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地方文学賞の闇2 阿波しらさぎ文学賞の終焉

お粗末な終焉


新聞のリンクを貼ろうとしたら、有料記事にしていやがりました。誰も買ってまで知ろうとはしないだろうから隠匿目的を疑ってしまう。

徳島文学協会と徳島新聞社は、全国公募の掌編小説コンクール「阿波しらさぎ文学賞」の作品募集を、2023年の第6回を最後に終了します。 目標としてきた新たな書き手の発掘に一定の成果が得られたため、一区切りつけることとしました。 賞は、芥川賞作家の吉村萬壱さんを選考委員に迎えて18年にスタート。作品に徳島の地名や文化、歴史、産業などを織り込むのを条件とし、地域活性化を後押しする狙いもありました。

 第1回大賞に選ばれた大滝瓶太さんの「青は藍より藍より青」、選考委員に芥川賞作家の小山田浩子さんが加わった第3回、蕪木Q平さんの「あまいがきらい!」をはじめ、個性的な作品が次々と登場し、全国的な注目を集める賞となりました。

 応募点数は第4回の516点を最多に、毎回400点を超え、海外からも作品が寄せられました。

                ◇

 これまで支えていただいた、すべての方々に感謝し、お礼申し上げます。ありがとうございました。
           2023/12/19 阿波しらさぎ文学賞終了のお知らせ

徳島新聞2023年12月19日発行

とにかくきれいごとで片付けたいという思いがミエミエですね。
ついで小山田氏のツイート全文。超長文。

【阿波しらさぎ文学賞について】
徳島新聞社から発表がありましたとおり、阿波しらさぎ文学賞は第6回をもって終了することが決定したそうです。

この決定は、私から望んだり要求したものではありません。とても悲しく思っております。

このような事態になってしまった経緯は本来主催者(徳島新聞社・徳島文学協会)が説明するべきだと思いますが、その予定はないと聞いておりますので、私が説明いたします(主催者には了承を得ております)。
長くなりますがお読みいただけますと幸いです。

12月頭に吉村萬壱さんより、徳島新聞社が私に経緯を説明したいと言っている、と連絡がありました。これを受け、12月13日、広島にて徳島新聞社の方と吉村萬壱さん、私と夫で会話の場を設けました。

そこで聞いた内容を踏まえたこれまでの経緯は以下のようになります。
①主催者(徳島新聞社・徳島文学協会)が「小山田浩子が選考委員ではこれ以上の応募者増加や反響は得られない」と判断し選考委員の交代を決定。

②主催者(徳島文学協会担当者)が小山田に①の理由を伝えないまま選考委員解任のみを通達。これを受け、10月13日小山田は選考委員降板をSNSで発信。

③(SNSの反響を受けて)徳島文学協会担当者が「解任について小山田は理解・承諾済みである」というコメントを出したいので許可してほしいと小山田に依頼する。

④小山田が「理解・承諾を求めるなら(自分にとってネガティブな理由でもいいので)説明してほしい」と要求するも、担当者は謝罪するのみで要求を無視。

⑤主催者に対する不信感から、10月23日小山田が主催者側との対話を終了する旨SNS発信。

⑥主催者が新選考委員を決定できず、賞の中止を決定。

①で示されたような理由を作家本人に伝えるのが礼儀上難しいというのは私ももちろん理解できます。実際私は、理由がはっきりしなかったとはいえ、降板自体は即、受け入れて告知しています。

問題を大きくしたのは③④で、SNSの反響を沈静化させたい担当者が、私の心情を考慮しない行動を取ったと言えると思います。無視ではない対応を取ってくれていれば、コメントを出すことに同意できたと思います。

結果⑤に至りました。その後約2ヶ月間動きがありませんでしたが、徳島新聞社は、この件を文学協会担当者に一任しており、また「新しい選考委員(小山田よりも世間的に人気のある人物を予定していたそうです)の就任が発表されれば、小山田も察するところがあるだろう」と考え、静観していたそうです。
ですが、SNSの反響も影響したのかは分かりませんが、新選考委員は決まらず、賞の中止が決定したということでした。
なお、文学協会担当者からは現在に至るまで私への連絡はありません。

以上の経緯については、吉村萬壱さんと徳島新聞社とは広島において対面で、また徳島文学協会担当者とは吉村さんを通じて電話で、互いに間違いないことを確認しております。

阿波しらさぎ文学賞の選考に、私は2020年の第3回から計4回参加しました。各回20作前後の最終候補作を読み、吉村萬壱さん、主催者(徳島新聞・徳島文学協会)と協議し受賞作を決めてきました。
毎回真剣に、かつ楽しんで候補作を読み話し合いを行ってきたつもりです。
この経験自体は私にとってきわめて大切なもので、忘れがたい候補作がたくさんありました。このような場を与えてくださったことについては、主催者に感謝しております。今年は初めてオンラインではなくリアルでの授賞式に参加することができ、今回のみならず過去の受賞者の方にも何人もお会いでき、お話しできて望外の喜びでした。
私は賞がなくなることは全く望んでおりませんでしたし、選考委員の解任にも異存はありませんでした。もっと人気がある人にという交代理由も、主催者の判断としてこちらが反対する筋合いのものでもありません。
ただ、そういった理由をなにも知らされず、ただ決定したことだから解任、としか伝えられていない以上、私は「理解」「承諾」することはできない、とお伝えしただけです。
それがこのような結果になったことは本当に心底残念です。ご心配をおかけしてしまい、心苦しくも思っております。

この件についてこちらから申し上げることは以上です。
主催者に求めるものもなにもありません。
できましたら、今後、この件について、私になにかお問合せくださることはご遠慮いただけますと助かります。

最後になりましたが、賞に関心を寄せてくださったみなさま、受賞者の方、いままで賞に応募してくださった方、応募を検討くださっていた方、受賞作をお読みくださった方、そしてこの件をご心配くださった方、吉村萬壱さんには深く感謝申し上げております。
ありがとうございました。
小山田浩子

戦争反対。虐殺反対。民族浄化反対。絶対絶対反対。
午前8:01 · 2023年12月19日

X(Twitter)小山田浩子ポスト

美しくもなんともない幕引きでした。

以下余談のことながら

わたしが小山田氏の超長文ツイートのなかでもっとも驚かされたのは以下の部分。

「徳島新聞社は、この件を文学協会担当者に一任しており、また「新しい選考委員(小山田よりも世間的に人気のある人物を予定していたそうです)の就任が発表されれば、小山田も察するところがあるだろう」と考え、静観していた」

人気作家が就任すれば、小山田氏は自分が不人気作家だから降ろされたことを知るだろう、ということです。
何考えてるんだ? 1に書いたとおり、わたしたちは「その審査員」「その作家」に読んでほしくて作品を送るのである。自分の作風と合っているかどうかは必ず検討する。
流行作家wに審査員をやらせ、有償にて発表を知らせる。徳島新聞を買わなければ予選通過もわからない。一部買うこともできず、試し読み一週間無料もない。
前回、当該文学会員から「昼からは文学会ホームページで無料で読めました」という珍妙な反論が来たが、最初っから無料にすりゃあいいんだよ。なんで昼まで有料なんだ。
徳島新聞社と阿波文学協会は文学賞を新聞の販促活動と位置づけていることが実によくわかる。
こんなわたしでもわかることが声をかけられた作家がわからないはずもないし、自分が就任することで小山田さんを更に深く傷つけることになるのは間違いない。いったい誰がこんなリスクしかない選考委員になるというのか。シマグニオブシマグニは23.4度傾いてぐるぐる回ってるのか。回るのは渦潮だけでいい。

幕引きの仕方もひどかった。結局、もう何もやる気がなくなって、「なら終わりでいいや」っていうことでしょう。
一連の騒動に誠実さのかけらも見出すことはできないまま、わたしはひとつの地方文学賞の終焉をみたのであった。

ものすごく忙しいうえにボヤ騒ぎやら財布紛失騒動で結構な精神的ダメージを受けたために、完結編をあげるのが遅くなりました。
そのうえ、なぜか投稿済みと錯覚し、ふと下書きにこの原稿を発見してしまったので、慌てて投稿する次第です。

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