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夢さえ見られないほど現実は世知辛い

私は時々夢を見る。

外交はうまく行っている感じがなく、自分が戦争に巻き込まれるのなんて時間の問題。

仕事に使っているアプリがクラッシュし、中に入っているデータを閲覧できないため、仕事が進まない。

大の苦手な台風が今年はあまり来ないからか、気圧に振り回されて体調を崩すことがなく、早めに寝てしまおうという日が少ない。

起床就寝時間が乱れてしまった。

ここ最近は寝る時に、「なんて時間まで起きてるんだよ」とツッコみ、「なんて時間まで寝てるんだ」と起き上がる。

行きたいところがたくさんあるのに。

会いたい人がたくさんいるのに。

思うようにならないと、分かりやすく心の中が荒んでいく。

世の中のスーパースターは、うまくいかない私のことなんか気にも留めずに先へ行く。

スーパースターと結婚したいわけではないが、もし自分がスーパースターと共に人生を歩むことになったら、と考えることがある。

事実は小説より奇なのだから。

女性が男性を支えるのは時代遅れ、親が許すのは異性婚、自分が共に歩むのは男性のスーパースター前提で考えてしまうのだが、ここでいつもつじつまが合わなくなる。

男性のスーパースターと張れるくらいの勢いを持つ自分でなければいけない。

仮に自分がそれくらい頑張ったとして、私は男性を支えるわけにはいかないから、自立した男性のスーパースターということになる。

その上で、休みの日に並んで散歩をしたり、一緒に映画を見たり。

良いとこ取りなのは分かっている。

それでも時々こうして夢を見る。

夢を見ていた。

私の中に住まうスーパースターの1人が、結婚3ヶ月で離婚をしてしまった。

原因は明らかだった。

私の「良いとこ取り」以外の部分に、完全に追い詰められてしまった。

現実はなんて厳しいんだろう。

努力と才能に恵まれたスーパースターの私生活なんて放っておいてあげれば良いのに。

スーパースターのスーパースターな部分だけをかいつまんで世の中に広めれば良いのではないか。

それができないから、世の中は治安が悪い。

疲れている私の束の間の夢まで、私は見られなくなってしまった。

悔しい。

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