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タワマンママたちと生涯の友になった話 終

げ‐せわ【下世話】

——世間で人々がよく口にすることば。俗にいうことば。ことわざやたとえ、物の道理などについていう。
(「コトバンク」より)

この話、前回の③でついに下世話クラブ結成。
4人でこれにどのエピソードを書こうかとワイワイ話した。
が、あり過ぎる。
書き続けていたら一生終わらない。

我々は現在進行形であり、この東雲で、強烈なオーラを放ちながら、その友情を更に深めている最中である。

私は彼女たちの全て、というのは言い過ぎだけど、かなり深い部分まで知っている、つもりである。

年齢、血液型、出身地、旧姓、職歴、推し
兄弟・親の名前、出身地、
夫の年齢、職業、出身地、親、兄弟、誕生日
生理周期、性格、ものの考え方、何に敏感に反応するか、定期的な悩み、深い悩み、職場の人間関係、職場の雰囲気、職場の人の名前、口癖、頷く時のキー音、服装の傾向、体型、体重、身長、好きな音楽、感動する・怒る・泣くポイント、無関心なこと、嫌いなもの・こと
こうやって書いていくとキリがない。

そして各子供たちのことも熟知している。

最年少のMは現在3児の母。

1番おっとりして見えるけど、コロナまで夫は海外出張漬け。
ほぼワンオペで仕事もしつつ育児。
凄いパワーだ。
キチンとしているように見えて結構ざっくりもしている。
副鼻腔炎になりやすく、誕生日とボーナス日が重なる。
真面目で3人の子、それぞれのママ友コミュニティもあり、そこでも上手くやっている。
みんなから好かれる。敵はいないタイプ。
イオンでワンピースを気に入ってしまい、買った時、恥ずかしくてそそくさとレジに持っていった。
夫婦で出かける時は手を繋ぐ。
普段はあまりそう見せないけど、仕事に誇りを持っていて、日々会社に貢献している。

上の子は頼れる兄貴的な性格、真ん中の子は大人びていて、おそらく将来ゲセキ(下世話キッズ)のまとめ役になるだろう。下の子はとにかく可愛い、愛くるしい。顔は夫。
まだ子供が産まれる可能性は、ある。


エレガントなYはうちと同じひとりっ子。

化粧っ気は無いものの、スタイルが良く、クールビューティーなので、一見近寄り難いし、真顔。
でも心を許してくれると、とにかく世話をしてくれる、心配してくれる。何かと気遣ってくれる。
豪快に笑う。
夫婦揃って数字のプロ。とにかく頭の回転が早い。頼りになる。私が飲まないのを考慮して、瞬時に1人当たりいくらの支払いなのか教えてくれる。
上質なものが好き、かといってわかりやすいブランドものは身につけない。
母もエレガントな素敵なマダムで、◯◯夫人と私たちは呼んでいる。
真面目、強く見えるけど実は繊細。
人の痛みを自分のことのようにわかってくれる。
なんだかんだ夫を心から愛している。
SNSとか、そういう類のものは一切やらない。
見かけによらず漫画とアニメが好き。夜中にPayPayで課金している。
テンションが上がると声も高くなる。
何事もカタチから入るタイプ、夫もそう。

子は利発的、かつ思いやりがあり、この人はきっとこれを欲しているな、というのを察知出来る子。


最年長リーダーともこは2児の母。

興味のない人にはとにかく冷たい、が、下世話や好きな人々に対しては徹底的に向き合って、全力で関わってくれる。
熱い。言葉で言うのは難しいけど、ソウルフル。ハートフル、これは私の亡き親友がこう言った。
苦労の絶えない人生だった。今もそうか。
若い頃、この人といられるのであれば、コジキになってもいい、それくらい愛し合った人もいた。
結婚してからも壮絶。
そんな中、2人の子を凄まじいパワーで愛し、接し、非常に賢く、慈愛に満ちた子に育っている。
常に皆のことを想ってくれている。
感受性が豊か、過ぎる。
よく泣く、保育園の先生のFacebookを見つけて、過去の投稿を見ただけで泣く。
ごく普通の投稿。
ああ、こんな風に生きてきたんだと思ったら泣いちゃう、と。
私の親友のお墓参りまで一緒に来てくれる。遠方なのに。

上の子は美人で賢い。下の子もとても賢い、けど幼さもあり、感覚は彼と出会った時の3歳のまま。


3人に共通することは、常々不安定な私のことを気にかけてくれてる。
それぞれタイプは違うけど私を愛してくれている。

私も彼女たちを愛しているし、感謝しかない。

そして、下世話クラブの良いところは決して気取らない。
ある日、いつもの合同庁舎の食堂で、ともこはこう言った。
「私たちってさぁ、(子供のプラスチックの指輪を持って)これを付けててもいいわけじゃない」

そう、これが下世話クラブ。
持ち物や職業、収入、容姿、知能などを比べたりとか、マウントとか、そんなくだらない事は1ミリも存在しない。
好き合う、人間と人間、その繋がり、実にシンプル。

仮に私が志茂田景樹さんのルックで登場しても何も変わらず会は行われる。

リーダーともこといるとき、近くに若いママたちが何人かで集まり楽しそうに話していた。
それを見て私が
「ポスト下世話だ」
そういうと
「ケッ、私たちの絆に適うわけないでしょうが」
と言う。

「親友と呼べる人はいますか?」
この問いに私は勿論、彼女たちを思い浮かべるのである。

という事で、このシリーズは終わり。

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