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【当日レポート③|観光分科会】

各分科会のレポート第2弾!1日目の午後に教育、観光、健康・福祉の3分科会。2日目の午前に食と農、テクノロジー、まちづくりの3分科会が同時開催でしたので、気になる分野の時間かぶっているという方も多かったと思います。各分科会の様子を一緒に振り返ってみましょう。

今回は、観光分科会です。

観光分科会 10月8日(土)

本分科会は、ゲストの石田様、石坂様によるご講演と、参加者によるワークショップの二部構成で行いました。

まず、本分科会のテーマは、

「世界中の人が信州のファンになるには?」

です。


このテーマのもと、熱い思いを持った若者がたくさん集まり、会場は熱気で溢れていました。自己紹介では4人1チームになり、印象に残った観光体験も合わせて紹介しました。若干の緊張に包まれていた会場も、旅にまつわる面白い話や、ありえない話を共有することで和やかな雰囲気になっていました。

(テーマ設定の背景などの詳細はこちらから。https://note.mu/shinshu2030/n/n0ee091971d1b)

本分科会のゲスト並びに協賛企業として、株式会社ポップ様にご参加いただきました。


第1部 ゲストトーク

観光分科会の第1部では、分科会のテーマのもと、観光業に携わっている経緯や、観光の未来・信州の観光の現状についてお話しいただきました。

ゲストトーク① 株式会社trippiece 代表取締役 石田言行様

石田氏は株式会社trippiece設立のきっかけやこれからの旅行の形態の変化についてお話してくださりました。

「個人化の世の中」

・社会人になると友達というカテゴリが減少(新しい人に出会いづらくなる。周りが結婚し家庭を持つようになる。)

・旅行のスタイルの変化(かつてはパッケージツアーが主流であったが、自分でホテルticket予約やスケルトンツアーが現在の主流である。)

・おひとりさま市場の台頭(一人でも遊べる遊びが人気。また20代後半自分の趣味に対して投資をしたいが、一人で踏み出しにくい人が多い。)

まず、これらの要因などから市場は個人化されてきていると述べられました。

「個人化の時代で」

さらに、インターネットの普及で個人化の流れが進む中、オリジナリティがあり、個性化された旅がある程度市場の主流になって来るといいます

「個人の発信力がキーポイント」

これからは個人化が進み、インターネットの普及により、B to B やB to Cよりも、新しいビジネスのカタチC to Cが主流になってゆくそうです。そんな中に必要なのは、発信力であるとはっきりといいます。また、情報を受ける側のレベルが高ければ、それだけ多くのチャンスが生まれると述べられていました。

ゲストトーク② 株式会社ヤドロク代表取締役 石坂大輔様

現在、山ノ内町で築90年の小石や旅館を経営なさっている石坂氏に、長野のローカルな現実を話していただきました。

「旅館のイメージを覆す」

“田舎”で営む数ある旅館の中で、他の旅館とは一線を画すサービスを提供することで差別化を図っていった石坂氏。例えば、日本滞在中に山ノ内町にくつろぎに来た外国人の宿泊者によりリラックスしてもらうために、旅館内の食事では和食ではなく洋食のみを提供したり、海外ホテルでは一般的な素泊まりを可能にしたり、旅館のイメージを覆すような新しい宿泊方法の提案をすることで、外国人旅行客から人気の宿になりました。

「しがらみの中で」

昔ながらの温泉街には、古くからのしがらみが多くあるといいます。そのしがらみや伝統の中で、必死に活動を続けることで、1人2人と応援してくれる人が出てきた。また、しがらみのない自分だからこそ、温泉街の経営者同士のパイプ役ができると述べられました。


ターゲット層を明確にすることで新たな宿泊者を獲得し、競争の激しい旅館業の中でも目立つ存在になっている石坂氏のお話はとても刺激的で、何よりも長野県で実際にご活躍されているご本人のお話は、参加者にとっても大変興味深く、自分事として考える人が多くみられました。

質疑応答の時間には、『観光地の魅力をつくるコツは?』、『伝統を変えていくことへの躊躇はなかったのか?』という突っ込んだ質問から、『2人にとって幸せとは?』というゲスト自身を知りたいというような質問まで様々で、次々に参加者が挙手して質問をするという、大変盛り上がった様子見られました。


第2部 ワークショップ

ゲストの方のご講演を受け、ほかの参加者たちと一緒に考えたい問いを共有し、興味のある人同士で集まってグループディスカッションを行いました。

『真田丸のその後は?』『強力な資源がない町にどうやって人を呼ぶか?』『アウトドア体験を盛り上げていきたい』『人生をささげたいテーマとは?』

など8~10個ほどの多岐にわたる問いが出ました。観光という誰もが興味を持ちやすい分科会だけに『人生をささげたいテーマとは?』という問も出る中、どのグループも活発に話している姿が印象的で、意見を共有することでより具体的な内容に踏み込む姿も見られました。時間が押してしまったため、OSTが短くなってしまい、少し話し足りない様子が見られるところもありましたが、それぞれの新たな一歩を踏み出すための貴重な時間になりました。


分科会担当者の感想

ぞくぞくと参加者が集まって、超満員の部屋になっていくのをドキドキしながら眺めていました。観光の担い手と受け手の境界線がなくなってゆくこれからの世の中で、どうしたら世界中の人を信州のファンにできるか、ゲストのお二人にも本当に多くの質問が出て、熱気ある活発な意見交換ができており、分科会担当者として喜びを隠しきれませんでした。「観光」「旅」という、誰にでも経験があり、間口が広くて取り組みやすいテーマだったからこそ、参加者の皆さん同士が与えあう気づきというのが考えるとても重要なきっかけになったと思います。私自身も皆さんからたくさんの問いや考える種をいただきました。観光地長野県の未来を支える40人に出会えたこと、感謝しています! 

文責:大日方・藤澤

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