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日本の小中学校の教育が「単線化」していることと「通信制新設案」について

以前、小中学校を選べないことについて書きました

この記事では、
現状の小中学校が代替となる逃げ道が極端に少ない一本道だということについて書いていきたいと思います。

一本道だからこそ、そこになじめない生徒が不登校にもなるし、
通常学級についていけない生徒が特別支援学級に入らざるを得ないケースも増える。

今の学校は支援校、級の生徒以外にはみんな同じ勉強をさせる方式

今の小中学校では、特別支援学校、学級に行くことになった子供を除いてみんなに同じ勉強をさせる方式をとっています。
個々の理解度や事情を加味せずみんなで同じことをやる。

日本人が横並びなのは学校教育のせいという意見はよくあります。
具体的にどこが悪いのかというと
個々の事情を配慮せず同じ学年の子供には同じ勉強や行動をさせる方式だと思います。
個々に必要なものを選ぶのではなく、みんな横並びで何かをする。

だから、それについていけなくなった生徒は不適応を起こして

*学校に行けなくなる
*荒れる

ということも多々あります。
特に個々の差が開いてくる中学生で問題は顕著になる。

合わないときに違う道があればそちらに行ける生徒もいる。
小中学校にはその道が極端に少ない。

公立の小学校に合わなかったという理由で中学受験をする児童もいます。これが数少ない違う道の選択肢だけど学力や費用が必要で一般化はできない

全員で同じことをやろうとすれば、絶対にそれについていけなくなる人がいる。
「お役所や病院から認定された」ついていけない人には支援級などがあるけど、
そこまでいかない人は実質放置となっている現状。

特別支援学級が存在せざるを得ない理由

最近、発達障害が注目され、特別支援学級が増えたと思います。
(数の推移のデータを見ていないので断言はできない)
それに対して、「障碍者や問題児に対する隔離だ」とか「インクルーシブ教育がいい」という人もたまにいます。
でも、現状のコースわけがない公立小中学校一択状態ではそうせざるを得ない事情があると考えます。

いろいろなニーズごとにクラスを分けることができれば、
特別支援学級が存在する必要もそんなにない。
環境に対して敏感な子供等への配慮として設ける程度でよい。

ただ、今の学校の制度ではニーズごとのクラス分けが認められていないことに加え、40人学級での指導。
そこで個別への配慮をしてくださいなんて物理的にムリゲーといえる。
インクルーシブ教育をするなら少人数学級や職員の増加は前提でしょう。

高校はニーズごとに学校が分かれている。
だから特別支援学級がなくても何とか回っているのではないか。
(それでも無理なら特別支援学校が受け持つ。ただ、中退などの問題もあるので、支援学級があったほうがいいという意見もあります。)

偏差値が低い高校、大学が尻ぬぐいをしている現状

勉強ができない人にお構いなく小中学校のカリキュラムは進んでいきます。
落ちこぼれた人が元のラインに戻るのは思ったよりも難しく、
ついていけなくて嫌気がさして勉強嫌いになったまま中学を卒業する。
その尻ぬぐいをするのが偏差値の低い高校や大学でしょう。
偏差値の低い人だけを集めているから効率的に基礎から教えることができるともいえるけど。

文科省は通信制に反対してるけど。。。

文科省が通信制の導入に反対しているというニュースが流れてきました

https://www.kyobun.co.jp/news/20190524_04/

文科相の話として、
「義務教育段階は、学力、意欲、家庭環境などが多様な児童生徒が在籍している。子供の発達段階を踏まえても、教師が一人一人の特性や状況などをきめ細かく理解して指導する必要がある」

と書かれていますが、現状の義務教育が多様な生徒に対応できていない一本道なのもよくないのでは?
ひとりひとりの特性や状況をきめ細かく理解できるような時間、現状の学校にはないでしょう。
それが最大の問題点。

現に前回の外国人の生徒の話も、現状の一本道の授業では対応が困難だと思う。

通信制を導入するにしても週1日は通学するなどのやり方もあるはず。
不登校になるくらいなら通信制でも学校につながれるほうが良いのでは?
いじめ等だと、地域の学校につながっている機関だと嫌がる生徒も多いでしょうし。
(そこをわかっていないような適応教室などの施策を進めてもなかなか難しいと思う)

不登校児に限定する、子役などの労働はNGなどの条件は必要かもしれません。導入するならそれなりにどう運用するか考えないといけない。それでも最初からだめだとはねつけるのはいかがなものか。

まとめ

口だけで多様性というのは簡単なことです。
そういえば先進的で理解があるように聞こえるからね。
でも、その多様性に配慮できるような環境になっているのかということは別問題で、今の公立小中学校はそこが問題点だと思います。

校則等に関してもある学校とない学校を選べるのが理想的と考えています。
高校では通信制などがそれを実現している。
通信制じゃなくても、自由な校風かつ既存の授業にとらわれない学校を選べる選択肢を置いておいてもいいかもしれない。

みんな同じじゃないといけないということにしてついていけない人を見捨てるのはもうやめたほうがいいんじゃないかな。
ある程度自由な選択肢ができる高校までの9年間はあまりにも長い。
いろいろな形があるべきだと思います。

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