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The One, The Only, The Best... Jeff Beck

去年リリースしたJohnny Deppとのアルバム『18』を楽しく聞いていたし、向こうではツアーもやっていたので、今年来年辺りにまた来日してくれて、ライブを観に行けるかなと楽しみにしていた矢先…。

Jeff Beck、急逝…。

悲しみ…寂しさ…大きな喪失感…。

好きなミュージシャン、影響を受けたミュージシャンは沢山いるけど、数少ない、直にもの凄く影響を受けたミュージシャンの1人、Jeff Beck書き綴り。

『Jeff Beck's Guitar Shop』

Jeff Beck's Guitar Shop

Jeffを初めて聴いたのは、確か小学生の頃、兄が持っていたアルバム『Jeff Beck's Guitar Shop』だったと思う。

まだギターも弾いていなかったので、Jeffのカッコよさ、凄さ、面白さは殆ど分かっていなかったけど、面白いカバーアート、テレビCMで「Stand on It 」が流れていたり、幻想的な曲があったり、曲というよりサントラみたいだなーと感じていた。

子供の頃から映画を観るのは好きでサントラも自然と好きだったので、歌のないインスト音楽も違和感なく聞けて、叙情的な雰囲気などが無意識に好きだったのかもしれない。

今でもこのアルバムを聴くと、子供の頃に聞いていた感覚が蘇るし、Jeff Beck、Tony Hymas、Terry Bozzioの3人が作る緊張感ある、テンション高い、独特な音世界はホント特別で、すごく印象に残っている大好きなアルバム。
全曲好きだけど、特にお気に入りのトラックは『Behind the Veil』『Where Were You』『Two Rivers』辺りかな。

(余談で音楽に目覚める前、子供の頃から映画を観るのは好きで、自然とサントラが耳に入ることが多かったので、自分の音楽ルーツの一つは映画のサントラ等のインスト音楽かもしれないなあと改めて思った)

Tony Hymas, Jeff Beck, Terry Bozzio. Jeff Beck's Guitar Shop member


『Universal Amphitheater, Los Angeles, CA, USA, February 23, 2001』

You Had It Coming

ギターを弾き始めて、色々な音楽を聴いて、ギターの練習をして、音楽のお勉強をしたりして、Jeffの音楽を色々と聴いていくうちに、Jeffのカッコよさ、凄さが少しづつ段々と分かるようになってきて、そして遂にJeffのライブを初体験。

2001年2月23日、Universal Amphitheater, Los Angelesにて、アルバム『You Had It Coming』ツアーでのライブ。

これまで結構沢山のミュージシャンのライブを観てきて、特にアメリカ学生生活の間にはジャンルを問わずかなりの数のライブを観たけれど、今のところ、生きてきた中で1番感動したライブが、このUniversal AmphitheaterでのJeff Beck。

あの1音の表現力、逸脱した表現、圧倒的な存在感、空気感、カッコつけて上手く弾こうとすれば出来るのにそれはやらずに人を食ったようなパフォーマンスと演奏、歌のないエレキギターの音世界で満員のホールを魅了するJeff…。

世の中には凄いギタリストは山のようにいるけれど、束になってかかっても、この圧倒的な個性、表現力には敵わないな…
こんな音を出して表現しているのはこの人だけだな…
と、もの凄いショックを受けて、大袈裟ではなく、感動してマジで泣いた。ライブ後、あまりの衝撃からしばらく席から立つ事が出来なかったな。

以後、Jeffのライブは必ず観に行くようになり、トータルで10回くらい観たかな。何度体験しても行くたびに魅了されて、幸せな時間だった。

2014 Japan Tour
2015 Japan Tour
2017 Japan Tour
2017 Japan Tour


『TWINS』

Twins Soundtrack

もう一つショックを受けた出来事が映画『TWINS』。

ギター弾き始めるずっと前に映画『TWINS』は見た事はあったんだけど、アメリカで学生生活を送っていたある日の昼間、テレビをつけたら『TWINS』が再放送していた。

懐かしいなー、確かアルバム『Guitar Shop』時のメンバーがサントラに参加してるんだよなーなんて思いつつ、1度見たことがあるので特に真剣に観ていたワケではなく、他の作業をやりながら何となく観ていた。

画面は見ずに音だけ聞きながら作業しつつ、映画の中盤でバーでのダンスシーンがあり、バラード曲が流れる。曲の真ん中でソロが始まった。あーSaxソロか、カッコいいSaxのソロだなーと思い聴いていたんだけど、あれ、よく聴くとそれはギターソロ…。
この人、ギターで他の楽器や他の音を表現してる…。
こんな音の出し方があるのか、こんな表現があるのか…と、もの凄く驚いた。

この出来事以降、Jeffのアルバムをまた改めて色々と聴き返したりして、表現力の多彩さ、凄さに感動しまくった。

映画には『Guitar Shop』時のメンバーでサントラに参加しているし、バーでのハウスバンド役でJeffとドラムTerry Bozzioも実際に出演している。
映画の中でのギターソロとサントラでのギターソロが違うので、聞き比べるのも面白いかもw。


Thank you Jeff…

Jeff Beck's Guitar Shopリリース時のヤンギ。子供の頃から読みまくって、特に印象に残ってるJeffの姿。

Jeffを聴いてきて個人的に感じた事、それは…

『2、3音で人を魅了する事が出来なければ、どんなに音数を増やしたり、テクニカルな事をやってもあまり意味がない』

『テクニカルなことを追求する前に、目一杯イマジネーションを働かせて表現力を追求し、高める』

『昔やったことを繰り返したり、焼き直すようなことはしたくない、常に意義のある新しいことをする、しないと意味がない』

『Jeffがギターで他の楽器や他の音なんかを表現して演っている事を真似をしても意味ない』

…など色々とあるけど、1番好きなところは…

『カッコつけて上手くやろうと思えばいくらでも出来るけど、そうじゃなくて人を食ったような、こ馬鹿にした様な感じでユニークに演る』

そーいうめちゃくちゃ真剣に追及しながら、ふざけてる様なところが凄く好きなんだよなあ。

この先、Jeffの新作やライブ演奏がもう聴けないのは、もの凄く悲しいけど、これからもずっとJeffが作った音世界に浸りたいと思う。

The One, The Only, The Best… Jeff Beck

エレクトリックギターの表現力において地球上1番凄いギタリスト、Jeff Beck

ありがとう Jeff
Thank you Jeff

Masaya

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