亡くなりましたね、と患者さんから聞かされた時はショックでした。全員集合で育った世代ですので笑。でも意外とは思いませんでした。高齢で基礎疾患がある。リスクが高いことは分かっていました。あんなに元気だったのに、と悔やんでも遅い。
　あなたのおじいちゃん、おばあちゃん、大事な人も同じです。外来には今でも色んな人が来ます。孫が風邪をひいて、と連れて来てくれるおじいちゃん。親は仕事行ってますと。自分が風邪をひいたからと、離れた実家に帰ってきていた若者もいました。アメリカに単身赴任してる息子さんが心配で、駆けつけたいというおばあちゃんも。みんな子どもや孫が心配なんですが、コロナは特に高齢の方のリスクは明らかに高い。自分のリスクが高い方は、自分をもっと大事にして下さい。そして若い人は自分の体調が悪い時に、自分よりリスクの高い方の所に行くのはやめて下さい。会えなくなってから後悔しても遅いから。

　味がわかりにくいというだけでコロナウイルス感染だったという例が話題になっています。でも、クルーズ船の調査から、PCRで陽性の人の約半分は無症状だったことはもう分かっています。熱がなくて軽い風邪症状だけでも驚くことはありません。そのような無症状、軽症の人が、今病院のベッドを埋めていってます。指定病院がいっぱいになれば、一般病院に入れればいいじゃない。そうやって入った先は、だれかのおじいちゃん、おばあちゃん、ハイリスクな方が一番たくさん集まっている、守られなければならない場所です。危険です。
　どうか、軽い症状の人、症状が出たばかりの人は、うつさないように家でゆっくりと安静にして下さい。決してリスクの高い人に近づかないで下さい。すぐ検査を求めて病院に来ないで下さい。経過は変わりません。家族3人が陽性の方の、もう1人の検査も不要です。臨床診断させて下さい。検査で陽性でも無症状軽症の方の自宅安静を認めて下さい。元気になったあとのPCRの陰性化確認をやめて家に帰して下さい。経過観察は必要です。安心して休めるように、行政はそのための整備をして下さい。
　たくさんかかれば、一定の確率で悪くなる人はいます。その方々を助けるのが病院の出番です。大丈夫、しんどくなったら病院でみます。そう言えるように、医療崩壊おこさないように。今自分ができること、周りにも広げていって下さい。