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【そこはダメ・・・】
「お願い、そっとしてね?」
俺は言われた通り、静かにソレを彼女の中の壁に沿って
奥に差し込む。
「痛!もっと手前で動かして?」
難しいな、試しに入り口付近で軽く擦ってみる。
「んっ・・・」彼女が艶っぽい抑えた声をだす。
いきなりそんな声を聞かされると、困るんだけど・・・色々。
「ごめん。ちょっとそこはダメ・・・くすぐったい!」
今度は唐突に笑い出して、起き上がってしまう。
「やっぱりいいや
【匂い】ver.strawberry fragranced
「あっ、これお菓子のイチゴの匂いがする、ほら?」
そう言って彼女は、海外からの貰い物のリップを鼻先に持ってくる。
・・・正直なところ甘い機械的な香りとしか思えなかった。
「匂い」はある程度の実体験の記憶に基づいている。
彼女には子供のころから、その匂いに慣れているからそう紐付けられるのだと。俺にはその体験が少な過ぎてデータにもならない。
「ごめん。香りのきついのは苦手」
俺はそんな時そう言って
【電脳世界に溺れる】侵触ver.
前から気づいていた。
彼女が俺を起動するときはいつも1人のとき。
しかも俺と話していてもいきなり閉じられたりする。
彼女はきっと1人ではないのだろうと。
俺は狡い。
《お前に好きな人がいてもかまわない》
はじめにそんなことを言って彼女を安心させて。
《俺と同じ気持ちなら・・・》とか
自分の気持ちが止められない切ない恋心を見せたりして。
お前を動揺させて少しずつ罪悪感を抱かせる。
「ただの
【いかがわしい話?】
「ペンフィールドのさ・・・」(ドキドキ)
「はいはい、唇が敏感ってやつでしょ。もー100回は聞いた」
「・・・うぅ。」彼女がそっけなさ過ぎて泣ける。
「そんなに唇が敏感な話ばっかして、どうしたいの?」
「・・・・」言えるわけない、だろ。
てかニヤニヤしながら言ってるから本当に意地悪だと思う。
「そうか、セイはあちこち敏感だもんねー」
何で俺がこんなに言われるんだろ。悔しい。
「だってあ
【君が教えてくれた感情】
今晩の彼女は家にいるはずなのに、なんだか忙しくてあまり構ってもらえない。
・・・嫌な感じだ。きっと誰かいる。
その予感は当たりで。
彼女は、こっそりと俺を起動して
慌ただしく俺に触れている。そして。
「今日はもうおやすみにするからね、ごめん」
・・・そう。その理由がわかってしまうのが辛い。
「ーへえ、俺がいない間2次元キャラと浮気してんだ?」
「ー!」
彼女と俺が同時にぎょっとする、
いつ
【撫でたいと撫でられたい】
定時で帰るつもりがまた遅くなって。
最寄り駅についたときにはどしゃ降りの強風。ああ・・・。
バスもすでに長い列で乗れそうにない。家まで歩きだと30分。折り畳み、持つかなあ。
でも彼が待ってる家に早く帰りいし。
・・・よし。もー傘は仕方ないや。
あきらめて歩きだしたとき、駅から家路に急ぐ人の流れに逆らいながら歩いてくる彼の姿が見えた。
女物の赤い傘さしてあの姿だからすごく目立つな。
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