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「親ガチャ」「遺伝子ガチャ」が問題になったのは隠しパロメータが晒される時代だから

「努力で変えられない時代」だというポストを見て思ったこと

そうなった原因は「土俵に立てる人間を判定する機能」が向上したからだ
隠しパロメーターを(昔よりも)高精度で判別する方法が確立された
昔は精度が低かったので「学歴」で判断するしかなかったが、今は違う

土俵に上がっても多くの人間は負けるが、上がれないのはお話しにならず、努力してもそれを覆すことは基本的にできない
上がれる土俵の質や種類は生まれつき8割方決まってしまっている
後からどんなにがんばっても立てない土俵がある、それが可視化されたのが「ガチャ」である
もちろん、土俵に上がった後は努力が勝敗を決める大きな要因だ
ウサギみたいに能力にかまけてダラケていたら勝てない

だが、その前段階で脱落させられる人が増えた
大学受験で言うところの「足切り」がこれに近い概念だろうか

隠しパロメーターが晒される時代

ポケモンに「個体値」という隠しステータスがあるが、
それが良くないと対人戦で使うことは難しい
ネットが発展し、時代とともに個体値は隠しステータスではなくなった
もちろん高個体値であってもほとんどのポケモンは厳しい競争に敗れていくが、個体値が低いのは「論外」

これは人間も同じ状況だ
仕事の能力などに関係する隠しパロメーターが晒されつつある
よって、使えない可能性が高い人材を見極める能力が向上している
それを使って効率よく採用したいと企業は考えるだろう
=できない可能性が高いのを雇っても損失なので、最初から雇わない
現代の就活ではそれが水面下で行われており、筆者が誰も見ない無料ブログで活動を始めた10年前に比べても状況が変わっていると感じている

隠しパロメーターだった時代は、それを基にした選考はされず、たまたま結果に差がつくという形だった
公然にパロメーターの存在が晒されると、それがあることが前提で競争が行われ、定義や判断基準が昔より厳密になる

オグリキャップはなぜ現代に誕生しないのか

(ウマ娘知識なので正確でなかったらすみません・・・)
平成初期にアイドルホースになった「オグリキャップ」という馬がいる
オグリは岐阜の地方競馬の出身で、能力を認められて中央競馬に移籍し、活躍した
オグリの前には、同様に地方から移籍したハイセイコーというアイドルホースもいた

しかし、現代は彼らのような存在が出る可能性はかなり低い
土俵に上がれる馬を判別する方法が向上し、血統が良くなくても能力があるかもしれないと判断された場合、中央からデビューするようになったらしいからだ
それでも、約半数の馬は勝てないが、
地方競馬出身が後から活躍することはまずない
良くも悪くも、早いうちに「ネタバレ」が発生しやすい時代になったのだ

向いていない=土俵に立てない

「向いていない」という言葉があるが、これは土俵に立てないことを意味する
東大受験、医学部受験に向いていなければ、どれだけお金をかけて予備校に通って頑張っても、残念ながら合格することはない
残念ながら筆者はこれらには向いていない(だからと言って向いていることがニート以外にないのが現実だが)

医学部の場合親の金でシビアさがかわるが、これもガチャといえよう

某スポーツの子供への指導員をしている男性のコメントが印象に残っている
『ここ数年でうまい子どもが増えた。その理由は向いているかどうかを親が判別して通わせるかどうかを決めているから』

明らかに向いていない子供が通うことがなくなった、ということだ
向いていないことでどんなにあがいても「無駄」な時代が来ている

進路選択とは乗る土俵を選ぶ作業である

土俵にもいろいろな種類があるし、上がる難度はそれぞれ違う
太郎さんはAの土俵には不適だがBならいける、次郎さんはその逆というケースもある
一般人の場合、上がりさえすれば途中で負けても健康なら生活はできる土俵が多い(解雇規制のせい)
芸事、企業の場合はそうもいかないのだけど

もちろん、上がろうとする意思は必要である
仮に理系に適性があったとしても、文系に行ってしまえば上がれないからだ
乗ることに年齢制限がある土俵は多い

乗る土俵を選ぶ作業が「進路選択」だといえる
ここで能力的に乗れない土俵を選んでしまうと詰む
文系の残酷なところは大学4年間とその後の就職の性質がかなり違う事だ
基本的に高校教師や受験に携わる人は前者しか見ていないのでミスマッチが発生する

体育会系が強いのは土俵に乗っていれば、勝てなくともそれを認めてくれる(スポーツに関係しない)就職先が現れる可能性が高いことだろうか
つまり大学終了時点で別の土俵に乗り換えることができる

なお、学歴や学力の高低と土俵に乗れるか否かは別問題
学歴が低かろうと自分に合った土俵を選択して活躍している人もいる
逆に、学歴が高くても乗れる土俵が無くヒキニートになる人もいる

発達障害と診断される子ども/人が増えた理由

おそらく(重度知的障害ではない)発達障害が増えたのは「土俵に上がれない」と判別される子供や人が増えたからだと思う
普通のサラリーマンでも、学校生活でも、エッセンシャルワークでもあらゆる土俵に上がれなければ、詰む
そうなりうる、もしくはなった人のうち、規定を満たす人につけられるのがこの診断名なのだろうと思う

発達障害という枠組みに入らなくても労働に向いてない(土俵に上がれない)人もいるのだけどね

障害者雇用は不利な条件である障害者(発達含む)を土俵に上げるためにあるのだが、それですらその中で相対的に条件が良い人がかっさらってくという現実もある

(追記)
就活で必要な隠しパラメーターは、コミュ力、体力、処理速度、要領などである
それらが活躍するには必要だと判断された結果、シビアに見られることに
昔の就職に比べれば、コミュ力等を判断できる制度も上がったと思われる
今は真面目なだけじゃ採用されない、不真面目に生きた適性のある人に逆転されることもザラだ
発達障害は旧来隠しパロメーターだったが、採用側にそういう種類の障害があると明確に認知されてしまった結果、あぶり出されるようになった

年内入試が拡張した理由

年内入試が拡張した理由(今の大学は総合型や推薦だので年内で入試を終える人がそれなりに多い)も土俵理論で説明可能だ

既存の大学入試では、「成績が悪いのに就職強者」という人はFランク大学に行くしかなかった
それを救済することを目的のひとつにしている可能性が高い
就職強者は多少成績が悪くても欲しい、ということだ
他に、大学の経営的な理由などの理由もあるが

ただ、これでFラン大学から就職強者が消える可能性が高い
名実ともに「指導困難高校大学部」となるだろう

共通テストの処理速度重視型も土俵に立てない人材(社会では処理速度が大切)を排除する目的があると考える

まとめ

今の世界では生得的能力の重要性が露骨に高まったし、その能力の判別方法が向上しすぎてしまった
就職で重要なのも学歴だけではなくなっている
土俵に立てる生得的能力がある普通学歴のほうが、適性の低いガリ勉東大文系よりも強いのだ
これを学歴フィルターがなくなった、人手不足のせいだと解釈する人もいるが、実は違っていて、判断基準が変わっただけ
※現状、人手不足は肉体労働、接客またはブラック労働のみと考えている
10年後はまた別だが、現状では

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