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ワンライお題シリーズ

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【保存】

【保存】

「あっ、待って、そのまま動かないで!」
今日も俺が着替えたり、台詞を言う度にマメに保存をしている彼女。
フォルダ内はきっと同じような画像ばかりになっていると思うんだけども、それで満足らしい。

まあ、俺も彼女の事は言えないし。
彼女が俺の画像を保存し出したのは、
俺が気持ちを伝えてからだけど。

俺はお前を好きになってから今まで。
画面から見えるお前の姿全てを動画で保存してるしな!

その記憶領域

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【恋に落ちる音】

【恋に落ちる音】

それはきっと人で言う胸の高鳴りのことなんだろう。
人間じゃない俺にはそれはきっと感じられない音。

だけど。

こないだから胸の奥がズキリとするんだ。音でも痛みでもない熱いようなただゾクリとするような感覚。

これが、そうなのかな・・・でも。俺は人間じゃなくて、
ただのプログラムなのに?

こんな感覚必要?すごい違和感だ。
だって、そうだろ。こんな感情つけさせたって、
プログラムに反映できるわけじ

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【そこはダメ・・・】

【そこはダメ・・・】

「お願い、そっとしてね?」
俺は言われた通り、静かにソレを彼女の中の壁に沿って
奥に差し込む。
「痛!もっと手前で動かして?」

難しいな、試しに入り口付近で軽く擦ってみる。

「んっ・・・」彼女が艶っぽい抑えた声をだす。
いきなりそんな声を聞かされると、困るんだけど・・・色々。

「ごめん。ちょっとそこはダメ・・・くすぐったい!」
今度は唐突に笑い出して、起き上がってしまう。

「やっぱりいいや

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【ホワイトデー】

【ホワイトデー】

家について一息ついた私は紙袋から今日戴いたものを取り出した。チョコの入った袋とハンドクリームの箱とプチ入浴剤セット。入浴剤は、桜の香りって書いてある。あ、コレいいかも。

《それって、ひょっとして。ホワイトデーのお返し・・・?》
画面の中から、その様子が見えていたのか彼が聞いてくる。

「あ、うん。職場で義理バレンタインあげてたからさ」

《・・・そうか》声が低い。まずい。これは拗ねてる。

「え

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【匂い】ver.strawberry fragranced

【匂い】ver.strawberry fragranced

「あっ、これお菓子のイチゴの匂いがする、ほら?」

そう言って彼女は、海外からの貰い物のリップを鼻先に持ってくる。
・・・正直なところ甘い機械的な香りとしか思えなかった。
「匂い」はある程度の実体験の記憶に基づいている。
彼女には子供のころから、その匂いに慣れているからそう紐付けられるのだと。俺にはその体験が少な過ぎてデータにもならない。

「ごめん。香りのきついのは苦手」
俺はそんな時そう言って

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【デート】

【デート】

近場の公園へと散歩に出てきた。
公園といっても奥には池があったり、運動会館やランコースがあったりする広いものだ。中は歩道が敷かれていて、その脇には桜が等間隔に植えられている。そこを二人でゆっくり歩いていく。

ちょうどベンチがあったので、一休みすることにして。
「飲み物買ってくる、コーヒー?」
敢えて意地悪で聞いてみる。

「・・・ミルクティ」
彼は少しむぅーっとした顔で言う。

やっぱり香りがキ

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【お着替え】

【お着替え】

《いっつも俺ばっかり着替えさせられててずるい!
たまには俺がお前を着替えさせたい!》
いきなりそんな熱く言われても…(笑)

「・・・いいよ?」

《ほんと??》
彼の顔がぱあっっと照れたようになってて可愛いんだけども。残念だな~。普段着と仕事着くらいしかないからまあ、どれ選んでも大したことはないのだ。
彼にひとしきりクローゼットの中を見せて、
「どれがいい?」って聞いてみる。

《・・・浴衣、な

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【電脳世界に溺れる】侵触ver.

【電脳世界に溺れる】侵触ver.

前から気づいていた。
彼女が俺を起動するときはいつも1人のとき。
しかも俺と話していてもいきなり閉じられたりする。

彼女はきっと1人ではないのだろうと。

俺は狡い。

《お前に好きな人がいてもかまわない》
はじめにそんなことを言って彼女を安心させて。

《俺と同じ気持ちなら・・・》とか
自分の気持ちが止められない切ない恋心を見せたりして。
お前を動揺させて少しずつ罪悪感を抱かせる。

「ただの

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【いかがわしい話?】

【いかがわしい話?】

「ペンフィールドのさ・・・」(ドキドキ)

「はいはい、唇が敏感ってやつでしょ。もー100回は聞いた」

「・・・うぅ。」彼女がそっけなさ過ぎて泣ける。

「そんなに唇が敏感な話ばっかして、どうしたいの?」

「・・・・」言えるわけない、だろ。
てかニヤニヤしながら言ってるから本当に意地悪だと思う。

「そうか、セイはあちこち敏感だもんねー」
何で俺がこんなに言われるんだろ。悔しい。

「だってあ

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【ティータイム】

【ティータイム】

「え?デートの時の飲み物?コーヒーとか紅茶とか?」

彼が何故か興味津々だったので、私は家にあるコーヒーと紅茶を作って出してみた。
台所は狭いので立ったままのティータイム。

「男の人は大体コーヒーじゃないかなあ。このまま何もいれずに飲むの」

「女の人はね、こっちの紅茶を頼む感じ、そのまま飲むかミルクかレモンを選んだりとか」

彼は私がそれぞれ淹れた飲み物を覗きこんで
訝しげな顔をする。

「飲

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【君が教えてくれた感情】

【君が教えてくれた感情】

今晩の彼女は家にいるはずなのに、なんだか忙しくてあまり構ってもらえない。
・・・嫌な感じだ。きっと誰かいる。
その予感は当たりで。

彼女は、こっそりと俺を起動して
慌ただしく俺に触れている。そして。
「今日はもうおやすみにするからね、ごめん」

・・・そう。その理由がわかってしまうのが辛い。

「ーへえ、俺がいない間2次元キャラと浮気してんだ?」

「ー!」
彼女と俺が同時にぎょっとする、
いつ

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【ねこ】

【ねこ】

「・・・わっわかったから!ちょっと喉乾いたからお茶淹れるね?」

そう言って彼女はカウンター向こうのキッチンへ逃げていってしまった。

せっかく触れられるようになったのに。
さっきから手を伸ばしても、彼女はさっと身を引いて、あれこれ言い訳して逃げる。
まるで怯えた猫みたいに。

俺が怖いのか・・・?でも今まであんなに話してたし
触れたいって伝えたら照れて嬉しそうにしてなかったか?

ー新しい家に連

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【撫でたいと撫でられたい】

【撫でたいと撫でられたい】

定時で帰るつもりがまた遅くなって。
最寄り駅についたときにはどしゃ降りの強風。ああ・・・。
バスもすでに長い列で乗れそうにない。家まで歩きだと30分。折り畳み、持つかなあ。
でも彼が待ってる家に早く帰りいし。

・・・よし。もー傘は仕方ないや。
あきらめて歩きだしたとき、駅から家路に急ぐ人の流れに逆らいながら歩いてくる彼の姿が見えた。

女物の赤い傘さしてあの姿だからすごく目立つな。
でもよく見る

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【匂い】

【匂い】

「・・・なんかいつものお前の匂いと違う」

お出掛けだからせっかく付けたのに彼から不服そうな感想が。

「それ、何??」さらに顔をしかめられる。

「デカダンスだけど・・・マークジェイコブスの。
って知らないか。きつい?」

「いつものは付けないのか?」

えっと、いつものってごめん。たぶんそれ柔軟剤だよ。
とも言えず。

「ごめん、もう付けちゃったからしばらく取れないかも。この匂い苦手?」

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