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#みの編マフィア小説 【第16夜】みの亭にて

「みんな!今日こそ!ラジオ体操やるよ!!!!」

みの亭の朝は早い。

誰よりも早くジャージに着替え、共用スペースで叫ぶ女。

「ゆきねぇ…今何時だと思ってんの…4時だよ…まだ夜だよ…」

みの亭リーダーのなべサンが消え入りそうな声で応じる。

「何言ってんの!皆が不摂生するからでしょ!こんなんじゃ、何かあった時に動けないよ!」

ゆきねぇが喝を入れる。

「何かってなんだよ…何も起きないよ…」
寝ぼけまなこで答える豆タンク。

「…やっぱり、兄さんとマリアの危惧してた通りだわ…ここは、危機感が足りなさすぎる…」

ゆきねぇの小さな呟きは、誰に届くこともなかった。

ーーー

「ところでブタゴリラ、話ってなんだ?」

昼過ぎ、みの亭を訪ねてきたブタゴリラに、なべサンが問いかける。

「ウッホ!なべサン!リリー…いや、組織の女性達と、肉が食いたいウホ!」

「肉だァ?」

「ウホ!そろそろ俺は女性苦手を治したいウホ!…そしてリリーと…ゴニョゴニョ…」
最後はよく聞き取れなかったが、どうやらブタゴリラは女性に対しての免疫をつけたいようなのだ。

「まぁ、知り合いは何人もいるし、場を設けるのはやぶさかじゃねぇよ。」
なべサンは意外にも好意的に返す。

「ウホ!!!!恩に着るウホ!なべサン!!!」
今にも踊りだしそうなブタゴリラ。

「ブタゴリラくん、来てよかったね(ニコニコ)」
一緒にやってきたブタゴリラの同居人 スマイルも嬉しそうに声をかける。

「スマイル!お前の言う通り、言ってみて良かったウホ!」

「君が嬉しそうだと、僕も嬉しいよ(ニコニコ)」
スマイルは、いつも笑顔を絶やさない。

スマイルは、いつも笑顔を、絶やさない。

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