次世代のために何ができるか?

私はこれまで、六冊の本を書かせて頂いた。どれもジャンルはバラバラ。部下の育て方、子育て、イノベーション、思考法、食料安全保障、そして今回の哲学思想史・・・とりとめがないというか、いったい何をしてる人間なのか。本のラインナップを見ても、何を専門にしてるかわかりゃしない。

ただ、どの本も一貫して一つのテーマを追究しているつもり。

次世代ために何ができるか。

どの本も、そのテーマを追究するために書いてきたつもり。
私には二人の子どもがいる。彼らが成長したとき、笑って楽しく生きられる社会であってほしいと願っている。

しかし、状況はかんばしくない。石油は埋蔵量だけはまだあるものの、採掘する時に大量のエネルギーを消耗するようになり、黒字のエネルギーとして採れない時代が近づこうとしている。しかし大型トラックや農業用トラクター、飛行機、船はいまだに石油でないと動かせない。

私達は1kcalの食料を作るのに2.79kcalものエネルギーを消耗している。「コメは石油でできている」と言っても過言ではない状況。脱石油は本当に可能なのだろうか?と危ぶみたくなるような状況。しかし次世代が破局を迎えずに済ませるには、なんとかして軟着陸させる必要がある。

私達はいま、どんな状況に置かれているのか?そうした地政学的な「ヨコ」の状況をお知らせするために、5冊目の本「そのとき、日本は何人養える?」https://x.gd/oV2Ol
を書いた。わかりやすくなるように日本をテーマにしたが、描いたのは世界の状況。日本だけでなく、世界中がその状況に追い込まれている。

今回執筆した「世界をアップデートする方法 哲学・思想の学び方」https://x.gd/MWrKc は、前著のヨコに対して、歴史をたどる「タテ」を描こうと試みた。二冊を読めば、次世代の人たちが、3次元的に自分の立ち位置を確認できるように、と考えて。

最初の本「自分の頭で考えて動く部下の育て方」https://x.gd/6gSZb は発刊当時、「部下は指示待ち人間ばかり、能力ある人間なんて一握り」と捨て鉢になり、部下を育成する気を失った上司が増えてることを懸念して書いた。次世代が「上司のお陰で今がある」と感謝できる社会になるよう願って。

二冊目の「子どもの地頭とやる気が育つおもしろい方法」https://x.gd/dN0Ej は、やたらと大人が「〜してあげる」ことによって、子どもから、能動的に動き、学ぶ楽しみを奪っていることを懸念して書いた。今の親御さんたちと次世代の人たちが、楽しんで子育てできるようにと祈りながら。

3冊目の「ひらめかない人のためのイノベーションの技法」https://x.gd/G6TT0 を発刊した当時、創造的な仕事ができるのは天才のみ、天才はお金で優遇、愚かな庶民は低賃金に甘んじて邪魔をするな、という論調が強かった。私は凡人でも創造は可能であることを示し、次世代に希望を伝えようとした。

4冊目の「思考の枠を超える」https://x.gd/a1X4i は、十代から二十代の頃、己の不器用さに苦しんでいたことを思い出し、そこから少しでも抜け出しやすいように、と考えて書いた。年をとっても、自分の作った牢獄に閉じこもりがちなことにも警告を発し、次世代の参考にしてもらおうとした。

どの本も、次世代のために何ができるか?を常に書いてきたつもり。次世代は、何もかもに恵まれた奇跡的な時代を生きた私達と違って、苦難の時代を生きることになる。その中でも、何を大切にする必要があるのか、事態を突破するのに必要な力は何か、その参考になるようにと思ってまとめた。

しかし私の書いた本に「答え」があるわけではない。どの本も、毎日の日常の中から、何を見い出せばよいのかの「ヒント」だけを示したもの。ヒントを参考にして、自ら答えを見つけていかなければならない。答えは常に目の前の現実の中にある。本の中にあるわけではないのだから。

次世代の人たちが、笑顔で、楽しんで生きていける未来でありますように。そうした未来を切り開くには、多くの人々の力を借りるしかない。ぜひ、皆さんのご協力を賜りたい。次世代のために何ができるか、一緒に考えて頂きたい。

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