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ジャケギキに行ったはずが

約半年ぶりの原宿。駅前大規模改修工事・明けつつあるコロナ・土曜日、そんな理由から相変わらずの人混み。竹下通りに仕事場があり「歩くと遠いからなぁ」と細道を無理して車で入って、「こっから先は無理だよ!」と教えてくれたあの日のおじさん、元気してるかな。東京生まれ東京育ち、27歳にして竹下通りデビューを果たしたあの日。

それを横目に一本先の路地へ入る。と、後ろから聴き覚えのある声。
振り返るとポッドキャスターさん2名。「おぉっ!。よくわかりましたね~」というような会話。内心この日一番のガッツポーズ。これがリスナー冥利か。

会場は「カフェ」。狭い敷地を上手く使った感じ。この辺の建物はみんなそう(偏見)。坂が多いから地下を有効活用するケースはざらにある。地下1階かつ地上2階、そんな建物多し。1フロア分下る形で行列を待ち、店内へ。

白を基調とした壁に数多の色とりどりのLPボード。ん?そもそも壁は漆喰か?クロスか?一角にはCDジャケットが数多く陳列。店員さんの服装が相対してか黒なのもあり、空間が完成していた。LPボードに描かれた各ポッドキャスト番組のサムネイル。天井をあえて隠さない、見えっぱなしのデッキや空調の配管がほんの少し気になるが、これは職業病じみた所のせい。S造ならではの空間を広く見せる工夫の最たる例。元々の壁の色と店員さんの服の色、飾られた各々のイラストの鮮やかさ、天井を閉じないことによる階高を確保した解放感…。

っと、イベントに来たはずが、仕事脳に(笑)。

一角のジャケットを手に取り、ふと、思い出す。

形は違えど「ジャケットを作った記憶」。

大学の時、サークルの先輩たちに卒業記念として後輩たちから何か「形になるもの」を渡そうということになり、「ビデオレターを撮り、DVD-RWに焼いてジャケットにして渡そう!」というようなことがあった気がする。撮影は回りにやってもらい、編集や焼く作業が自分だったことを思い出した。

「声」が目に見える「形」になる。
逆説的かもしれないし、そうじゃないかもしれないが、自分が似た経験をしたからこそ琴線に触れるものがあったのかもしれない。

カフェではクロッフルなるものをいただく。クロワッサン×ワッフルか?ナイフとフォークが霞むような大口で。原宿らしからぬ行いに今更やや反省。

コンクリートジャングルを生きているせいか、空間・デザインもとい建築・設計に目が向き始めた最近の自分。

気づくとまた天井を見上げて「あれはうちの会社でも請け負えるな…」とか裏方さんの準備風景をX(Twitter)で見て、「レーザーまで使ってるのかぁ…」と。

ある意味別角度からの異質な楽しみ方が出来たのかもしれない。


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