こちらに悪印象を持ってる人との関係性

関係性から考えるものの見方(社会構成主義)、たぶん11弾目くらい。
初対面なのに私の言葉を全部悪くとり、批判する人と出会った。一つ一つ反論できなくはないけど、恐らく反論すればするほど言い訳だと批判されそう。私は自分が話すのを諦め、相手の話を聞いてみることにした。

どんな研究をなさってきたんですか?それはどうやるもんなんですか?どんな工夫をするとよいのですか?と、どんどん質問した。専門外なので知らないことばかり。へえ!知らなかった!勉強になるなあ!と驚きながら、興味関心を示しながら話を聞き続けると、相手の態度が軟化して、なんだか楽しそうに。

小一時間も話をすると「誤解していた」と。実は会う前に悪いウワサというか、悪口を聞いていたから懲らしめてやろうくらいの気持ちでいたのだ、と話してくれた。誰から悪口を聞いたのかも白状してくれた。そして「何か理由はあるんだろうけど、篠原君だけか悪いということはないだろうね」と。

もし私が、敵対的な態度を最初からとってる相手に腹を立て、対抗意識を燃やしていたら、相手は「ほら、あらかじめウワサで聞いていた通りだ」と相手は一人合点し、私の印象は悪いままで終わっただろう。私が逐一反論してもその状況を変えられなかったろう。

けれど、私は自己弁護するのをやめ、相手がどんな印象をこっちに持ってるかはみんな任せてしまって、相手がどんな人なのか興味を持つ、という「関係性」にシフトしてみた。すると、自分に興味を持ってくれ、自分の事績に驚き、面白がってくれるものだから、だんだんと。

「コイツ、そんなに悪いヤツじゃないかも?」となったらしい。明らかに私を悪く思う態度をとっていたのにそれに腹を立てず、むしろ自分という人間に興味を示してくれる人間がそんなに悪いとは思えない、と考え直してくれたらしい。

人間って面白い。自分を正当に評価してもらおうと思ったら、自分の正当性を言葉尽くしてアピールしなきゃいけない気がしてしまう。だから言葉を一杯しゃべってしまう。そのためにかえって言い繕う感じが出て、「ほらやっぱり」となってしまう。

しかし相手に興味関心を持ち、話を一方的に聞く側に回ると、相手は心を開いてくれる。自分に興味を持ってくれる人、話を聞いてくれる人、驚いてくれる人に出会うことは滅多にないから。そんな人に出会えると嬉しいから。

自分のことを理解させようとする関係性から、相手のことを理解し、興味関心を持つ関係性へ。すると不思議なもので、自分のことに興味関心を持ってくれた相手に対し、「この人はなんで自分に興味関心を示してくれるのだろう?」と興味を持ち、理解しようと努めるようになる。

相手に自分を理解してもらおうと思うなら、まず相手に興味関心を持つこと。すると、相手は興味関心を持ってもらえた嬉しさから、こちらを理解しようと努め始めるものらしい。
自分は相手を理解しようと努めるが、相手が自分を理解するかどうかは委ねてしまう。そのほうが理解は得られやすいらしい。

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