#みの編マフィア小説 【第26夜】虚(うつろ)
草木も眠る丑三つ時。
教会 羅針盤の門の前に、達夜の姿があった。
「…よく来たわね。」
門の影から、一人の女が姿を見せた。
「やっぱりお前だったのか…じゅんちゃん。」
達夜は強ばった声を返す。
「あら、気付いてたの。見直したわ。」
じゅんちゃんは驚いたようにおどけて見せた。
「余計な問答はいい。さっさと本題に入らせろ。」
「…つれないのね。まだ夜は長いわよ?」
語気を荒げる達夜と、首をすくめるじゅんちゃん。
「毎晩のように同じ夢を見る。あの夢のせいでここ最近はろくに眠れもしないんだ。少しでもその理由がわかるなら、教えてくれよ…」
怒ることにも疲れたのか、尻すぼみになる声。
これ以上いじっても何もないと思ったのか、じゅんちゃんは顔を正し語り出した。
「……夢が続くようになったのは、貴方への警告よ。」
「…警告…?」
「そう。なぜなら貴方は…
本来、この世界に居てはいけない人間だから。」
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