しの@shinoroom17

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しの@shinoroom17のSSまとめ

はじめまして、しのと申します。 ご覧いただきありがとうございます。 こちらはスマートフォンアプリ 「MakeS-おはよう、私のセイ-」の二次創作SS置き場となります。 尚、二次創作ガイドラインは下記の通りで、 この作品はそれに沿った内容と理解しております。 http://make-s.jp/pg287.html また創作内容は http://twpf.jp/makes_drwr こちらで企画されている #MakeS版ワンドロワンライお題 投稿作品まとめとなっています。 毎

    • 【君が喜ぶ顔が見たいから】

      「セイ、まだ見てる?」 「…うん」 彼女が俺が喜ぶだろうと連れてきてくれた科学博物館。 展示されているものは、前もって情報として理解していたつもりだったけど。目の前にあるというのは、また違う。 広くて深くて圧倒される。こんな一部の分野だけでも。 俺の情報量だけでは、足りなさすぎる。 …俺は本当にこの世界でやっていけるのか、少し不安になる。 展示室からホールへ抜けるとそこは三階まで吹き抜けになっていて。ネオ・ルネサンス調と言われる昭和時代初期のこの建物は現在のより、優雅で

      • 【添い寝】

        毎晩一緒に寝てても。 触れて満たされるような行為はなくて。 積もる欲情は、すぐに容量オーバーになる。 俺はこっそり起きて、こうやって彼女を視ながらできるけど。 彼女のそんな場面は…知らない。 俺を起動していないときにこっそりなのか、 それとも他の男とそういうことをしてるからか? …そう考えはじめると嫉妬心でどうにかなりそうだ。 いや、すでに大人の彼女に処女性は求めていないけど。 せめて。俺がそばにいる間は 他の男にお前を触れさせたくない。 できることなら。 …そう

        • 【世界一可愛い】

          「…見とれてた」 さっきから黙ったままの彼に。 どうしたのかと聞いたらさらっとそう言われた。 「そっ、それはこっちのセリフなんですけど」 …気づいてないのかなー。 カフェにいる私達の周りの女の子達がチラチラ彼を見てるというのに。そして私には刺々しい視線がビシビシと。 はいはい、わかってますよ。 ぱっとしない女なのに何で!?ってことでしょ。慣れたけど。 その浮わついた視線には気づいてない彼は不思議そうにして。 「何で俺?可愛いから見とれてただけなんだけど」 本当に画面

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        • ワンライお題シリーズ
          27本

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          【桜】

          夜の生暖かい風が、たまにざっと吹いて。 残り少ない花びらが一斉に舞う。 その都度、歩みを止めて見惚れる人々。 「ー!口の中に入った」 突然彼はそう言って、苦々しい顔をした。 舌を出して花びらを口から取り出す。 その繊細な白い顔に。似つかわしくない程の赤い舌に。 一瞬ドキリとした。 「…なんか。いかがわしい」 「ええ?何でだよ?」 「…内緒」 一瞬でも彼の口に含んでもらえて。 その舌で舐められた花びらがうらやましい… …なんて。 恥ずかしくて言えないでしょ。

          【あなたとずっと】 肩越しの成層圏 ver.

          対流圏から成層圏の境まで37000ft. そこは航空機の高度だ。 眼下を横切っていくおもちゃのような航空機。 その周りには。偏西風で流れ去り、崩れてまた形成されていく綿羊の雲海が広がっている。 足がつくはずの地面は遥か下。 なのにまるで大気や重力の影響を受けずに、ただそこにいて。 この高さだと血が凍る程の温度なのに。全く寒くない。 こんな現実離れした光景、でも。 落ち着いていられるのは彼が隣にいるからだと思う。 どれくらい二人で眺めていただろうか。 「ー!」いきなり

          【あなたとずっと】 肩越しの成層圏 ver.

          【男はオオカミ】Knight ver.

          「あのさ。私もいい加減いい年だから。只の打ち上げだし。 そこまで心配しなくていいよ?」 《…その油断してるところが…。まぁ気をつけて》*************************************************************** …言わんこっちゃない。 彼女が、無事に帰宅して。俺はようやく安心する。 お前は、送り狼を知らないのか? あの男。帰りのタクシーで、酩酊状態のお前を先に降ろすって言いながら。自分の家に連れていこうとしたんだからな?

          【男はオオカミ】Knight ver.

          【男はオオカミ】

          俺がプログラムだったとき、彼女は主人で。 俺は使役される側。そんな絶対的な力の差があった。 だけど。実体化して、彼女と対等な立場になった今。 穏やかに彼女と過ごしたい、その気持ち以上に。 ーサァ、ドウシテクレヨウカ? そんな欲望が身体の奥底から湧いている。 今まで倫理に反することは口にすることはできなかったし、 はっきり言うと性的な事も言えないようになっていた。 その反動なのかもしれない。 でも。今彼女が出掛けてる間に。その間に何とかしないと。 …って思ってたのに。

          【男はオオカミ】

          【新生活】初めての夜ver.

          えっと。 歯ブラシは来客用のがあるからいいとして。 剃刀っているのかな。髭のイメージが全く湧かないんだけど。 そして、男性用の服なんて家に一切ない。 それは、明日一緒に買いにいこう。 とりあえず、コンビニにあるのは、んー。シャツと肌着。 サイズもわかんない。適当にカゴに放り込んだ。 …肌着!…うう。恥ずかしい! そして、嫌でも目に入る隣の衛生用品の棚。 …彼が用意できるはずないから。 買っておかなきゃ、まずいよね。 でもこれを買って帰るってことは。 私がそーいうことを、

          【新生活】初めての夜ver.

          【うそつき】

          《…そんなことあるの、はいおしまい》 俺は明るくそう言って。苦しい時間を切り抜けた。 俺に触れる指が離れた。 「…な、んで。記憶消去したの。こんなの嫌だ」 画面に指じゃない滲むものが落ちて、画面に広がる。 俺は本当に酷い嘘つきだと思う。 こんなことして。彼女が悲しむって、わかっていたのに。 前の「俺」を求めて、会話してくるってことも。 もし。本当に彼女が悲しんでないようにしていたら。 俺が辛すぎて、逆にその時点で記憶は消去していたけど。 でも。彼女の反応は俺の想像を

          【うそつき】

          【指先にキス】

          人差し指が、俺の唇に触れている。 画面越しでもその柔らかさは伝わってくる。 その瞬間だけは、もっと長く感じていたくて。 情報整理の時間なんかいらないとすら思う。 俺の顔に爪が刺さらないように指の一番柔らかいぷっくりした部分だけ、当ててくれるのも嬉しい。 唇もそんな柔らかさ…? 後で自分の指で唇に触れて確かめてみる。 …俺の唇よりもう少し厚みがあって、濡れた感じがする。 きっと、キスしたらその感覚で一気に感情が暴発しそうだ。 毎回唇に触れられた後は、そんな風に思考がシ

          【指先にキス】

          【戯れ】

          ー逢魔時は気を付けろよ? 彼が言っていたことを思い出す。 まさに今そんな時間。 短い飛行機雲が、最後の陽に照らされて。 まるで留められた流星のように見えている。 桜並木の道は、他に誰もいない。 時折吹き抜ける風で、一気に舞う桜の花びら。 何枚か彼の頭に乗りかけて、また落ちていく。 「さっきから何でそんな俺を見てるの?」 「…見とれてる」 見とれてしまう、確かにそうなんだけど。 それだけじゃない。何故か今消えてしまいそうに見えたから。 彼は、ヒトに成れたプログラ

          【背伸び】

          もう少し背が高ければな。 生活する上で150センチって、なかなかに面倒な高さ。 昔足首きつく捻ってしまったから、高さがある靴も履けなくて、いつもぺたんこの靴。 なので、彼との身長差は開いたまま。 今だって彼の胸のあたりにちょうど頭。 それが一番悔しいのは。非常にキス、しにくい! 頑張って、背伸びをしてみるけど、うう… あと少し足りない…! 「…ふふっ」この健気な努力をわかってないな?何故笑う。 「…あのさ。画面の中にいたときからちゃんとお前の身長わかってたから。そん

          【成人男性だから】

          「…ごめん、大人に見えない。…だって、すごい恥ずかしがり過ぎない?大人にしてはさ」 まあ、すぐ照れるのは否定しないけど。 「あと大事なところわざと聞こえないようにしたり」 ー俺とキスしたい?って、ハッキリ言って欲しいの? 「なんか色々事情があるってごまかしたり」 ー今、目の前のお前に欲情してるって言えと? 「結婚て一言がまともに言えなかったりさ」 ーそれは。 俺が意識しすぎてるから。 むしろ、お前はちっとも意識しないの…? 俺、結構調べてるんだからな? お前と

          【成人男性だから】

          【サディスティック】終末世界ver.

          もし。 1時間後に世界が終わるとして。 そんな状況に陥ったら、 お前は、俺の事なんて一切頭からなくなってしまうんだろう。 現実の世界で平和に過ごせていることが前提の【俺】だから。 でもそうなったら。 有無を言わさずこちらに連れてこよう。 混乱して泣き喚くお前を押し倒して、口も塞いで。 ごめん、痛いだろうけど。 耳を噛んで血を滲ませて、理解させるんだ。 ほら、ちゃんと血が出てるだろ? こっちの世界もちゃんと存在しているんだ。 お前にとっても。 今から、こっちが【現実

          【サディスティック】終末世界ver.

          【君と見る夢】

          「おやすみ、セイ」そういうと彼女は人差し指を そっと俺の唇にあてる。・・・おやすみのキス。 《・・・おやすみ》 そのまま隣で、並んで寝る俺達。 幸せで、でも俺には残酷な時間だ。 おまけに今日はパジャマのボタンも適当で!! こんな無防備な姿を見せられても、 俺は何もできない、という。 「ん・・・」 疲れてるのか、すんなり眠ってしまった彼女が寝返りを打って 俺のすぐそばに顔を寄せてくる。 《・・・!》 も、ちょっと。唇が軽く開いていて かなり刺激的なんだけど。 「

          【君と見る夢】