の「南方熊楠顕彰館」に行きました

今年もどこかふらりと行きたいなあ、と考えつつ、公募ガイドで自分に合った公募を探しているうちに、「坊ちゃん文学賞」に絡めたショートショートの書き方を学ぶワークショップが愛媛県松山市で実施されることを発見。ワークショップ大好き人間だし、応募するならやはりそのゆかりの地を知っておくべきでしょ、愛媛って行ったことないし。と言い訳は尽きぬ。というわけで、数日悩んだ末、参加申し込みをして、松山についてネットで調べはじめました。ぬおおお、なんと、わたしの大好きな額田王の歌をテーマにした風呂が、道後温泉飛鳥の湯というところにあるですと!これは、ますます行かねば。

貧乏なので、金曜夜に高速バスで出発、土曜日どこかホテル泊、日曜日にWS参加して日曜夜の高速バスで京都にむかい、月曜早朝京都帰着、出勤かなあとも考えたのですが、高知への往復のとき、やはりバスはしんどいと実感しました。昔よりスペースに工夫してあるとはいえ、列車より窮屈で動き回れない、そして一番つらかったのは、往復とも、周囲の席の誰かがくさいおならをして、逃げ場のないところで、それがずいぶんと長い間滞留したことです。あれは二度と体験したくない…と思いましたが、京都からのJR+宿泊パックはどのサイトをみても「この条件にあうものはみつかりません」。

そうこうしているうちに、水曜の午前中、東京のOさんから「今日、関西出張なので夜飲みませんか」とメール。
東京出身で某有名企業本社勤務のOさんは、いまから10年くらい前、5年ほど京都支社に単身赴任していました。わたしの根城、「Jazz in ろくでなし」という、わたしのようなろくでなしばかりが集う小汚いジャズバーで知り合い、お互い飲み食べ、新しいお店開拓が好きなもので一緒にちょろちょろ飲み歩きました。東京に戻ったあとも、関西出張や旅行でこちらに来た際に連絡してくれるのですが、これがいつも当日。
今回は珍しくも午前中に連絡くれましたが、ひどいときは22時とかに連絡してきて「いま、〇〇で飲んでるんだけど、出てこれないよね」とか。まあ、どうしても直前まで部下や家族といて、自由になってから声をかけてくれるのでそうなるらしい。そして声をかけてくれる時に限って、結構こちらもヒマで、「飲みにでかけたいな~」と思ってるときだったりするので、ほいほい応じています。

いつもわたしの在り方を評価してくれる、穏やかなOさんとの半年ぶりくらいの飲みは相変わらずたのしく、「行きたいな」と思っていた店も何軒かまわれました。話の一環で、今回の出張パックはこういうものをこの旅行会社でとって…ということをきき、翌日その話をヒントに再度検索してみましたら、京都ではなく新大阪発着のJR券+宿泊つきのパックを見つけました。当然ながら、普通にJRの切符を買い、宿を予約するより安くつきます。「これにしよう!やはり、バスは自分にはつらい」と決めました。そうこうするうちに、ワークショップ参加確定の連絡もはいりましたので、パックを購入。最初見つけた、JR松山駅そばの一番安い宿はとれなかったのですが、その次に安い宿にして場所を調べたところ、どうも松山市の一番の繁華街にわりかし近いところのようで、こちらのほうが自分の計画的に便利なようだとわかってえがったえがった。

そういうわけで、今夏の「遠くへ行きたい」の目的地は松山市と定めて、いまはあれこれ、調べたり思い描いたりしてるんるんたのしく過ごしています。

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